D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜
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D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜 |
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ジャンル | SF・ラブコメディ・少年漫画 |
漫画 | |
作者 | 桂正和 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ・コミックス |
発表期間 | 1993年36・37合併号 - 1994年29号 |
巻数 | 全5巻 |
話数 | 全42巻 |
テレビアニメ | |
監督 | 坂田純一 |
アニメーション制作 | マッドハウス |
放送局 | 日本テレビ系 |
放送期間 | 1994年10月7日 - 12月23日 |
話数 | 12話 |
OVA | |
監督 | 坂田純一 |
アニメーション制作 | マッドハウス |
リリース日 | 1995年 |
話数 | TV版12話 + 3話 |
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『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』(ディー・エヌ・エー・ツー どこかでなくしたあいつのあいつ)は桂正和によるSF漫画作品、及びこれを原作としたアニメである。
目次 |
[編集] 概要
『週刊少年ジャンプ』(WJ、集英社)誌上において1993年36・37合併号から1994年29号まで全42話で連載。『Vジャンプ』における「SHADOW LADY」の次となる桂正和6作目の連載作品。『WJ』上では「電影少女」の次に当たり、5作目の連載作品となる。単行本はジャンプ・コミックスより全5巻。
作品自体は短いが、テレビアニメ化とOVA化もされ、金田龍を監督に実写映画化する計画も有った[1]。作者はトレンディドラマ風に仕上げるつもりだったが[2]、掲載誌の読者年齢層や、アンケートシステムの影響で、サイキック能力を用いたバトル要素が入ってきてしまい、それについては賛否両論に分かれる。なお、このバトル要素については「主人公が髪の色を変えて変身し、戦う」設定が『ドラゴンボール (DB)』の「超サイヤ人のパクリである」との指摘がなされる事があるが、この設定は友人であり『DB』の作者である鳥山明のアドバイスから作られた物であり[3]いわゆるパクリとは異なる。ただし鳥山の冗談を真に受けた結果であり、その類似性については桂自らが認めている[3]。また、作者の過去の代表作、『電影少女』まではいかなくても、徐々に性表現に対する規制が強まる中で、少年誌においては少々お色気要素が強い作品でもある。
原作とアニメでは若干設定が違う部分もあり、話の順序や結末も異なる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
DNAが人に無意識の行動指令を与えることが解明され、DNAの書き換えによって人の行動を制御する技術が確立された、63年後の未来。63年後の未来は人口増加により、子供を2人以上作ったら死刑という法律が作られるほど、人口過密に悩まされていた。そんな時代に、女性を虜にするDNAの持ち主メガプレイボーイ(以下、メガプレ)が、すでに100人以上の子供を残していることが発覚する。100人以上が持つメガプレDNAにより人口増加に拍車がかかることを危惧した政府は、“DNAオペレーター”葵かりんを過去の時代に派遣し、最初のメガプレDNAの持ち主である男のDNAを書き換えることにした。
しかし、その男である桃生純太は、女にモテず、さえない、おおよそメガプレとはほど遠い人間だった。かりんは予定通りに仕事を果たしたはずだったが、実はDNAを書き換える弾(DCM弾)を取り違えており、純太はメガプレに覚醒する片鱗を見せ始める。
[編集] 登場人物
- 桃生 純太(ももなり じゅんた)
- 私立歩駒(ふこま)高校に通う16歳。実家は時計店を営んでいる。後にメガプレイボーイと呼ばれる男であり、かりんの未来では100人以上の子供を作った大迷惑者として扱われている。しかし、それは覚醒後の話で、現在では女の裸やそれに近いもの(水着やレオタード)を見るとゲロを吐いてしまう女性アレルギーという特異体質に悩ませられている。基本的には善人であり、自分が弱くても佐伯の危機には不良に立ち向かったり、同じ様な特異体質で悩んでいる高梨ことみの体質改善の協力もしたりした。亜美の気持ちには少しも気づいていないが、心の底では気に掛けて大切に思っている。血液型はO型。
