高倉美貴

芸能人として何かのコンセプトを持って売り出す場合が多いが、高倉美貴の売りはただひたすらに「美形」である。金沢で育ち、当時良家のお嬢さま学校として知られていた北陸学院高等学校卒業後子供服のデザイナーを目指して上京、原宿のブティックに勤めるうちその類い希な美貌と妖艶なスタイルがスカウトの目にとまり「越沢美紀」の名でモデルとして芸能活動を始め、阪急交通社やカネボウ等の幾つかのCM、ポスター等に出演した。その後にっかつに見いだされ「高倉美貴」と名を改め映画デビュー、当時全く無名モデルであったが主役に抜擢された。映画内容を巡り出演に難色を示した高倉に対して、にっかつは新人としては驚くほど破格のギャラを提示し、また原作者の団鬼六自ら出演交渉に乗り出し高倉美貴の母親まで同席させ説得にあたったということも当時業界では大いに話題を呼んだ。高倉自身高校では映研の部長をつとめるなど映画への関心も強かった。にっかつ出演にあたり四作品に出演することが契約条件に盛り込まれたが、にっかつサイドの強い要望により結局五作品に出演した。また団鬼六をして日活ロマンポルノ史上もっとも美しい女優と言わしめた。団鬼六自身が強引に出演を説得というのが真相のようだが、雑誌などでは「あなたのような美しい人（或いは、お嬢様育ち）はこんな映画に出てはいかんと説得したのだが、本人がどうしてもというので」とあちらこちらで臆面もなくこたえていたのはご愛敬であった。

デビュー当時、育ちの良さを漂わす雰囲気、長い黒髪、日本人離れした類い希な美貌と肢体から和製オリビア・ハッセーの異名をとるとともに清楚で気品溢れるイメージからは余りにもかけ離れた大胆な役柄に世間は大きなインパクトを受けた。またにっかつの屋台骨を支える為か谷ナオミ、麻吹淳子につづく「3代目日活SMの女王」とのキャッチフレーズで売り出された。昭和50年代後半、そのノーブルな雰囲気を漂わす容姿は他の女優に類を見ず、にっかつ活躍時には週刊誌、グラビア誌等に連日ほぼ絶え間ないと言ってよいほど多くのメディアにその肢体が登場し絶大な人気を誇った。デビューから僅か3年足らずの日活時代ではあったが日活ロマンポルノの屋台骨を支えた看板女優の一人であったことには疑う余地はない。更ににっかつ最後の出演直後、第8回日本アカデミー賞授賞式に武田鉄矢と共に司会に抜擢され一般映画への女優として大きな期待がかけられた。しかし、衆目を驚かせる奇抜な髪型で臨んだものの、緊張のあまりトチリが多く飛躍へのステップとはならなかった。その後は同賞の女性司会者は何人かの若手女優を経て実績のある中堅・ベテラン女優に委ねる方向にシフトしている。

にっかつ引退後はテレビドラマや映画に進出するが、端役に終始し日活時代ほどの大きな注目は集めることはなかった。年齢的に芸能界入りおよび一般映画への進出がやや遅く、演技の面で技量を磨く機会が少なかったこと、また日活ロマンポルノを足場に一般映画へ多くの女優が転身に成功したにも拘わらず、あまりの桁外れな美貌故か端役としてもなじまず、かといって主役を張るほどの演技力にはほど遠く中途半端な状態のまま結局人知れずフェードアウトしてしまったことは非常に惜しまれる。1993年、殆ど忘れられた頃突如ヘアヌード写真集『South Fairy Tale』を出すも、もはや話題を集めることもなく、1995年 3月1日タレントの原田伸郎と結婚（高倉・初婚、原田は3度目の結婚だったという）。原田とは1987年によみうりテレビのドラマ『見上げればいつも青空』で原田の浮気相手という役柄で競演している。原田と結婚もそのドラマの共演がきっかけだった。ドラマでの浮気相手役と結婚した事は出演者やスタッフをも驚かせた。結婚を機に芸能活動をほとんどしておらず、事実上の引退状態といってよいが原田出演の番組にまれに見かけることもある。結婚後、TV出演時「高倉美紀」の名前でテロップが流れることがあるが本人がどのように使い分けをしているかは不明である。

