アニメンタリー 決断
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アニメンタリー 決断 | |
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ジャンル | ドキュメンタリー、歴史 |
テレビアニメ | |
監督 | 九里一平 |
アニメーション制作 | タツノコプロ |
製作 | 吉田竜夫 |
放送局 | 日本テレビ |
放送期間 | 1971年4月 - 1971年9月 |
話数 | 全26話 |
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「アニメンタリー 決断」( - けつだん)は、太平洋戦争を題材にしたタツノコプロダクション制作の戦記アニメ。1971年4月3日から同年9月25日までの間、毎週土曜日19時30分~20時00分に日本テレビ系にて放映された。全26回。
目次 |
[編集] 概要
「アニメンタリー」とは、「アニメーション」と「ドキュメンタリー」を合わせて作られた造語であり、併せて、この作品の性格を端的に示している。
「科学忍者隊ガッチャマン」などのSFアクションヒーロー作品や、「タイムボカンシリーズ」などのギャグ作品を得意とするタツノコプロにあって、極めて異色の作品である。また、放映局が日本テレビであることや(「決断」の終了後、日本テレビでは15年後の1986年に「ドテラマン」が放映されるまでタツノコアニメは放送されていない)、原作が吉田竜夫やタツノコプロ内部の者でないことも、この時期のタツノコの作品にはほとんど例がない。また、今まで幼児~小学校低・中学年の児童が視聴の大半を占めていたタツノコプロは、この作品により高校生・大学生、さらには一般成人にもファン層を広げていった。
また、この作品に使用された色付きの透過光などの特殊効果は、当時としては斬新なものであった。そして後の「科学忍者隊ガッチャマン」などのタツノコ作品にも多用されたのはもちろん、他のアニメ会社からそのノウハウを学ぶために見学者が多く訪れたという。
太平洋戦争を題材にしている事・日本軍の活躍を美化したエピソードが多い事等から、一部の有識者などからは「戦争と旧日本軍を美化している」といった抗議も寄せられていた。(放映された当時は戦後27年という時代で太平洋戦争の記憶が明確に残っている時代であったこと、放映された各エピソードに取り上げられた軍人の中に、放映当時存命中の人物も大勢居た関係もあり、旧日本軍関係者に配慮した表現になっているのは仕方ないともいえる)これに対してスタッフ側は、特に戦史ものにこだわる意図はなく、「決断」の教訓がたまたま戦争での出来事に数多く含まれていたからであると反論している。そしてそれを視聴者に知らしめるために、最終回はプロ野球での「決断」の話にしたと説明しているが、最終話での唐突な方向転換に関しては、当初予定されていた昭和天皇の決断を扱ったエピソードが諸事情により自粛を余儀なくされた結果であるとの見方が有力である。 2005年に第1~25話を収録したDVDが発売されたが、第26話は、日本テレビ・読売広告社制作の実写作品であるため、肖像権の関係等の事情から収録されておらず、再放送などでも放映されたことはない。
[編集] ストーリー
太平洋戦争を、1941年の真珠湾攻撃から1945年の敗戦に至るまで、各話で取り上げた指揮官・司令官の重要な「決断」の時を中心にして描き出すノンフィクション。
[編集] スタッフ
- 原作・監修:児島襄
- 構成:鳥海尽三
- 総監督:九里一平、平田穂生(3話のみ)
- 脚本:平田穂生、鳥海尽三、黒川文男、滝三郎、陣野修、永田俊夫、松沢申、吉田義昭、川内勉、長居欽哉、松浦健郎、曽田博久、新井一
- 演出:黒川文男、九里一平、西牧秀雄、鳥海永行
- 音楽:越部信義
- 音響効果:石田サウンド
- 音響効果監修:東宝効果集団
- キャラクターデザイン:吉田竜夫、依光隆、宇垣昭
- メカニックデザイン:池田献児、秋吉文夫、有元秀光、木内一郎
- 美術設定:中村光毅、新井寅雄、井岡雅宏、小林七郎、渡辺毅
- 作画監督:宮本貞雄、吉田竜夫、九里一平
- 原動画:内野純夫、野崎恒仲、須田正己、菊地晃夫、九里一平、西城隆詞、平山則雄、高木清、加藤茂、田中英二、村田四郎、杉井興治、峰一臣、七戸洋之助、熊尾義之、湖川滋、木村一郎、津野二郎、飯山嘉昌
- 背景:今村立夫、井岡雅宏、小林七郎、中村光毅、野畑照子、坂本信人、渡辺孝、島厚子
- カラー設定:向井稔、岡嶋国敏
- 特殊効果:朝沼清良
- 仕上:柴田勝
- 撮影:細野正、峰勇、平山昭夫、中野政則、今井七生
- 編集:篠原正→谷口肇
- 制作担当:佐藤光雄
- 進行:加藤博、荒木良克、佐藤光雄、佐原三郎、鎌田正治、米津和彦
- 題字:賀茂牛之
- 録音ディレクター:水本完
- 録音:読広スタジオ、オム二バスプロ
- 現像:東洋現像所
- プロデューサー:吉田健二、前里元義
- 制作:吉田竜夫、タツノコプロ
[編集] 声の出演
- ナレーター:浦野光
- 第26話「川上監督の決断」のインタビュアー:志生野温夫
[編集] 放映タイトル
テレビアニメのシリーズ構成の手法として、時系列シャッフルという手法が存在するが、この作品は日本テレビアニメ史で時系列シャッフルを行った最古の作品と言われている。正常な歴史の流れに合わせると、第1話の「真珠湾奇襲」の次は「ミッドウェイ海戦(前編)」ではなく、第4話の「マレー突進作戦」が本来の第2話となるように、所々で起こった出来事の順序を入れ替えている。下記の左の表が放送順で、右の表が正常な歴史の流れに沿った時系列順のものである(太字部分は放送順と一致する話数)。
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[編集] 備考
- 当時日本テレビ・NETテレビ系列が名古屋テレビ・中京テレビとのダブルクロスネットだった中部広域圏では、名古屋テレビが同時ネットで放送した。
- 広島県域では、本来日本テレビ系列の広島テレビがフジテレビ系列とのクロスネットだった関係で同局の編成から外れたため、系列外の広島ホームテレビ(NETテレビ系)が毎週木曜21:26~21:56の時間帯に遅れネットで放送した。
- スカイパーフェクTV!と一部ケーブルテレビ向けに行われた日本文化チャンネル桜(現在はハッピー241枠内での無料放送となっている)やAT-Xでもこの番組が繰り返し再放映された。
[編集] 外部リンク
日本テレビ系列 土曜19:30枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
いじわるばあさん
(水曜19:30枠へ移動) |
アニメンタリー 決断
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さぼてんとマシュマロ
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