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オフサイド (漫画) - Wikipedia

オフサイド (漫画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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オフサイド』は1987年から1992年まで週刊少年マガジンに連載された塀内夏子(塀内真人)の漫画作品。また、それを原作としたテレビアニメOVA

目次

[編集] 概要

サッカー漫画であるが現実離れした表現はほとんどなく、試合のシーンの引き伸ばしによる連載の長期化を招くこともなかった。高校サッカーを題材とした漫画の中では名作とも言われている。

  • 主人公の所属する川崎高校のライバル・横浜南高校は、実在の横浜市立南高等学校横浜市港南区)がモデルである。通称は「ナンコウ」、自由な校風であり、スポーツが比較的盛んな公立高校である。横浜市の西部にあり、川崎市と川一本を隔てた立地にはない。
  • 川崎高校のモデルは不明だが、川崎市立工業高等学校は実際に「ドテ高」と称されており、説としては有力である。

突っ込みどころとしては

  • 初期の頃はハーフバックフルバック等、連載当時はあまり使用されていない古いサッカー用語を連発。また県決勝でも土のグラウンドでプレーする等、何処か1980年代以前の雰囲気が漂っていた[1]
  • また「実業団」[2]、「全日本」[3]等の古い用語を始め、「全国中学ベストイレブン」[4]、「ガード」[5]、「フィールダー」といった作者独特の用語も連発されている。
  • 1年次の全国大会辺りから「熊谷の手元でホップする[6]ロングシュート」や「浪速食産高校の珍妙なチームプレー」等の現実離れしたプレーが登場したが、中盤以降は作者が知識を付けプレスディフェンスダイレクトプレーセットプレーにおける色々なアイデア等の現実的なプレーや芝生のグラウンドでのプレーが描かれる様になった。

などが挙げられる。


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


[編集] ストーリー

中学生の熊谷五郎は恵まれた体躯とセンスを持つゴールキーパーだが、中学校のサッカー部は万年初戦敗退の弱小校で脚光を浴びる事は無かった。 高校受験を迎えた五郎は、「五郎ちゃんはもっと評価されるべきだ」と言う幼馴染の渚の勧めもあり、文武両道を掲げるサッカーの名門、横浜南高校(通称・ヨコナン)に共に入学を目指す。しかし受験日当日に渚が交通事故に遭い試験を受ける事が出来ず、最終的にヨコナンの向かいにある私立川崎高校(川高)への入学を余儀なくされた。しかし、そこにはかつて中学生の最後の練習試合で五郎と死闘を演じた薬丸、シンゴの両名がいたのだ。

五郎、薬丸、シンゴの3人は、打倒ヨコナンを目指し仲間と共に成長して行く。そして、後にキーパーからフィールドプレーヤーへ転向した五郎は、世界へ通用する選手としての道を歩む事になる。