- 葵 かりん(あおい かりん)
- 未来から来たDNAオペレーター。その生い立ちは不幸に尽きるが、それでも懸命に強く明るく生きている。3才で親に捨てられたために可愛いペット付きのスイートスイートホームと素敵なダンナ様に憧れる。興味があるものに色々手を出すも、何をやっても駄目でそこを森に付け込まれる。しかし、体術に関してはかなりの腕で、そこいらの不良ぐらいでは相手にならない。純太に惚れられ、また、自分も純太に惚れるがそれは全てDCM弾による効果(本当は本人たちの純粋な気持ち)だと思い、自分の気持ちと任務との間で苦悩する。最終的に亜美の事と未来に与える影響を考え、純太の記憶とメガプレのDNAを消し、未来に帰る。実写映画化の企画(実際には予算の都合で中止)があり、そのときの設定では、クローン人間という事になっている。
- 名字の葵は「青い(=未熟な)カリン」に由来してかりんが未熟者である事を示しており、『ウイングマン』に登場する同名のあおいとは無関係[4]。
- 佐伯 倫子(さえき ともこ)
- 竜二が他の女と遊ぶ事への当てつけとして純太をからかうが、メガプレに覚醒しつつある純太に逆に引き付けられ惚れてしまい、その事が後に大きなトラブルを生むことになる。竜二の本命であるらしい。アニメではことみが佐伯をミス歩駒だと言っている。
- 栗本 亜美(くりもと あみ)
- 純太の幼馴染。家は向かい側で蕎麦屋「栗乃庵」を営んでいる。純太のことが好きで気に掛けているのだが、長年幼馴染である事、また、自分を女として見てくれない純太に対し、気持ちを素直に打ち明けられず世話焼き女房に徹してしまっている。作中唯一メガプレのDNAに対し免疫を持っており、変身後の純太を毛嫌いする。ちなみに目は奥二重。後のインタビューで作者のお気に入りキャラクターとして挙げられている[5]。
- 高梨 ことみ(たかなし ことみ)
- 亜美の親友。新体操部所属。緊張するとおならをしてしまうという特異体質に悩ませられている。メガプレに非常に弱い体質で、メガプレ状態で戦う純太を見て以来、彼に惚れてしまう。純太に気に入られるためにイメチェンをし、いきなり印象が変わる。特異体質を直すために純太と特訓をするが、純太はあくまでもことみの体質改善だけを目的として相手をしてくれていると分かり、自分から身を引き、亜美に純太を譲る。
- 菅下 竜二(すがした りゅうじ)
- 容姿端麗、金持ち、しかし、性格は女ったらしというプレイボーイ。メガプレの影響で竜二の本命である佐伯が、純太に惚れてしまい、復讐に走る。最初は金に物を言わせて、チンピラを雇ったりしていたが、かりんに間違ってDCM弾を撃ち込まれ、サイキック能力に目覚めた後は、その能力を用いて純太に戦いを挑む。が、メガプレに目覚めた純太に倒された。
- 染屋 垣麿(そめや かきまろ)・市川 一期(いちかわ いちご)
- 共に純太の友達で原作ではほとんど出番がない。TV版では少し増える。
- 岩崎 魔子(いわさき まこ)
- ことみと新体操でのドイツ留学を競うライバル。実力はあるが陰険な性格の為、兄の魔人に依頼してことみの邪魔をしようとする。原作だけでアニメには登場しない。
- 岩崎 魔人(いわさき まこと)
- 魔子の兄でサイキック能力者。純太がサイキック能力を持っている事を知り興味を持ち、ことみの妨害をする。地区予選大会当日、純太を拉致していたぶるも、メガプレに目覚めた純太に瞬時に倒される。妹と同じく、原作だけでアニメには登場しない。
- おはる
- かりんのタイムマシーンのコンピューター。非常に優秀な様で聞かれた質問には正確に答えている。コンピューターに名前があり、人格のようなものが見受けられるのはアニメだけの設定。
- 横森(よこもり)
- かりんの上司。時空通信によって未来からかりんに指示を与える。
- 森(もり)
- この事件の黒幕であり、環境庁所属。桃生純太とその子孫のDNAを自分の思いどおりに操れるサイキックソルジャーに変えて、自分の住みやすい世界を作ろうとした。かりんが持っていくはずだったDCM弾をすり換えた張本人。
- 川崎 るらら(かわさき るらら)
