アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ
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アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(ポルトガル語: Autódromo José Carlos Pace, 通称インテルラゴス・サーキット)は、ブラジルの南部サンパウロ市にある、F1ブラジルGPが行われるサーキット。ポルトガル語の発音にならえば「アウトードロモ・ジョゼ~パセ」とすべきだが、イタリアのサーキットで使われている慣用にならい、この記事では「アウトドローモ~パーチェ」と表記している。なお「ホセ」はスペイン語読み。全長・4309m。
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[編集] 概要
サーキット名はブラジル出身でブラバムに在籍し1977年に飛行機の墜落によって死亡した地元出身のF1ドライバー、ホセ・カルロス・パーチェに由来する。1970年代から1980年代初頭にかけてと、1990年以降に毎年ブラジルGPを開催している。
1990年にブラジルGPの開催地がインテルラゴスに移り、最初の優勝者はアラン・プロストとなったが、1991年から2000年までの10年間の優勝者の内、1993年のアイルトン・セナを除き、実に10年中9年に渡りこのグランプリの優勝者がワールドチャンピオンになっており、そのため、一時はブラジルGP(インテルラゴス)を制すものはタイトルを制すと、一部でジンクスのごとくささやかれた。
[編集] コースレイアウト
サンパウロ郊外のインテルラゴス地区の窪地に造られたサーキットであり、サーキットレイアウトは非常に起伏に富んでいる。2006年までは路面の起伏が激しく状態が良くなかったが、2007年に再舗装され路面が滑らかになった。
グランプリコースでは、トルコGPが開催されるイスタンブールやサンマリノGPが開催されるイタリアのイモラなどと並び、数少ない左(反時計)回りのサーキットである。(多くのサーキットは右回りのため、数少ない左回りのサーキットは普段と違うG方向などドライバーへの負担が大きい)南米で行われるF1グランプリは1998年まではアルゼンチンGPなどが行われていたが、現在は当地で行われるブラジルGPのみである。
[編集] 設備
ブラジル国内レースでも使われているコースだが、常設の観客席は少なく、毎年、F1のグランプリ期間前に突貫工事で仮設スタンドなどの整備をしているため、管理が行き届いてるとは言えず、2000年には予選中にメインストレート脇の看板が相次いでコース上に落下したことで赤旗中断を繰り返し、その内の一度は走行中のジャン・アレジを直撃するという前代未聞のハプニングが起きている。
[編集] 交通
2006年5月現在、公共交通機関によるサーキットまでのアクセスは地下鉄とバスを乗り継ぐ必要があるが、サンパウロ州の前知事であるジェラルド・アルキミンはサンパウロ市内の鉄道CPTMのC線(将来的にはCPTM 7番線)のインテルラゴス・サーキットまでの延伸を表明しており、現在、路線の建設が進められている。駅名はアウトードロモ駅(Autódromo)となる予定で、すでに一駅手前のジュルバトゥバ駅(Jurubatuba)までが開通・開業している。