[編集] 登場人物

[編集] 私立川崎高校

この物語の主な舞台である。 文武両道の名門である横浜南高校と川向いにありながら、その学力レベルは天と地の差があり、"ドテ高"と揶揄されている。

熊谷五郎(くまがや ごろう、声優:土田大 / OVAは置鮎龍太郎
この物語の主人公。ポジションは当初はGKを務めていたが、織田や勝彦の勧めもあって1年の秋からMFに転向した。抜群の身体能力と卓越したシュート力で頭角を現し、高校サッカーを代表するプレーヤーへと成長していく。
普段は温厚な性格で部員からは信頼を置かれ慕われている。リーダー気質の持ち主で、織田の引退後は2年生ながらキャプテンに任命された。
一旦激昂すると怒りで歯止めが掛からなくなる一面を持つ(暴力的な意味ではなく、稀にしか無いのだが)。しかし、私的な理由で激昂するのではなく、トラブルに遭った部員を庇う為とか、プレーに精彩を欠く部員に対し喝を入れる為という理由で激昂しているので、仲間や後輩の信頼を失わずに済んでいる。
高校卒業後はドイツへ留学し、ブンデスリーガ1部の1.FCケルンでプロデビューを果たした。
モデルは元韮崎高校羽中田昌とされる。
伊藤 渚(いとう なぎさ、声優:樋口智恵子 / OVAは日高のり子
サッカー部マネージャー。
五郎の幼馴染。子供の頃から影ながら応援し続けてきた。
性格はおっちょこちょいで不器用、少し短気。この性格が災いした事故で、五郎と共に川高へと入学する事になった。
五郎の傍で応援したいと、サッカー部の二代目マネージャーに志願、持ち前の姉御肌で部員を支えた。
後に五郎がドイツのブンデスリーガへ移籍する事を知ったのをきっかけにドイツ語を猛勉強、雑誌社の翻訳担当となる。
薬丸英樹(やくまる ひでき、声優:私市淳 / OVAは中原茂
ポジションはFW
シンゴとは幼馴染であり、サッカーでは良き相棒でもある。幼い頃から培ってきたコンビプレーは抜群で、お互い見ていなくても相手のいる位置が正確に分かる程である。
小柄な体格ではあるが、チーム1の俊足と優れた得点感覚を持ち合わせており、五郎がフィールドプレーヤーに転向するまでは、川高の得点源だった。
性格は豪放で強烈な負けず嫌い。
実家は病院を経営している資産家。メイドや執事まで完備しており、お坊ちゃんとして何不自由なく育っている。
卒業後はシンゴと別れ日産へ入団した。
佐藤真悟(さとう しんご、声優:渋谷茂 / OVAは堀川りょう
ポジションはFW(左ウイング)。
薬丸の幼馴染であり、サッカーでは良き相棒。連載当初から不動の川高の左ウイングであり、クライフターン[7]等の高等技術を使いこなすテクニシャンである。
性格はナルシストで大の女好き。喫茶店を営む実家は貧乏で両親はおらず、姉との二人暮しなので、早く有名になって姉に楽させてあげたいという姉思いの一面もある。
卒業後は薬丸と別れヤマハへ入団した。
野内良成(のうち よしなり、声優:藤田圭宣
ポジションはDF(サイドバック)。後にマネージャー。
五郎の中学時代からの同級生でサッカー部でもチームメイト。五郎の不遇の時代を知る数少ない人物の一人。
五郎を追って川高に入学しサッカー部に入部。選手層の薄い台所事情から1年次から出場機会を掴んだ。
大人しい性格や技術で劣る事から薬丸の標的にされ、サッカー部全体を巻き込む騒動に発展するが後に和解した。
日比野勝彦(ひびの かつひこ、声優:神谷浩史
南米帰りの小柄なGK。
ヨコナンの日比野慶彦の双子の弟。兄である慶彦に強烈なライバル意識を持ち、兄を打倒する為に川高に入学した。
中学時代はブラジルへサッカー留学していた影響からか、社交的で物事をハッキリ言う性格。プライドは非常に高く、人に気を使われる事を嫌う。また、何か失敗する度に誰もいない所で涙を流す一面がある。その一方で努力家で仲間思いの面もある。
GKとしては致命的とも思えるほど小柄だが、驚異的なジャンプ力や反射神経、そして判断力でゴールを死守した。五郎を"剛"のGKとするなら、さしずめ"柔"のGKと言ったところである。
五郎のストライカーとしての素質を逸早く見抜き、フィールドプレーヤーへコンバートさせるきっかけとなった人物である。
卒業後は慶彦と共に早稲田大学へ進学した。
織田和仁(おだ かずひと、声優:松本保典
ポジションはMF(攻撃的MF)、DF(スイーパー)。
川高サッカー部を一から作り上げた人物。中学時代は全国ベストイレブンに選出され、高校1年次には「ヨコナン」に在籍し将来を嘱望された選手であった。
だがサッカー選手にとっては命とも言える膝を故障し、監督との確執もあってヨコナンを去り川高に編入。リハビリと復帰を繰り返しながら、素人同然の部員に根気強くサッカーを教え「ヨコナン」と対等に渡り合えるチームにまで育て上げた。
普段はおふざけキャラだが意外に真面目で頭も良く、リーダーシップもある。選手の兄貴分的存在である。
卒業後は筑波大学に進学し、ここでもキャプテンを務めた。
織田由樹子(おだ ゆきこ、声優:伊藤美紀
織田和仁の妹で、川高サッカー部初代マネージャー。
美人で真面目で礼儀正しい、サッカー部員の憧れの的。
怪我を押して試合出場を続ける兄を常に心配している。
阿部弘志(あべ ひろし、声優:天田真人
ポジションはFW(右ウイング)。
中学時代は不良で川高入学と同時にサッカーを始めた。薬丸に次ぐナンバー2の俊足の持ち主で、チームメイトの島本の影響や、素直な性格からくる飲み込みの早さと、惜しまぬ努力でレギュラーに成長した。
途中登場の脇役ながら、上達過程の細かい描写・公式戦初ゴールでの嬉し涙・ゼロ角度シュート・不良であった過去の清算・めぐみとの復縁等、彼を主軸としたエピソードは多い。
島本 守(しまもと まもる)
ポジションはDF(リベロ)。元日本ジュニアユース代表
川高の守りの要であると共に、大きく正確なロングパスや意表を突くオーバーラップで得点にも絡む、川高の頼れるリベロ。
当初は幼馴染の不破と共に「ヨコナン」に勧誘され練習に参加していたが、熊谷達の自由奔放なサッカーに影響を受け誘いを断り川高に入学。その事で不破とは一時期、険悪な仲になるが後に和解した。
性格はいたって純粋で、誰にでも優しい優等生。
後に阿部とのコンビは「薬丸・シンゴの後を継ぐ川高の新黄金コンビ」と評され、次代の川高をキャプテンとしても支えていく事になる。
八木 維(やぎ ただし)
ポジションはDF(センターバック)。
中学時代は不良で蕪双の松浦や西崎の後輩。中学の時にケンカが原因で一年留年している(学年的には五郎達の2つ下だが、年齢的には五郎達の1つ下で、阿部や島本と同い年である)。その為、喧嘩慣れをしているが、やや短気な面もある。 高校進学の際には地元の埼玉を離れ神奈川へ越境入学した。
長身とパワーをいかし、相手のセンタリングをことごとく跳ね返す屈強なDFとして活躍。
松浦とは因縁(後述)があり憎悪を抱いているが、実は中学時代はそのプレーに憧れていた。
有本 渉(ありもと わたる、声優:野島健児
ポジションはMF、DF。
ヨコナンの有本監督の息子だが、性格・顔共に似ても似つかない軽い性格。とっつきにくい八木にも気軽に声を掛ける。
厳格な父親に反抗して川高に入学し、期待の戦力として注目を集めるも、中学時代までとは比べ物にならない大舞台で、プレッシャーに脆い一面を見せ始め、足を引っ張ることもしばしばあった。
潜在能力はそれなりにある。
田中先生
川崎高校サッカー部顧問。
サッカーに関しての知識はほとんどない、所謂、部成立のための飾りな人。
物語中、僅かながら出番もある。
太田(声優:千葉進歩
初期川高サッカー部を支えたメンバーの1人。
金子(声優:関根一則)
初期川高サッカー部を支えたメンバーの1人。
渡辺(声優:久保田創)
初期川高サッカー部を支えたメンバーの1人。
馬場(声優:川田紳司
初期川高サッカー部を支えたメンバーの1人。
米田(声優:谷山紀章