- デビル純太と呼ばれる森に操られている状態の純太の最後の子供。正史では100人目の子供であったが、ジュンが生まれた為に101人目の子供となる。高いサイキック能力を持ち、正史では生まれないはずのジュンに対抗するため、実の父である純太と子供を作りに来たが、純太がメガプレのDNAを自分の物にしたため彼女の存在自体も消えた。アニメでは上記の設定とは違い、単に森に洗脳されている純太の子孫になっている。最後はかりんの必死の説得により洗脳が解け善人に戻る。また、100年後の未来から来た事になっている為、純太は父ではなくお爺ちゃんという位置付け。
- 桃生 ジュン(ももなり ジュン)
- かりんと純太の子供。森によってかりんが現在に送り込まれた為に生まれる事となった、正史では存在しなかった子供。デビル純太になった後にくすぶっていた元の純太の人格と、かりんとの間に生まれため森の操り人形にはなっていない。非常に高いサイキック能力を誇り、その力を使って森達に抵抗していた。岩崎兄弟と同じく、原作だけでアニメには登場しない。
[編集] 用語
- メガプレイボーイ(メガプレ)
- 後に未来で純太が呼ばれるようになる人格、21歳で純太はこれに覚醒し、100人の女性と関係をもちフラフラと生きたらしい。それぞれの女性に一人ずつ子供を残している。
- DCM(Dna Clinic Medical)弾
- DNAを変化させる弾で、撃ち込まれるとしばらく仮死状態になるが、すぐに起き上がる。
- キラキラ純太
- 喧嘩は弱いが、メガプレの能力を借りて女を簡単にメロメロにできる状態。この状態では純太は女性アレルギーにならない。
- デビル純太
- 森にすりかえられたDCM弾を撃ち込まれた状態で覚醒した純太。本来のメガプレイボーイにはならずサイキック能力をもち、その子供も森の従順な僕になる。
[編集] アニメ
テレビアニメは、1994年10月7日より12月23日まで日本テレビをキー局として、毎週金曜日17:30‐18:00に関東地区のみで放送された。制作はマッドハウス。全12話。このテレビアニメにオリジナルストーリーを3話足した物がOVAとして1995年にバンダイビジュアルより販売された。VHS・LDで全5巻。アニメの桃生純太にはサイキック能力はない。
オープニングでL'Arc〜en〜Cielのアルバム曲「Blurry Eyes」が使われ、これにより1stシングル(リカット)となった。また、シャ乱Qの「シングルベッド」はオリコン上位のヒット曲となった。
[編集] スタッフ
[編集] 声の出演
[編集] 主題歌
- Blurry Eyes(オープニング)
- 作詞:hyde、作曲:tetsu、編曲・歌:L'Arc〜en〜Ciel
- シングルベッド(エンディング)
[編集] サブタイトル
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[編集] OVA追加エピソード
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[編集] 書誌情報
- 1993年12月2日刊行 ISBN 4088717562
- 1994年4月4日刊行 ISBN 4088717570
- 1994年7月4日刊行 ISBN 4088717589
- 1994年10月4日刊行 ISBN 4088717597
- 1995年2月3日刊行 ISBN 4088717600
[編集] 脚注
- ^ 桂正和「桂正和インタビュー」『4C R-side <HEROES-side> Katsura Masakazu Illustrations 2』集英社、1998年8月9日発行、ISBN 4087827623、72頁
- ^ 桂正和『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜 5巻』3版 199頁
- ^ a b 「I LOVE DRAGON BALL 第七回」『ドラゴンボール 大全集7 付録 神龍通信第7号』集英社、1996年2月、ISBN 9784087827576、6頁
- ^ 桂正和「タイム・タイムス2」『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜 3巻』205頁
- ^ 桂正和「桂正和インタビュー」『4C R-side <HEROES-side> Katsura Masakazu Illustrations 2』集英社、75頁
[編集] 関連項目
- SHADOW LADY - 「VJ版」は前の連載作品であり、「WJ版」は次の連載作品。
- 電影少女 - 『WJ』上での前の連載作品。
- ZETMAN 桂正和短編集 - 同時期の短篇を収録。
- 本作と同じくヒーロを扱った桂正和作品。