軽装甲機動車
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軽装甲機動車 | |
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武器学校の軽装甲機動車 |
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基礎データ | |
全長 | 4.4 m |
全幅 | 2.04 m |
全高 | 1.85 m |
重量 | 4.4 t |
乗員数 | 4 名(最後部の追加用折りたたみ椅子使用で+2名) |
装甲・武装 | |
装甲 | 圧延鋼板・防弾ガラス・ケプラ樹脂 |
主武装 | |
副武装 | |
機動力 | |
速度 | 約100 km/h |
エンジン | ディーゼル 160 ps / rpm |
懸架・駆動 | |
行動距離 | 約500 km |
軽装甲機動車(けいそうこうきどうしゃ)は、主に陸上自衛隊の普通科に配備されている軽装甲車両である。2002年(平成14年)度から部隊配備が開始された。
陸上自衛隊のイラク人道復興支援活動部隊に用いられていたことで世間によく知られるようになった。「ライトアーマー」との愛称が定められてはいるが、部隊にはさほど浸透しておらず、英語(Light Armoured Vehicle)の頭文字をとって「LAV(ラヴ)」という略称で呼ばれることが多い。
目次 |
[編集] 概要
防衛庁技術研究本部(当時)と小松製作所によって開発されコマツが量産している。現在、既に装甲化が済んでいる第2・第7師団以外の各普通科部隊への配備がこの手の装備としては異例の速さで進んでおり、平成14年の制式化以来毎年、年間調達数は100両を超えている。
2004年(平成16年)度には157両、2005年(平成17年)度には160両調達され、2006年(平成18年)度には180両が予定されている。更に航空自衛隊も基地警備部隊向けに2004年から導入を行っており、平成17年度に8両、平成18年度にも8両の調達が予定されている。生産数は平成18年度調達分(空幕含む)までで904両である。平成19年度も173両の調達が計画されており、今後もこのような大量調達がつづくとみられる。なお、航空自衛隊が導入している車両は陸上自衛隊の導入しているものと違い、車体がOD色1色で塗装されている。
イラク派遣部隊の車両は、随所に国旗をあしらい、英語とアラビア語で「Japan」と表記されている。また、塗装は他国の軍隊のような迷彩ではなく、OD色1色に塗装された。これは、自衛隊のイラク派遣部隊が、戦闘や治安維持を目的としない人道復興支援活動部隊であることを強調し、武装勢力の攻撃対象とされないためである。したがって、国内で運用される車両には広報用を除いて国旗などは描かれていない。
国連のPKO部隊でも使われているフランス、パナール社のVBL装甲車(Vehicule Blinde Leger)にデザインが似ており、陸上自衛隊の派遣先であったサマーワ地域で活動していたオランダ兵の中には本車がパナール社製だと信じて疑わない者もいたようである。同種の車両にスイスのイーグルなどがある。
2004年(平成16年)にタミヤがイラク派遣仕様を1/35スケールでプラモデル化しており、海外ではむしろこちらで同車の存在を知ったミリタリーファンも多い。タミヤからは更にラジコンカーが市販され(京商からも発売されている)、2006年にはタカラトミーからトミカとしても販売されており、人気のほどがうかがえる。
使用部隊等の評判としてはいい方とは言えない。車体が重い為、演習場等ぬかるんだ不整地ではまりやすい、、窓が小さいため視界が狭く風通しが悪い、運転席と助手席の間にあるトランスミッションが熱を持ち、車内がサウナ状態。などと言った不満がでている。
駆動音は建設重機メーカーの小松製作所なだけあってか、車両というよりは環境配慮型低騒音工事現場機材のエンジン音に似ている。
[編集] 仕様
[編集] 車体
- 戦闘重量= 5.5t
- 登坂能力=60%
- 製造:小松製作所
- 価格:約2,625万円(平成17年度調達価格)
- 型式
- 中隊長指揮用(通信用機能が強化されている)
- 小隊長指揮用(煙幕発射器が側面後部に付加されている)
- 機関銃搭載用(機関銃用の防盾付き)
- 偵察用(機関銃搭載用に後部天板部に荷物積載用スポークが付加されている)
- 01式軽対戦車誘導弾積載用(全天板部がフラットになっている)
[編集] 武装
固有の武装は備えていないが、車体上面ハッチには全周旋回可能なターレットと防楯付き銃架が設置されている。これには隊員が装備する5.56mm機関銃MINIMIまたは89式5.56mm小銃を据え付けて射撃することができる。このターレットには12.7mm重機関銃M2を搭載できるキャパシティがあるようで過去に改造型が公開された事がある。また、上面ハッチ上からは01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)を発射する事が可能となっている。また、一部の車両は4連装発煙弾発射機を2基備えている。
2006年1月に行われた「平成18年度第一空挺団降下訓練始め」の訓練展示では、12.7mm重機関銃M2を装備(第1空挺団が訓練展示へ向けて独自改造)した車両が2両登場し空砲による射撃を行った[1]。また、各地駐屯地で行われる創立記念行事での訓練展示では、過去に87式対戦車誘導弾の発射機や84mm無反動砲を上面ハッチ上から構える隊員が確認された事もある[2]。
[編集] 装甲
自衛隊の装甲車両の分類では、
となっている。
軽装甲機動車の車体は全面的に避弾経始が考慮された形状である。イラクに派遣された車両には上面ハッチ全周をカバー出来るように装甲板が追加されており、警備・パトロールの際の隊員の安全性が向上している。また、ワイヤーカッターも装備できる。このワイヤーカッターは、天井から周囲の警戒に当たる隊員が道路に張られたワイヤーなどの仕掛け罠にかからないための措置で、イラク派遣部隊ではほぼ全車が装備した。角のようにも見える。
[編集] 登場作品
- 戦国自衛隊1549
- 戦国自衛隊・関ヶ原の戦い
- ゴジラ×メカゴジラ
- ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
- やわらか戦車
- デジモンテイマーズ
- イノセント・ヴィーナス
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! UNTI(ウンツィ)が装備・使用。
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版
- ハヤテのごとく! (テレビアニメ) 31話で登場。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ コンバットマガジン2006年4月号に関連記事
- ^ 例 : 87式対戦車誘導弾の発射機を上面ハッチ上から構えている様子
[編集] 外部リンク
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