[編集] 横浜南高校

文武両道の名門校で、サッカーは全国有数の強豪。県予選では川高の最大のライバルとなり、両高の戦いは多くの名勝負を生み出した。

有本監督(ありもと かんとく、声優:志村知幸
横浜南高校サッカー部監督。
非常に厳格な人物で、当初は試合で一度ミスをしただけの部員を容赦なく2軍や3軍に落とす鬼監督だった。
しかし2年次の国体編以降は性格も丸くなり、指導者のいない川高サッカー部の良き理解者となった。
茅野鷹志(かやの たかし、声優:三木眞一郎 / OVAは塩沢兼人
ポジションはMF(攻撃的MF)、FW(センターフォワード)。
「十年に一人の天才プレーヤー」と評されるヨコナンの中心選手で、3年次にはキャプテンも務めた。
右斜め45度からのシュートには絶対の自信を持っており、五郎相手にPA外からゴールを決め、強烈なシュート力で右手を裂傷させる荒業も見せた[8]
周りに厳しいが自分にも厳しく、天才ともてはやされる事にもあまり関心は無い(作中で語られる過去にも理由がある)。
実はギャンブル(作中ではオイチョカブ)に滅法強いという隠れた才能を持つ。
卒業後は早稲田大学へ進学した。
日比野慶彦(ひびの よしひこ、声優:神奈延年
ポジションはMF(攻撃的MF)、FW。
日比野勝彦の双子の兄。当初は嫌味な性格だったが、川高との対戦を通じて変化が生じ、茅野の引退後はキャプテンを務めた。
洗練されたドリブルセンスの持ち主で、そのテクニックは全国でもトップクラス。
高校3年最後の県大会決勝では、プライドを捨てた徹底的な守備と反則を厭わないプレーで川高を苦しめた。
卒業後は早稲田大学へ試験を経て合格、推薦で合格となった弟の勝彦と共に入学した。
倉地(くらち) 
ポジションはDF。
慶彦と共に1年次からレギュラーを手にし、2年次には神奈川県選抜として国体にも出場した。
外見が不破と似ていたためか、不破登場後は影が薄くなる。
不破(ふわ)
ポジションはFW(センターフォワード)。
元中学ベストイレブンで、幼馴染の島本とは黄金コンビと呼ばれていた。
高校進学の際には島本とは別々の学校に進み、当初は強烈に敵視していたが後に和解。それ以後はお互いを良きライバルとして見るようになる。
高柳(たかやなぎ、声優:小西克幸
ポジションはGK。連載初期のヨコナンのキャプテン。
有本監督への復讐に燃える織田をヨコナン在籍当時から良く知る人物であり、良き理解者でもある。織田がヨコナンを去る際、唯一それを止めたのも彼である。
広沢(ひろさわ)
ポジションはDF(ストッパー)。入部当時は超有望株だったが、不真面目な性格と練習嫌いが有本に嫌われ四軍に落とされていた。五郎達が2年次の選手権予選直前にレギュラー入りを果たした。
肥満体型ながら、一瞬でトップスピードに入る瞬発力と五郎並のキック力を誇る。ファールすれすれのプレーを繰り返す、島本とはまた違った意味でのDF能力に優れた選手でもある。
後藤(ごとう)
ポジションはGK。連載中最後の川高対ヨコナン戦でのヨコナンの1年生GK。
威勢と元気が良い豪胆な性格。指を負傷後も出場し続ける根性で川高イレブンを威圧した。ハンドスローは70m近くもの距離を飛ばす怪力の持ち主でもある。

