イーゴリ・セルゲーエフ

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イーゴリ・セルゲーエフ

イーゴリ・ドミトリーエヴィチ・セルゲーエフ（ロシア語:Игорь Дмитриевич Сергеевイーガリ・ドミートリイェヴィチ・スィルギェーイェフ, Igor Dmitrievich Sergeyev,1938年 4月20日 - 2006年 11月10日）は、ソ連およびロシア連邦の軍人、政治家。ロシア連邦第三代国防相。1997年からロシア連邦元帥。

[編集] 経歴

1938年4月20日、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国ヴォロシーロフグラード州（現在のルハンスク州）ヴェルフニー市に生まれる。1960年、P.S.ナヒーモフ名称黒海高等海軍学校を卒業。1960年から1971年までソ連戦略ロケット軍で勤務。1973年、F.E.ジェルジンスキー名称軍事技術アカデミー指揮学部を修了し、1980年、参謀本部軍事アカデミーを卒業する。以後、ロケット軍第一副司令官、戦略ロケット軍参謀次長、第一参謀次長、副総司令官を経て、1992年8月、戦略ロケット軍総司令官に就任する。

1997年5月、ボリス・エリツィン大統領によってイーゴリ・ロジオノフ国防相が解任されると、ロジオノフの後任の国防相に就任した。同年11月に連邦元帥に昇進している。国防相としては、ロシア軍における軍縮、将兵の定数削減、防空軍と空軍の統合などの軍制改革を推進した。徴兵制廃止による志願制職業軍人によって構成されるロシア軍構想や陸海空三軍制への移行も計画した。

セルゲーエフは、財政難によるロシア軍再編にあたっては、陸軍を削減し、近代化された核抑止能力を戦略ロケット軍に維持する方向で推進しようとしたが、陸上兵力の充実、ロケット軍縮小を主張するアナトーリー・クワシュニン参謀総長との間で意見の対立があった。結局、チェチェン紛争の深刻化に伴い、ウラジーミル・プーチンによって地上軍・通常戦力の強化、戦略ロケット軍の予算大幅削減という路線が採られることとなった。

2001年3月に国防相を解任された。原子力潜水艦クルスク（クールスク）沈没事故の対応に対する責任を処断されたものと見られる。以後はプーチンの下でロシア連邦大統領補佐官。退役した高級将校の集まりである「ロシア連邦軍事指導者クラブ」のメンバーでもあった。

悪性リンパ腫のため、3年間療養生活を送っていたが、2006年11月10日入院していたモスクワの軍病院で死去した。68歳。