魚住昭
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魚住 昭(うおずみ あきら、1951年 - )はフリージャーナリスト。熊本県生まれ。熊本県立熊本高等学校、一橋大学法学部卒業。1975年共同通信社入社。司法記者として東京地検特捜部、リクルート事件などを取材。1996年退社。
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[編集] 人物
1996年、共同通信社会部のチームで書いた『沈黙のファイル -「瀬島龍三」とは何だったのか- 』で日本推理作家協会賞受賞。
2004年、『野中広務 差別と権力』で講談社ノンフィクション賞受賞。同書で、麻生太郎が野中広務に対して部落差別発言を行ったという証言(証言者は明らかにされていない)と、そのことで野中広務が公の場で麻生を非難したということが記述されていた。麻生は当該発言を否定している。
2005年、『月刊現代』9月号で女性国際戦犯法廷のNHK番組改竄事件について、朝日新聞社から流出した証言記録を元に、朝日新聞本田雅和記者の取材がほぼ適正であると結論づけた(この証拠はのちに紛失している、結論つけた本田記者の捏造との可能性もあるとされた)。記事の副題でも(編集部によるものである可能性があるが)「中川昭一、安倍晋三、松尾武元放送総局長はこれでもシラを切るのか」と発言した。魚住はこれで「(記事や民衆法廷が一方的に批判され続けたが)少しは風向きが変わるだろうと思っていた」が、自由民主党は情報流出を理由に朝日新聞社に取材拒否を通告し、朝日は一部に不正確な部分があったと謝罪した。安倍・中川の立場も揺るがなかった。
そして、記事を書いた魚住は自民党に黙殺される形となり、「いくら事実を提示しても、もう世の中の流れは変えられないのかなという、投げやりな気分になったりもしています」(10月3日、VAWW-NETジャパンでの講演)と語った。
[編集] 著作
[編集] 単著
- 『特捜検察』(岩波書店、1997年9月)
- 『特捜検察の闇』(文芸春秋、2001年5月)
- 『特捜検察の闇』(文芸春秋、2003年5月)
- 『渡邉恒雄メディアと権力』(講談社、2003年8月)
- 『野中広務差別と権力』(講談社、2004年6月)
- 『国家とメディア 事件の真相に迫る』(筑摩書房、2006年12月)
- 『官僚とメディア』(角川書店、2007年4月)
[編集] 共著
- (斎藤貴男)『いったい、この国はどうなってしまったのか!』(日本放送出版協会、2003年4月)
- 俵義文・横田一・佐高信・『週刊金曜日』取材班 『安倍晋三の本性』(金曜日、2006年 ISBN 4906605206)