[編集] 神奈川県勢

島原誠(しまばら まこと)
瀬谷二高校主将。ポジションはFW(右ウイング)。五郎達の一つ年上。
薬丸に匹敵する快速のウイングでセンタリングの名手。得意技は0度からのセンタリング。
瀬谷二高には監督もマネージャーもいない[9]ので、ワンマンチームの上に、雑用からチームメイトのフォローまで行う苦労人。
国体編決勝で捻挫を負い、最後の選手権予選には出場できなかった。
大伴雄(おおとも)
瀬谷二高所属。ポジションはFW(センターフォワード)。島原とは同い年だが、一年留年しており、退学寸前だったのを島原の懇願でサッカー部に入部。
気性が荒く、チームメイトの弁当も奪う大食い。しかし、川高との敗戦後には悔しがりながらも来年こそ勝とうと練習に向かうなど、前向きな気質の憎めない性格。真美と言う彼女がいる。
大柄の石頭でヘディングが得意でパワーとテクニックに優れるが、勝彦とは相性が悪くゴールが割れなかった。
黒崎享(くろさき とおる)
茅ヶ崎商工所属。ポジションはGK。南海の虎と称され、褐色の肌が特徴。
中学時代にベストイレブン、初登場時は28試合無失点と一つのトーナメントで3つのPK戦を制し、国体では正キーパーに抜擢されている実力者。
父親が暴力団関係者で、抗争事件にサッカー部員が巻き込まれた事をキッカケに、高知から母親の実家の茅ヶ崎に移り住んだ。
国体編では、正キーパーとして決勝まで1失点の活躍をするが、決勝戦で鹿児島の強力なシュートで受身が取れずに腕を骨折して途中交代。これ以降出番は無かった。
奥村保夫(おくむら やすお)
小田原商業高所属。ポジションはFW。五郎達の一つ年下。小柄で美形。
普段は無口で気弱だが、兄の喝で強くなる。山奥の暮らしで、兄と二人でサッカーをしていたためにFWとGK両方が出来るため、幹夫とのゴール前の守備の連携は抜群。
俊足だが、薬丸には劣るが山奥暮らしのスタミナで、兄の幹夫曰く「100m一本は平凡なタイムだけど100m100本なら保夫に叶う奴はいない」と後半20分過ぎから必ず得点を入れるデータまである。また、横南戦でヘディングのミスを膝で押し込んだ非凡なシュートセンスを持つ。
奥村幹夫(おくむら みきお)
小田原商業高所属。ポジションはGK。弟の保夫とポジションを交代してFWを務める事もある。保夫とは双子だが、二卵性で全く似てない大柄の肥満体型。
強力なキック力を持ち、川高戦ではロングシュートを決めている。また、保夫を強く信頼している。
保坂一範(ほさか かずのり)
朝日高校所属。ポジションはMF(ゲームメーカー)。
類稀なパスセンスと視野の広さを持つ天才パサーで、ヨコナンの茅野とは中学時代のチームメイトであった。しかし重度の病を患ってている為、トップクラスの試合でフル出場する事は出来ない。
国体に臨む神奈川選抜に、制限時間付きでの出場を許可されて参加。スーパーサブとして局地的な出場となったにも関わらず、国体アシスト王という記録を残した。
茅野が天才ともてはやされる事に興味が無い原因となる人物でもある。(茅野曰く「俺がエースストライカーとなれたのは、常にあいつのパスがあったからこそ」との事。)

[編集] 静岡一高

サッカー王国とも言われる激戦区・静岡の代表で、昨年度の全国優勝校でもある名門中の名門。 特に超高校級ストライカーである暮林の存在は圧倒的であり、そこに明智の頭脳が加わった時の隙は特に見当たらない。