[編集] 主な作品

[編集] 映画

「団鬼六美女縄地獄」（1983年にっかつ）
「団鬼六美女縄化粧」（1983年にっかつ）
「団鬼六修道女縄地獄」（1984年にっかつ）
「団鬼六縄責め」（1984年にっかつ）
「団鬼六緊縛卍責め」（1985年にっかつ）

※以上主演作品

「カポネ大いに泣く」 1985年松竹)
「mishima A Life in Four Chapters 」 (1985年アメリカ映画)
「幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬」 (1986年東宝)
「極道の妻たちII」（1987年東映）
「天使のわけまえ」（1995年アポロフィルム自主映画）

[編集] テレビドラマ

「妻は何を感じたか」（1983年10月10日テレビ朝日）
「はだしの未亡人」（1983年テレビ朝日）

以上「越沢美紀」名で出演。

「のんき君いたずらの天才初登場!」（1983年12月12日月曜ドラマランドフジテレビ）
「花嫁は三度泣く」（1984年4月 TBS）
「呪いのマネキン人形」（1984年8月18日テレビ朝日）
「熊さんの警察手帳」（1984年5月12日 TBS）
「福沢諭吉」（1985年）
「花田春吉なんでもやります」（1985年1月4日-3月29日全13話 TBS）
「狙われた婚約者・白衣を襲う暴行魔・無影灯だけが知っている」」（1985年1月19日テレビ朝日）
「好色一代男世之介の愛して愛して物語」（1986年1月1日 TBS）
「毎度おさわがせしますII」（1985年12月-1986年3月全16話 TBS）
「男女七人夏物語」（1986年 TBS）
「かなかなむしは天の蟲」（1987年1月26日～1987年2月20日全4話 NHK 銀河テレビ小説）
「見上げればいつも青空」（1987年4月6日～10月2日よみうりテレビ朝の連続ドラマ)
「ベイシティ刑事（第2回：ヨコハマに消えた女）」（1987年10月14日テレビ朝日）
「悪魔をやっつけろ！」!」（1990年1月6日）
「キモチいい恋したい!」（1990年7月2日～9月12日フジテレビ）
「水戸黄門」第20部(33)金沢編（1991年6月24日 TBS）
「水戸黄門」第21部(19)龍野編（1992年8月4日 TBS）
「OLは泥棒がお好き」（1991年8月 2日）
「東京パーキング・ウォーズ」（1992年5月28日）
「愛してるよ!」（1993年10月11日-12月27日全10話テレビ朝日）
「女忍かげろう組」詳細不明 1990年頃

[編集] テレビドラマ（バラエティ他）

「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」（1989年3月25日）
「失恋レストラン」（1994年1月23日）

[編集] ビデオ

「雪おんな」（1984年みみずく）
「情炎」（1984年みみずく）
「わたくし、その気高倉美貴女優生撮り」（1984年 Let's）

[編集] 写真集

「エクスタシー池谷朗●撮り下ろし」（1984年辰巳出版）
「South Fairy Tale」 (1993年スコラ）
「楽園にて…石黒健治写真集」（1995年2月黒田出版興文社）文庫サイズ

[編集] 歌

年代曲目とも不明だが1曲リリースしたことがある。

[編集] 関連項目

この「高倉美貴」は、俳優や女優に関連した書きかけ項目です。この項目を加筆、訂正などをして下さる協力者を求めています（P:映画/PJ芸能人）。

カテゴリ: 日本の俳優 | 1960年生 | 石川県出身の人物 | 日活ロマンポルノの女優 | 俳優に関するスタブ

See also ebooksgratis.com: no banners, no cookies, totally FREE.

高倉美貴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

目次

[編集] 概要・人物