騒音
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騒音(そうおん)とは、騒がしくて不快と感じる音のことである。環境基本法で定義されている典型七公害のひとつであり、環境基準が設定されている。
騒音レベルの単位はデシベル。ただし、航空騒音の場合は、デシベルを元に時間帯などを考慮して再計算された「WECPNL」という指数が用いられる。人の耳に直接聞き取ることのできない低周波域の音(低周波音)による騒音は、低周波騒音と呼ぶ。
音圧が基準値を超えるものは騒音と認識され、また、ある人にとって好ましい音であっても、他の人にとっては騒音と感じる事もある。一般的に不協和音などは騒音に聞こえるが、具体的に何を騒音と感じるかは、個人の心理状態や感覚、生まれ育った環境によって異なる。
騒音被害者は精神的ストレスを受け、一方騒音加害者はその意識が薄い(または認めようとしない)為、 騒音に端を発するトラブルは発生しやすく、事件に発展するケースも多い。騒音被害者が泣き寝入りをしたり、引越しする事になるケースも多い。
目次 |
[編集] 騒音が人体に与える影響
- 心理的不快感、イライラ
- 睡眠妨害
- 難聴
- 集中力の低下
- 精神障害など
- 重度の脳障害
[編集] 騒音による公害(騒音公害)
[編集] 発生源
- 交通関係
- 工場の機械関係、サイレン、建設機械、農業機械、土木建築現場
- 宣伝や選挙、右翼団体、市民団体などの拡声器(街宣車)
- 防災無線 - 防災目的以外の濫用
- カラオケ、ピアノ等の楽器演奏
- 犬、猫、鳥、昆虫 - 無駄吠え。セミの鳴き声
- テレビ、ラジオ、エアコン(室外機)、洗濯機、目覚まし時計のベル
- ドアの開閉音、足音、子供の騒ぎ声や泣き声、井戸端会議
- 風鈴 - 季節はずれのものや、強風時。
[編集] 騒音を原因とする主な事件・裁判
- 1970年代:成田空港問題(成田空港反対闘争)
- 1974年:ピアノ殺人事件
- 1975年以降:航空自衛隊小松基地訴訟
- 1976年:福岡空港訴訟
- 1980年:東海道新幹線公害訴訟
- 1981年:大阪国際空港訴訟
- 1982年:中野テレビ騒音殺人事件
- 2005年:奈良騒音傷害事件
- 1980年代以降:横田基地、厚木基地、嘉手納飛行場を巡る裁判
- 2007年:西東京市「西東京いこいの森公園」の子供の大声