明智紀之(あけち のりゆき、声優:櫻井孝宏
ポジションはMF(攻撃的MF)。静一の文字通り司令塔。
頭脳明晰、IQ190の秀才で、常に冷静沈着・・・のように見えるが実は短気。彼の出すサインに従って繰り出される、多彩なセットプレーが静一の命綱。
卒業後は筑波大学に進学した。
暮林哲郎(くればやし てつお)
ポジションはFW(センターフォワード)。静一のエースストライカーで、心・技・体のどれをとっても超高校級のスタープレイヤー。明智、池永の一年上。
当初は日本一の激戦区である静岡代表としてのプライドから川高を見下していたが、後に実力を認め、王者としての誇りを賭けて立ちはだかる。
挫折に脆いチームを建て直したり、敗色濃厚な場面で選手を鼓舞するなど、強烈なキャプテンシーも持ち合わせている。
卒業後はヤマハに入団した。
池永(いけなが)
ポジションはGK。幼少の頃から天才GKと言われ続け将来を嘱望されてきたエリート。
身長・判断力・キック力・セービング技術等どこを取っても非の打ち所の無いまさに理想的なGK。
沢村健人(さわむら けんと)
ポジションはDF(リベロ)。父が日本人で、母がオランダ人のハーフ。
個人技のレベルは非常に高く、初登場時にはたった1人であっという間に川高から2点をもぎ取った程。そのプレースタイルから和製フリットと呼ばれた。
海外生活が長かった事もあってか上下関係には疎く、特に明智との折り合いは最悪だった。しかし選手としてはお互い尊敬していたらしく、明智の引退時には酷く悲しむ描写もあった。
岡本(おかもと)
ポジションはFW。
チーム1の俊足の持ち主(100mラップは10秒2)で日本陸連から勧誘を受けた事もある。
異名は"静一の韋駄天"。俊足を活かした高速のオーバーラップで川高を苦しめた。
井上(いのうえ)
ポジションはDF。
神出鬼没なサイドバック。最初の川高と静一の対決では川高は暮林の突破を警戒するあまり、彼の得点を許した。

[編集] 成京高校

連載中に新設された新進気鋭の高校。元日本代表の沢渡監督の掲げる理論的な指導の下で急激に頭角を現し、創部僅か2年で全国大会出場という、川高以上のハイペースでのし上がってきた。その背景のせいか、部員には3年生がおらず、1・2年生しかいない。

高校、大学が付属で持ち上がりのため、高校で基礎、大学で技術を磨き、世界レベルのシニア選手を生む事を目的としているため、パスワークとフォーメーションを徹底しているが、試合は選手に任せる自主性や自由を与えている。余談だが、国体編で成京大が鹿児島と練習試合を組んでいる。

五郎達の卒業後の高校サッカー界では静一と2強を形成する。

沢渡明(さわたり あきら)
成京高校サッカー部監督。
元日本代表選手。
理論派タイプで、いつも冷静沈着でクール。蕪双の堂島監督とは正反対の性格である。
成京だけでなく、日本サッカー界全体の未来を考える人物で、将来有望な選手にはライバル校の選手であろうとアドバイスをする稀有な人間でもある。事実、成京との試合後に五郎もアドバイスを受けた。
的場圭一(まとば けいいち)
ポジションはMF(攻撃的MF)。成京高校の絶対的エースであり、その正確無比なフリーキックは高校サッカー界ナンバー1との呼び声が高い。
性格は自己中心的で傲慢。その為、仲間とは度々衝突を起こし敬遠されているが、実力は認められている。
父も元日本代表GKとして沢渡監督や蕪双の堂島監督と同時期に名を馳せた人物であったが、小さな工場を営む冴えない姿しか知らない為、一方的に嫌悪している。
「フリーキック一本で海外に乗り込む」という野心があり、海外からスカウトを受けている五郎にライバル心を抱いている。
父の全盛期の頃のプレーの凄さは堂島や沢渡も作中で言及しており、この一方的な嫌悪は彼がまだ精神的に未熟ゆえの、ある意味当然の感情と言える。
サミュエル・ロッシ
ポジションはMF(攻撃的MF)。
イタリアからの留学生。相手を華麗に翻弄するテクニシャンとして活躍した。
新田智之(にった ともゆき)
ポジションはFW。
胴長短足の独特の体型を活かした低い重心のおかげで、常に安定した体勢でドリブルやシュートができる利点を持つ。
短足を指摘されてもネタにしたり、あっさりと情報を教えたりする気さくな性格。

