アンチョビ
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アンチョビ(英:anchovy、アンチョビーとも、伊:アッチューガ acciuga(複数形 -ghe)、仏:アンショワ anchois)とは、カタクチイワシ科(学名:Engraulidae)の魚類またはその小魚の塩蔵品のことである。日本では主に後者を指す。
漁獲されたアンチョビは、肥料や飼料としても使用され、粉状に加工したものはフィッシュミールまたは魚粉とよばれる。煮干しや魚醤も生のアンチョビを使って作られることがある。
[編集] 塩蔵アンチョビ
塩蔵品は、三枚に下ろして内臓を取り除いた小魚を塩漬けにして、冷暗所で熟成及び発酵させたものである。オリーブオイルを加え、缶詰や瓶詰にする。主にイタリアやスペイン、モロッコで生産されている。
缶詰には、三枚におろした身肉をそのまま平らに並べたフィレー・タイプのものと、その身肉をケッパーの実を芯にして渦巻状に巻いたロール・タイプのものがある。ペースト状にしてチューブに入れられた製品もある。
そのまま、あるいはペースト状にして食べるほか、サンドイッチ、カナッペの具としたり、ピザ、パスタ(プッタネスカなど)、サラダ(シーザーサラダなど)の味付けに用いたりもする。欧米のウスターソースにもアンチョビが含まれている。
アンチョビと似たものに「オイルサーディン」があるが、アンチョビは 「塩漬けにした鰯(いわし)」で、オイルサーディンは、「油漬けにした鰯」のことである。アンチョビの方がはるかに塩辛く、オイルサーディンよりも小さな魚を用いて作られる。また、オイルサーディンは普通頭と内臓を除くだけで、三枚には下ろさない。