風車
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風車(ふうしゃ、かざぐるま)は羽根車に風を受けて回転し、主に原動力を得るための装置。発電・製粉・風速計などに使われる。
「かざぐるま」と読むと、羽根車に柄を付け、風の力で回して遊ぶ玩具も含まれる(風車 (玩具)参照)。
英語ではウィンドミル (windmill) だが、ミル(mill、原義は碾き臼)でわかるとおり、この語は本来は製粉の動力に使われるものを指す。
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[編集] 用途
[編集] 構造
風を受ける翼(羽根、帆などとも)、回転力を伝える回転軸、軸を支え回転せず固定された軸受けが、必須の部品である。
風が強い高所に上げるためのタワー、常に風に向けるための方位制御機構などをそなえることもある。
[編集] 分類
[編集] 水平軸風車と垂直軸風車
風車と聞いて多くの人が思い浮かべるのは水平軸風車だが、風車には垂直軸風車もある。
水平軸風車は、変化する風向きに対し平行であり続けなければならないため、方位制御機構が必要になる。小型の風車では方向舵などで受動的に制御するが、大型の風車では動力を使って能動的に制御することもある。なお、水平軸風車を使った風力計は、方位制御機構を利用し、風向も同時に測定することができる。
垂直軸風車は、通常、回転軸が地面に対し垂直になるよう設置する。そうすれば常に回転軸に対し直角に風が吹くため、方向制御が必要ない。
[編集] 揚力型風車と抗力型風車
風車の翼(帆)は、揚力型風車では飛行機の翼、抗力型風車では帆船の帆とそれぞれ基本原理が同じである。
揚力型風車は高回転・低トルク、抗力型風車は低回転・高トルク。ただし、翼(帆)の枚数を減らせば高回転・低トルク、増やせば低回転・高トルクになる。
[編集] 代表的な形式
- 揚力型水平軸風車
- プロペラ風車
- リボン型風車
- 抗力型水平軸風車
- セイルウィング風車
- オランダ型風車
- 多翼型風車
- かざぐるま型風車
- 揚力型垂直軸風車
- ダリウス風車
- ジャイロミル風車(Hダリウス風車、直線ダリウス風車)
- 抗力型垂直軸風車
- サヴォニウス風車
- クロスフロー風車
- S型風車
- パドル風車(風杯)
[編集] 歴史
風車の起源ははっきりしない。紀元前36世紀ごろ、エジプトで灌漑に使われたという記録がある。
1世紀初頭、アレクサンドリアのヘロンは、アネムリオン(風車を動力として風を送るオルガン)を設計した。
ウィンドミル(製粉用風車)は、イスラム社会で誕生したようである。ムスリムの旅行者の記録によると、7世紀 - 9世紀の間のいつかにアフガニスタンのシスタンで建造されたのが最古である。その後、十字軍やモンゴル帝国の遠征により、ヨーロッパと中国に伝えられた。
初期の風車は、方位制御機構が不要な垂直軸風車だった。12世紀末、北西ヨーロッパに、方位制御機構を備えた水平軸風車が現れた。これはイスラムから伝わった垂直軸風車とは独立に発明されたという説もある。
15世紀、オランダで干拓地の排水用に風車が多用され始めた。これらはのちに蒸気機関に、さらには電動ポンプにとってかわられ、現在は観光資源ないし一部は「キンデルダイク=エルスハウトの風車網」として世界遺産に登録されているが、少数が今も現役で排水に使われている。
1887年、イギリスのJ.ブライスが初めて風力で発電し、二次電池に蓄電した。1888年にはアメリカでC.F.ブラッシュが直径17mの多翼型風車で発電を行った[1]。
日本でも長野県 諏訪湖南、愛知県 知多半島東浦町、渥美半島伊良湖付近、茨城県 土浦市付近桜川流域、千葉県 房総半島館山付近、大阪府 堺市等で1920年代前半から60年代前半に使用されていた記録が残る[2] [3]。
[編集] 関連項目
[編集] 参考・脚注
- 開発が進む風力発電
- 風力エネルギーの新しいデザイン「風力ダム」(2007年12月3日) WIRED VISION
- 凧を使う、新発想の風力発電 (2007年5月31日) WIRED VISON