[編集] 鹿児島学院

黒のユニフォームを身に纏い、部員全員が坊主頭という、異色の仏教系の高校。
選手全員が大学生程の身長と体格を誇り、練習の一環として座禅で精神統一を図ったり、試合会場から下宿まで走って往復する等、驚異的なスタミナを持つ。
ゴール前に堅固なゾーンディフェンス[10]を敷き、それを突破する事は非常に困難である。
サッカーも精神鍛錬の一環という位置付けのため、「ガッツポーズ禁止」という厳格な高校でもある。
蘇我はじめ(そが はじめ)
ポジションはFW、MF。鹿児学のエースストライカー、身体能力を活かした迫力あるドリブル突破と豪快なヘディングシュートを得意とし、黒いミサイルと呼ばれた。
校風の厳格さからか、クールな性格をしているが、それが決定的な場面における消極的なプレーとなって現れている面もある。しかし、内に熱い物を秘めている。
卒業後は付属大学に進学し、実家の寺を継ぐ予定である。
九鬼一平(くき いっぺい〕
ポジションはGK。
厳格な鹿児学において、唯一異端児とも言える感情的な性格の持ち主であるが、チームの雰囲気が落ちた時に一転させる存在で、時に大胆なプレーもする[11]。川高のメンバーに話しかける気さくさを持ち、蘇我とも付き合いが長い。
長身に加えて驚異的な手足の長さを誇り、最高到達点が350センチに及び、ゴール前のセットプレーをほとんど封じてしまう。静一の池永と並んで全国トップクラスのGKである。
国体編では、バレーボールに出場して未登場だった。
卒業後は順天堂大学に進学し、蕪双の西崎とは喧嘩が名物になるも後に良い飲み仲間になる。
須佐見(すさみ)
ポジションはMF。
蘇我たちの一つ上で国体編では登場せず(剣道に出場)全国大会から登場した。
剣道で日本一を取った抜き胴という技ででシンゴを抜き去る実力者。高校生には見えない老け顔。

[編集] 蕪双高校

かつての高校サッカーの強豪校。高校自体は不良ばかり集まる、所謂"吹き溜まり"。二年間の公式試合出場停止を受けた後のインターハイでは、川高を破りベスト4進出の快挙を成し遂げた。しかし準決勝の鹿児島学院戦の前半5分で乱闘を起こし、松浦、西崎が退場し惨敗するという型破りな高校でもある。

堂島 譲二(どうじま じょうじ)
元日本代表のGKで、現在の蕪双サッカー部監督。
豪快な性格で、体育会系が服着て歩いているような人物。上下関係に厳しく松浦や西崎すら頭が上がらない程である。グラウンドに一礼する事を忘れた他校生の熊谷達を叱り飛ばす場面もあった。
松浦の類稀なる才能に惚れ込んで全国を目指し、熱心な練習への勧誘(喧嘩やラブホテル、シンナーやタバコの最中に呼びかけるが、怒らずに終わるまで待った)を行った程。
その松浦が高校卒業後もサッカーを続けると知ると、感極まって涙する場面も。
津野 まさはる(つの まさはる、声優:遠近孝一
ポジションはDF。
蕪双のキャプテンで、攻守の要。素行不良な蕪双サッカー部内において、貴重な常識人で八木の松浦に対する誤解を解いた人物。二年間の公式試合出場停止によって部の存続が危ぶまれる中、再起を信じてサッカー部を支え続けた。
安定感のある堅実なプレーヤー。スイーパーボランチ役をこなし蕪双守備陣をリードすると共に、攻撃参加も行い、松浦や西崎を絶妙にサポートする。
松浦 猛(まつうら たけし)
ポジションはFW。
この物語のラスボスとも言える人物。蕪双の2年間公式試合出場停止の原因となった[12]
不良っぽくいかつい風貌が特徴で、強引なプレーが目立つが、ボールテクニックにも優れ、静一戦では沢村と池永二人を手玉に取るなどフォワードとしての才能は静一の暮林にも引けを取らない。
また、勝負勘に優れ、試合展開を読んでディフェンスに回るポジションに囚われない動き、相手の弱点を瞬時に見抜きそれを鋭く突く狡猾さ等、性格や風貌に反してサッカーに関しては非常に頭脳的な選手である。
傑出した得点能力の持ち主で、味方のサポート無しに単独でゴールを決める事が出来る。川高とは2戦して2度ともハットトリックを決め、高校選手権では得点王に輝いた。
当初は「サッカーは高校まで」としていたが、卒業後は堂島の古巣のヤンマーに入団した。
西崎 裕二(にしざき ゆうじ)
ポジションはFW。
金髪でリーゼントと、いかにも不良な格好をしているが、薬丸並みの俊足を持ち、長身と体躯にも恵まれている。
俊足を活かしたドリブルを得意とし、松浦とのコンビで川高を再三のピンチに追い込んだ。また、仲間想いな面もある。
卒業後は津野と共に順天堂大学へ進学した。

