アメリカ沿岸警備隊
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アメリカ沿岸警備隊(アメリカえんがんけいびたい、United States Coast Guard : USCG)は、アメリカ合衆国の沿岸警備隊。
陸軍、海軍、空軍、海兵隊に次ぐ5番目の軍隊であり、最小の武装組織でありながら、法の強制執行権を有し、捜索救難、海洋汚染の調査から沿岸整備や監視まで幅広い任務にあたっている。
日本国内では、横田基地内にアメリカ沿岸警備隊極東支部 (U.S. Coast Guard Far East) がある他、かつては南鳥島・硫黄島・浦幌町(十勝太)にロラン局、上瀬谷・慶佐次に通信所があった。
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[編集] 概要
沿岸警備隊は1790年8月4日に財務省の管轄として設立され、のちに運輸省に編入された。さらに、2003年3月31日に、国土安全保障省の管轄となった。
1915年1月28日に議会が提出した法案によって沿岸警備隊は現在の形となった。沿岸警備隊の法的根拠は合衆国法典の第14巻に「沿岸警備隊は1915年1月28日に設立され、軍事組織となり合衆国軍の常備部門となる。」とある通りである。
戦時には沿岸警備隊は国防総省の指揮下に入り、戦況報告を行う。そのため、第二次世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争などにも参加している。
(沿岸警備隊は戦時には「第1艦隊 (First fleet)」として編成される、とする説が流布されているがこれは正しくない。沿岸警備隊が設立された1790年からアメリカ海軍の艦隊が編成される1798年までの間、アメリカの唯一の海上兵力としてアメリカの海上交易を保護したという歴史に敬意を表して「第1艦隊」という非公式な名称を持っているだけの話であり、アメリカ海軍の第1艦隊は1946年から1973年まで沿岸警備隊とは無関係に存在していた。なおアメリカ海軍第1艦隊は1973年に第3艦隊に編入されこの名称は欠番となった)
沿岸警備隊のモットーは"Semper Paratus"(ラテン語)、英語にすると"Always Ready"、つまり「常に備えあり」で、いつでも攻撃に対処できるようにしているということである。
[編集] 階級
- 士官 Officers
- 准尉 Warrant Officers
- 准士官の階級の最上位は4級、最下位は2級である。2級以上は大統領によって任命される。
沿岸警備隊では5級及び1級の階級は設定されていない。
- 4等准尉 Chief Warrant Officer Four
- 3等准尉 Chief Warrant Officer Three
- 2等准尉 Chief Warrant Officer Two
- 准士官の階級の最上位は4級、最下位は2級である。2級以上は大統領によって任命される。
- 下士官 Petty Officers
- 沿岸警備隊先任伍長(別の訳語:沿岸警備隊最先任上級兵曹長) Master Chief Petty Officer of the Coast Guard
- 艦隊等先任伍長(別の訳語:艦隊/司令部最先任上級兵曹長) Fleet/Force Master Chief Petty Officer
- 部隊等先任伍長(別の訳語:最先任上級兵曹長) Command Master Chief Petty Officer
- ※部隊の規模等によって、それぞれ配置される。
※比較的小型の艦では上級曹長が先任伍長(最先任上級兵曹長)に指定される事がある。
- ※部隊の規模等によって、それぞれ配置される。
- 最上級兵曹長Master Chief Petty Officer
- 上級兵曹長Senior Chief Petty Officer
- 兵曹長Chief Petty Officer
- 一等兵曹Petty Officer First Class
- 二等兵曹Petty Officer Second Class
- 三等兵曹Petty Officer Third Class
- 兵 Seamen
- 上等水兵 Seaman
- 一等水兵 Seaman Apprentice
- 二等水兵 Seaman Recruit
[編集] 組織
2004年現在、沿岸警備隊は国土安全保障省に属する。
すべての下部組織は沿岸警備隊長官に属する。
- 沿岸警備隊長官
- 沿岸警備隊副長官
- 沿岸警備隊先任伍長(別の訳語:沿岸警備隊最先任上級兵曹長)(職務は長官に助言するのみ。長官の直属ではあるが決定権はない。海軍先任伍長(別の訳語:最先任上級兵曹長)や陸軍最先任上級曹長等に相当)
- 沿岸警備隊指揮本部長
- 機材管理部門
- 公民権部門
- 採掘部門
- 政府公務作業部門
- 危機管理対策部門
- 海上保安及び環境保全部門
- 人命救助部門
- 隊員養成学校
- 沿岸警備隊研究所
- 隊員募集課
- 任務受理課
- 作戦実行部門
- 予備隊員課
- 船舶安全課
- 橋脚管理課
- 法律強制執行
- 国家方面センター
- 誘導センター
- 捜索救助
[編集] 方面部隊
[編集] 海上保安部隊
沿岸警備隊は海上の保安方面を太平洋と大西洋にわけて担当している。
管区名 | 保安方面 | 指揮本部 | 担当地域 |
---|---|---|---|
第1管区 | 大西洋方面 | マサチューセッツ州ボストン | ニューイングランド、ニューヨーク州、北部ニュージャージー |
第5管区 | 大西洋方面 | バージニア州ポーツマス | ペンシルベニア州、南部ニュージャージー、 デラウェア州、メリーランド州、バージニア州、ノースカロライナ州 |
第7管区 | 大西洋方面 | フロリダ州マイアミ | サウスカロライナ州、ジョージア州、東部フロリダ州 |
第8管区 | 大西洋方面 | ルイジアナ州ニューオーリンズ | 大規模河川など |
第9管区 | 大西洋方面 | オハイオ州クリーブランド | 五大湖周辺 |
第11管区 | 太平洋方面 | カリフォルニア州アラメダ | カリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州、ユタ州 |
第13管区 | 太平洋方面 | ワシントン州シアトル | オレゴン州、ワシントン州、アイダホ州、ワイオミング州 |
第14管区 | 太平洋方面 | ハワイ州ホノルル | ハワイ州 |
第17管区 | 太平洋方面 | アラスカ州ジュノー | アラスカ州 |
[編集] 航空保安部隊
管区名 | 指揮本部 |
---|---|
第1管区 | マサチューセッツ州ケープコッド |
第5管区 | ノースカロライナ州エリザベスシティー |
第7管区 | フロリダ州クリアウォーター、フロリダ州マイアミ、ジョージア州サバンナ |
第8管区 | テキサス州コーパスクリスティ |
第9管区 | ミシガン州デトロイト、ミシガン州トラバースシティー |
第11管区 | (すべてカリフォルニア州)フンボルトベイ、サクラメント、 サンフランシスコ、ロサンジェルス、サンディエゴ |
第14管区 | ハワイ州バーバーズポイント |
第17管区 | アラスカ州コディアク、アラスカ州シットカ |
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- United States Coast Guard - 公式サイト(英語)