十円硬貨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
十円硬貨 | |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
十円硬貨(じゅうえんこうか)は、日本政府発行の補助硬貨。十円玉(じゅうえんだま)とも呼ばれる。
目次 |
[編集] 概要
表面には「日本国」と「十円」そして平等院鳳凰堂が、裏面には「10」と製造年、常盤木がデザインされている。発行は1953年(昭和28年) からであるが、製造は1951年(昭和26年)からであり、製造年を表す刻印も「昭和26年」銘のものからある。
[編集] ギザ十
1951年(昭和26年)から1958年(昭和33年)にかけて製造された十円硬貨には、その縁にギザがあり、俗にギザ十(ギザジュウ)と呼ばれる。詳しくはギザ十の項を参照のこと。
[編集] 金属としての十円青銅貨
青銅で造られた十円硬貨は、酢や醤油、レモン汁、酸性洗剤等に浸すと、表面の金属酸化物や汚れが溶出したり脱落して一見未使用硬貨のような光沢を放つ。これは古い十円硬貨をピカピカにするという子供の遊びにもなっている。しかしこのような処理は、硬貨を故意に腐食劣化させる行為であり、酸化を早めたり、緑青を発生させたり、質量を減らすことになる。収集的価値を重んじる場合、硬貨にこれらの処理を施すことは禁忌とされる。
水たまりに十円硬貨を入れておくとボウフラが発生しなくなるといわれている。2006年に日本銅センターが行った実験によって銅イオンの殺虫効果が確認されたが、なるべく新しい硬貨を使う方がいいという。
なお十円硬貨にかぎらず硬貨を故意に腐食させることは、貨幣損傷等取締法により罰せられる可能性があるので注意されたい。例えば、上記殺虫効果は、銅イオンが溶出することによると考えられるが、銅イオンが溶出すれば当然十円硬貨は腐食する。
[編集] 変遷
- 1871年:旧十円金貨(本位金貨)発行。
- 1897年:新十円金貨(本位金貨)発行。
- 1950年:十円洋銀貨発行計画があるも、朝鮮戦争による原価高騰によって計画中止となり、資料用を除いて全て廃棄される。
- 1953年:十円硬貨発行(製造は1951年から)。側面にギザギザがついている(いわゆるギザ十)。
- 1959年:側面のギザギザがないものに変更される。
[編集] 関連項目
日本の硬貨 | |||||
一円硬貨 |
五円硬貨 |
十円硬貨 |
五十円硬貨 |
百円硬貨 |
五百円硬貨 |
|
|
---|---|
基本情報 | 日本銀行 - 日本銀行券 - 円(日本円) - 国立印刷局 - 造幣局 |
日本の硬貨 | 一円硬貨 - 五円硬貨 - 十円硬貨 - 五十円硬貨 - 百円硬貨 - 五百円硬貨 |
発行中の 日本銀行券 |
千円紙幣 - 二千円紙幣 - 五千円紙幣 - 一万円紙幣 |
発行は停止したが 有効券のある紙幣 |
一円紙幣 - 五円紙幣 - 十円紙幣 - 五十円紙幣 - 百円紙幣 - 五百円紙幣 |
全てが失効した紙幣 | 五銭紙幣 - 十銭紙幣 - 二十円紙幣 - 二百円紙幣 |
明治以降の日本銀 行券以外の紙幣 |
太政官札 - 民部省札 - 明治通宝 - 国立銀行紙幣 - 改造紙幣 - 小額政府紙幣 - B円 |
関連項目 | 新貨条例 - 記念貨幣 - 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律 - 日本銀行法 - 通貨偽造の罪 - 貨幣損傷等取締法 - すき入紙製造取締法 - 通貨及証券模造取締法 - 偽札 - 円相場 |