[編集] その他

日比野辰彦(ひびの たつひこ)
日比野真彦、勝彦、慶彦の長兄。西ドイツ・ブンデスリーガの1FCケルンに所属する日本人プロ第1号選手。
熊谷が高校2年次からドイツ留学に熱心に勧誘をしている。
モデルは奥寺康彦。ポジションは作中では言及されていない。
日比野真彦(声優:遠近孝一
日比野勝彦、慶彦の次兄。日本サッカーリーグ1部の読売クラブ所属。
一癖ある弟達に比べ、わりと社交的な性格。ポジションは作中では言及されていない。
石原丈太郎(いしはら じょうたろう)
東京都の超エリート学校「星城学園」のエース。ポジションはFW、MF(攻撃的MF)。
モデル並のルックスを持つ選手で、初登場時には茅野と並ぶ実力者として描かれていた。
また、テニスの実力も全国レベルで、五郎たちが1年次のインターハイではテニスとサッカーを掛け持ちしていた程。
林田(はやしだ)
「星城学園」所属で石原の1年下。ポジションはMF(攻撃的MF)。
星城NO,2と称される選手。日比野勝彦とはブラジル留学時代に一緒にプレーした仲。
その縁で五郎達が1年次の夏に川高と練習試合を行うが0-6で完敗する等、噛ませ犬的存在である。
渚の母(声優:佐久間紅美

[編集] 原作のみ登場

フリッツ・ミュラー
西ドイツのブンデスリーガの1FCケルン所属の世界的スタープレーヤー。
日比野辰彦(日比野勝彦、慶彦の長兄)の紹介で来日し、国体神奈川県選抜の特別コーチを引き受けた。その際、五郎には体の柔軟性に欠ける欠点を知り、特別な練習メニューを課し厳格かつ冷徹に接する。
実は五郎の才能を高く評価し、後に五郎が才能を開花させるとブンデスリーガへ勧誘する。
アニメ版では未登場。
久志
八木の一つ年上で幼馴染。松浦と同級生でイジメられっ子
KS工業と言う松浦とは別の学校に進みサッカー部へ入部。蕪双高校との練習試合で死亡した。これが原因で蕪双高校は対外試合禁止処分となった。[13]

[編集] アニメ版のみ登場

田村(声優:久保田創)
吉田(声優:天田真人)
木村(声優:柴田創一郎
ペル・アントニオ
日比野辰彦と同じクラブに在籍するセリエAのスター選手。原作におけるフリッツ・ミュラーにあたり、国体合宿の際に熊谷に別メニューを課して選手としての覚醒を促す。
マストロヤンニ親子とも旧知であり、その和解に一役買った。
フィオ・マストロヤンニ(声優:天田真人(少年時代は今井麻美))
「イタリアの若き皇帝」と呼ばれるU-20イタリア代表のエース。圧倒的な個人能力で熊谷達を苦しめるが、チームメイトからはそのワンマンプレーから不評を買っている。父のパオロも元サッカー選手で、ある事件を切っ掛けに不仲となった。
ジャン・トレゾール(声優:鈴村健一
U-20フランス代表のエース。「ナポレオン」の異名を持つ。

以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] アニメ版

2001年5月10日から2002年1月31日までアニマックスにおいて放送。全39話。

[編集] スタッフ

  • プロデューサー:平瀬清範、田村浩一
  • プランニングプロデューサー:佐藤直美
  • 制作プロデューサー:増田光弘
  • 監督:奥田誠治
  • シリーズ構成:小山高生
  • キャラクターデザイン:とみながまり、新井豊
  • 文芸:彩乃小路
  • 色彩設定:梅田祐樹
  • 文芸担当:加藤久佳
  • 音楽:坂本昌之
  • 音楽プロデューサー:八木仁
  • 音楽ディレクター:藤田昭彦
  • 美術監督:宮前光春
  • 撮影監督:小西一廣
  • 編集:小峰博美
  • 音響監督:渡辺淳
  • 脚本:小山高生、星川泰子、細井能道、山田健一、彩乃小路、堀井明子
  • 絵コンテ:木宮茂、藤原良二
  • 製作:葦プロダクション、アニマックスブロードキャスト・ジャパン

[編集] 主題歌

  • OP『大好きなシューズ』(作詞:大森祥子/作曲:浅田直/編曲:坂本昌之/歌:樋口智恵子)
  • ED『C/W Deary』(作詞:大森祥子/作曲:浅田直/編曲:坂本昌之/歌:樋口智恵子)

