関西外国語大学
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関西外国語大学(かんさいがいこくごだいがく、英称:Kansai Gaidai University)は、大阪府枚方市に位置する私立外国語大学。略称は関西外大(かんさいがいだい)、関外大(かんがいだい)、関外(かんがい)、KGU(ケイジーユー)。
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[編集] 沿革
- 1945年 大阪市東住吉区に谷本英学院を創立
- 1947年 関西外国語学校を開設
- 1953年 関西外国語短期大学を大阪市住吉区万代に開設
- 1966年 関西外国語大学を枚方市北片鉾町に開設、外国語学部設置
- 1971年 海外の大学との交換留学制度が発足
- 1972年 国際文化研究所を設立
- 1973年 大学院外国語学研究科を開設
- 1979年 大学院に外国語大学では全国初の博士課程後期を設置
- 1984年 穂谷学舎開学
- 1994年 人権教育思想研究所を設置
英名を「Kansai University of Foreign Studies」より「Kansai Gaidai University」に改名
[編集] 学部・学科
- 国際言語学部(穂谷キャンパス)
- 国際言語コミュニケーション学科
- ドイツ語コミュニケーションコース
- フランス語コミュニケーションコース
- 中国語コミュニケーションコース
- 国際ビジネスコミュニケーションコース
- 国際言語コミュニケーション学科
[編集] 大学院
- 外国語学研究科(中宮キャンパス)
- 英語学専攻(博士課程前・後期)
- 言語文化専攻(博士課程前・後期)
[編集] 短期大学部
- 英米語学科(中宮キャンパス)
- 国際コミュニケーション学科(穂谷キャンパス)←2008年度より募集停止
アメリカ合衆国ハワイ州所在のコミュニティ・カレッジ。「関西外大ハワイカレッジ」が改称したもので、現在でも関西外大への編入などが見られる。
[編集] 付属機関
- 国際文化研究所
- 人権教育思想研究所
- 図書館学術情報センター
- 教職英語教育センター
[編集] キャンパス
[編集] 中宮学舎
- 〒573-1001大阪府枚方市中宮東之町
- 大学院 - 外国語学研究科
- 大学 - 外国語学部、留学生別科
- 短期大学部 - 英米語学科
[編集] 穂谷学舎
- 〒573-0100大阪府枚方市穂谷1-10-1
- 大学 - 国際言語学部
- 短期大学部 - 国際コミュニケーション学科
[編集] 片鉾学舎
- 〒573-0000大阪府枚方市北片鉾町
- 総合体育館、各種スポーツ施設
- 国際交流セミナーハウス
[編集] 入試
入試に置いては、多くの学生を一般入学試験ではなくAO入試や推薦入試でとっている。
古都京都と商都大阪の中間に位置する大学であり、日本全国から志願者が集まっているのが特徴的である。
[編集] 研究・教育採択
- 特色ある大学教育支援プログラム:「授業方法等の複合的改善による英語教育実践(関西外国語大学短期大学部)」(2003年)
- 現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)(2006年)
[編集] 国際交流・海外留学
海外留学提携校 50カ国・地域 300大学(平成19年3月現在)
年間約1500名の関西外国語大学生が下記留学提携校に留学し、毎年約600人の海外からの留学生が関西外国語大学留学生別科に在籍する。 )
交換提携校の一覧は公式サイトを確認。
また、海外からの学生が関西外国語大学に留学する場合は「Asian Studies Program」というプログラムに則っている。「Asian Studies Program」at Kansai Gaidai University の知名度は高く、提携校の数からしても、とくに米国の大学生のあいだでは広く認知されている。 詳しくは、英語版のWikipedia を参照。
[編集] 国内留学プログラム
- 大阪経済大学との単位互換制度が平成15年度から開始された。選考に合格した学生は大阪経済大学に派遣され、同大経済学部、経営学部、経営情報学部、人間科学部の授業科目を履修することができる。
[編集] 教育の特色
関西外国語大学は研究と教育のうち、研究よりも教育に重点を置く大学である。入学時に、大学・短大の各学部・学科の学生ともにTOEFLによってクラス分けがおこなわれ、1クラス約25人単位の能力別少人数クラスに細かく分けられ、各自の入学時の語学レベルに即した教育が行われる。「読む・書く・聞く・話す」の4技能の強化に重点を置き、プラクティカル(実務的)なスキルを身につけることを主眼とした教育が、英語やスペイン語を始めとして、各言語の授業で実践されている。英語教育においては特にその特色が際立っており、英語によるプレゼンテーションや本格的なアカデミック・ライティング(学術論文)を作成するといった、それまでの受験英語と一線を画した、海外においても通用する実践的な語学力を身につけるための授業が少人数教育によっておこなわれている。また、ネイティブ教員が多く、特に米国からの招聘教員が多くを占めており、米国における英語教育を意識した授業を受けることができる。
また、外国語学部・短期大学部の英米語学科において入学時にTOEFLの成績が特に優秀だった学生は、希望によりIES(Intensive English Studies)プログラムという特別プログラムに参加することができ、一般の学生とは全く別のカリキュラムに沿って2年間、「英語を学ぶ」ではなく「英語を使って学ぶ」をコンセプトとしたすべて英語による講義を受けることができる。外国語学部・短期大学部のスペイン語学科においてもCPE(Curso Para Extranjeros)プログラムという特別プログラムが2年次以上の学生を対象としておこなわれており、コンセプトとしては英米語学科のIESプログラムと同じであり、スペイン語による講義が開講されている。毎年この2つのプログラム受講を希望する学生は非常に多い。
このように、学生のレベルに沿った少人数教育によって学生1人1人のニーズに合った授業を受けられる。また、能力別クラス編成は毎年各学年ごとにおこなわれており、頑張れば頑張った分だけステップアップすることのできる、すべての学生に「伸びるチャンスを与える教育」を行っている。
[編集] 関西外大における留学
関西外大は日本の大学の中では最も多い全世界300校に上る大学と提携している。その留学制度は各学生のレベルに沿って多種多様に用意されており「在学中に留学をして、さらなる飛躍を目指す」ことが大きな目標として掲げられ、留学を希望する学生には学内の厳しい選考試験および書類審査が課される。そのうち、学位留学と交換留学においては、留学選考に合格した学生は留学準備コースというものを受講することになっており、留学候補生は提携校に派遣される前に、派遣先での留学生活に耐えうるだけの本格的な語学力を身につけることが要求され、大学側は学生が留学を成功させるための面倒を見ている。
関西外大の学生のあいだでは、在学中に留学を目指すという認識が広く浸透しており、海外への留学を目的とした学生が入学を希望するケースも多い。学生の留学に対する意識は押しなべて高く、在学中の4年間は留学に向けた勉強が意識されている。
[編集] 関西外大における語学教育の課題
関西外大は留学を前提とした姿勢をとっており、多くの学生が当たり前のように在学中に関西外大から留学(短期間の留学も含める)をしている現状である。
しかしながら、それに対する外部からの批判も少なくない。
「語学教育や専門教育を、留学をさせることによって、海外の提携校に委ねすぎているのでは?」
「関西外大自体の役割は何なのか?」(留学するための場所にしかすぎないのか?)
という疑問を呈するひとたちも決して少なくはない。
「あくまで大学は‘学問を研究する場所’である」という大きな前提において、 関西外大の受ける上記の批判に対して、学校側も学生側も取り組んでいかなくてはならない。