鎌谷駅

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北側からの全景（営業当時）

南側からの全景（営業当時）

駅名標と待合室（営業当時）

鎌谷駅（かまやえき）は、愛知県西尾市鎌谷町中屋敷にあった、名古屋鉄道西尾線の駅。普通電車のみの停車駅で福地駅と上横須賀駅の間に位置していたが、2006年 12月16日をもって廃止となった。

[編集] 利用状況

愛知県の統計によれば、平成14年度の乗車人員は1日平均90人（乗降客数換算で180人）である。また、駅廃止の方針を受けて西尾市の総務部会に出された資料によれば、平成16年度の乗降客は1日平均175人、さらに西尾市による2006年 4月24日の独自調査によれば1日の乗降客は162人であり、1日に発着する電車の合計71本のうち、全く乗降客のないものが31本であった。

[編集] 駅構造

[編集] 営業当時

単式1面1線ホームの地上駅。駅集中管理システム未導入の無人駅で、駅舎もないため直接ホームに入る構造となっていたが、西尾線の西尾駅以南と蒲郡線を走る西尾〜蒲郡間で行われていたワンマン運転（通称・西蒲ワンマン）のため、ホームに券売機が設置されていた。

[編集] 撤去作業

2006年 12月15日深夜、駅の営業としての最終電車発車後間もなく駅名標や券売機は撤去され、翌12月16日未明にホームへの入り口を閉鎖した。2007年2月にホームや待合室など駅施設の撤去工事を行って駅跡地を整地し、線路への侵入を防ぐ柵が設置された。

[編集] 駅周辺

天竹神社
蓮光寺

[編集] 歴史

1915年 3月14日 - 西尾鉄道の横須賀口駅として開業（ただし、吉良吉田延伸のための鉄橋完成までの暫定措置）
1915年 8月5日 - 西尾鉄道吉良吉田延伸に伴い、横須賀口駅廃止
1926年 12月1日 - 愛知電気鉄道が西尾鉄道を合併
1928年 10月1日 - 愛知電気鉄道により鎌谷駅開業
1944年 - 営業休止
1952年 10月1日 - 営業再開
2006年 12月16日 - 廃止
2007年2月 - プラットホームを撤去、駅跡地を整地して防護柵設置

[編集] 廃止までの経緯

2005年 12月20日 - 名鉄の要請により、西尾〜蒲郡間の利用促進と経費節減を図る目的で、沿線の二市二町と名鉄で構成された名鉄西尾・蒲郡線対策協議会が設立。
2006年 1月31日 - 名鉄西尾駅で開かれた協議会の第1回目の幹事会（各市町の企画課長が出席）で、鎌谷駅、三河荻原駅の関係2駅が廃止の方針であることが説明される。
2006年 2月17日 - 名鉄の企画管理部長ら3名が西尾市役所に来庁。西尾線各駅への駅集中管理システム及びストアードフェアシステム導入による自動改札機設置に伴い、市街地に位置しておらず、かつ1日の乗降客数が300人に満たない、碧海堀内駅・鎌谷駅・三河荻原駅の12月廃止の方針を説明をされる。
2006年 4月20日 - 西尾線内3駅の12月廃止検討が新聞等で報道される。
2006年 5月31日 - 西尾市長、市議会議長、地元選出の愛知県会議員らが名鉄本社に鎌谷駅存続の要望書に4231名分の署名簿を添えて提出する。西尾市側より自動改札機設置費用を行政が負担した場合、駅の廃止は撤回されるのかと問いに、名鉄は協議の結果いかんでは廃止の撤回はあり得ると回答。
2006年 6月8日 - 西尾市の6月定例議会で鎌谷駅の廃止問題について名鉄への批判が相次ぎ、存続のための駅設備への費用負担は、同じ西尾市内で完成直後に名鉄が廃止を打ち出し、2004年に区間廃線された旧名鉄三河線の寺津高架橋の例を引き合いに出した反対意見が出た。市側もあくまで名鉄の負担による存続を働きかける方針との答弁。
2006年 6月26日 - 安城市、西尾市、吉良町の首長らが合同で名鉄本社に駅存続の要望書を提出する。
2006年 7月5日 - 名鉄が12月16日付けで鎌谷駅など5駅の廃止を中部運輸局に申請するが、当初廃止予定だった碧海堀内駅は、安城市側が駅施設の周辺整備費用の負担を受け入れることにより回避された。
2006年 8月7日 - 西尾市の庁議で鎌谷駅存続を断念し、駅廃止の受諾を決定した。存続策として名鉄側は事前に鎌谷駅全体の施設整備費用を2億2千万円と試算し、自動改札機などの営業施設費用とランニングコストを名鉄が負担、残る鉄道施設費用と事務費用の1億8千万円を西尾市が負担することを提示、合わせて市が具体的な利用促進策を提示するように求めたが、西尾市としては名鉄側からの負担金1億8千万円の提示の内訳や根拠が示されておらず、負担しても乗降客数300人を上回るための具体的な利用促進策提示が困難であることを理由とした。また仮に存続した場合においても駅設備機器の耐用年数から、5年後の状況によって再び駅存続問題が検討されるおそれがあることも考慮された。
2006年 10月3日 - 中部運輸局が鎌谷駅など5駅の廃止を認可。
2006年 12月16日 - 鎌谷駅が廃止される。