[編集] キャスト

  • アナウンサー(声優:小西克幸)
  • 主審(声優:近田和生

[編集] 放映リスト

  1. 運命のオフサイド
  2. PK百本セーブ
  3. ライバル初対決!
  4. インターハイ予選開始
  5. 激闘インターハイ予選
  6. ロスタイムの攻防
  7. ストライカー誕生
  8. 冬の選手権キックオフ
  9. リベンジ川崎対横浜南
  10. 織田ファイナルゲーム
  11. キャプテンの自覚
  12. 勝利へのアプローチ
  13. 激闘のピリオド
  14. 宿命のライバル
  15. 特別メニューの成果
  16. エースの誇り
  17. 茅野VS五郎
  18. 雨中のPK戦
  19. パワー炸裂鹿児島学院
  20. 薬丸! 執念のゴール
  21. 静一! 王者のサッカー
  22. 驚異のセットプレー
  23. 涙のタイムアップ
  24. 発進! U-20日本代表
  25. ミラノのめぐり逢い
  26. 華麗なるフランス選抜
  27. 哀しみのローマ
  28. プライドを賭けた戦い
  29. 孤高の皇帝フィオ
  30. 栄光のカンピオーネ
  31. 波乱の新チーム
  32. 運命のコイントス
  33. 五郎!パワーアップ
  34. V2への挑戦
  35. 蕪双とのラストバトル
  36. ヒートアップ国立
  37. 激突!二人のエース
  38. 勝利へのラストラン
  39. 永遠のイレブン

[編集] OVA版

1993年1月22日に発売された。

[編集] スタッフ

  • 監督:阿部恒
  • 総監督、脚本:四辻たかお

[編集] 原作とアニメ版の相違点

  • 全体的に五郎・伊藤渚・織田由樹子の三角関係が強調されている。
  • 2年次の国体合宿ではイタリアセリエA所属のペル・アントニオという人物が登場する。また原作の国体編はアニメ版では省略され、神奈川選抜が優勝した事だけを紹介するに留まる。その為、原作で活躍した保坂一範は登場しない。また、島本や阿部、八木などのエピソードも省略されている。
  • 2年次の選手権終了後にアニメ版では、熊谷達を中心としたU-20サッカー日本代表が「イタリアユースカップ」に出場するオリジナルストーリーが展開され、熊谷が伊藤渚、織田由樹子との三角関係になる。また、五郎のキャラクターが神格化され過ぎている。
  • 3年次に登場した蕪双高校の2年間公式試合出場停止の原因が、アニメ版では松浦と西浦が暴走族の取り締まりに巻き込まれた事になっている。
  • 最後の大会では、1回戦は鹿児島、2回戦は静一となり、成京高校は登場しない。
  • 熊谷は卒業後にはドイツでなくイタリアへ留学する。

[編集] 脚注

  1. ^ 1980年代の攻撃的MFを中心としたサッカーが全盛の時代に連載されていたにも関わらず、ウイング3トップに強い拘りを見せていた。
  2. ^ サッカーでは実業団という呼称はあまり使用されなかったが、当作品では頻繁に言及される。
  3. ^ 1980年代初頭まではサッカー雑誌においても頻繁に使用されていたが、それ以降は廃れ、現在では死語となっている。
  4. ^ 「全国中学ベストイレブン」というカテゴリーや賞は存在しない。また全国中学校サッカー大会でベストイレブンを選出する慣習もない。 ナショナルトレセンU-17日本代表がそれに近い意味と思われる。
  5. ^ ディフェンス用語で言う「マーク」を指している言葉と思われる。
  6. ^ おそらく野球球種魔球から引用されたものと思われる。
  7. ^ 1年次の静一戦で描写されているプレーはマルセイユルーレット
  8. ^ 茅野の「右45度からのシュート」や「キーパーの腕を破壊」などのエピソードは釜本邦茂(1960年代から70年代の名ストライカー)の逸話から拝借された物と思われる。
  9. ^ 筈なのに、国体編で高橋と言うコーチが登場している。
  10. ^ 作中で描写されているものは、どちらかといえばカテナチオに近く、サッカー用語のゾーンプレスとは異なる。
  11. ^ 2年次の川高戦では終了直前、自陣ゴールを飛び出して攻撃参加。3年次の成京戦では的場のフリーキックに壁無しで挑んでいる。
  12. ^ 練習試合での死亡事故の原因とされた。アニメ版では暴走族の取り締まりに巻き込まれ、出場停止に変わっている。
  13. ^ アニメ版では、このエピソードは無し。

[編集] 外部リンク

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