なんごくエクスプレス
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なんごくエクスプレスとは、JR四国バスが愛媛県松山市と高知県高知市の間を、松山自動車道・高知自動車道経由で運行する高速バスである。
同区間には、伊予鉄道、高知県交通及び土佐電気鉄道が共同運行する高速バス系統「ホエールエクスプレス」が競合する。この両系統間は共通乗車の取扱いをしない。 現在、1日6往復運行されている。
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[編集] 沿革
- 2001年(平成13年)12月21日 松山高知急行線の急行バス「なんごく号」の大部分を立て替える形で開業。
- 2002年(平成14年)9月1日 「なんごく号」全廃に伴い、JRバスとしては松山-高知間唯一の路線便となる。同時に高知市内の一部で経路変更。
- 2004年(平成16年)4月1日 JR四国本体から、子会社のJR四国バスへ路線移管。
- 2006年(平成16年)3月24日 高知インター南バスターミナル停車開始、座席定員制から座席指定制へ変更
[編集] 路線
JR四国バス松山支店 - 松山駅 - (松山市駅) - (大街道) - (松山インター口) - (川内インター) - 三島・川之江インター - (高知インター南バスターミナル) -(杉井流)-(宝永町)- (はりまや橋) - 高知駅
- ()内は発着地域の乗車又は降車専用停留所。三島・川之江インターのみ乗車も降車も可能である。
[編集] なんごく号の運行経緯
なんごくエクスプレスの前身となるなんごく号は、松山高知急行線の急行バスであり、国道33号線経由で1961年(昭和36年)から2002年(平成14年)8月まで運行されていた。最盛期には1日15往復設定され、JRバスでバス指定券制度を最後まで残した座席定員制の都市間輸送路線であった。
- 廃止直前のなんごく号の停車駅は、次のとおり。
- 松山 - (大街道) - (一番町二丁目)-砥部 - 久万高原 - 伊予落合 - 御三戸 - 落出 - 伊予旭 - 秋葉口 - 高瀬口 - 大渡 - 名野川 - 引地橋 - 土佐大崎 - 越知 - 柳瀬 - 佐川 - 伊野駅前 - (五丁目) - (播磨屋橋) - 高知
- ※()内は着地域の降車専用停留所
なんごく号自体は輸送実績も良く、かつては鉄道路線を含めたJR四国全体の中でも代表的路線として位置付けられてきた。
ところが、松山自動車道・高知自動車道の開通により、いったん川之江(愛媛県四国中央市)まで迂回するルートであるにもかかわらず高速道路経由の速達性が勝ることとなり、伊予鉄道などが高速バスの運行を計画した(これがホエールエクスプレスとなる)。その対抗上、JR四国も高速道路経由に乗せ換える必要が生じたため、既存のなんごく号の維持が難しくなったのが廃止乗せ換えの要因である。地元地方自治体(高吾北広域事務組合及び愛媛県柳谷村(2004年より久万高原町))は路線維持を求めていたが、最終的には廃止を覆すことはできなかった。
2001年(平成13年)12月、なんごくエクスプレス開業の際に廃止含みで1日3往復に減便され(あわせてバス指定券制度を廃止)、代替輸送対応が整った平成14年8月末で廃止となる。
なんごく号時代は鉄道船との通過連絡乗車券の発行をしていたが、なんごくエクスプレスに引き継がれることはなく、利用者からは通過連絡乗車券の復活を求める声もある。
なんごく号の廃止日は折しも悪天候で、松山発の最終便が途中の久万高原、高知発の最終便は越知まで運行された。