議員宿舎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
議員宿舎(ぎいんしゅくしゃ)は、地方出身の国会議員のために衆議院・参議院それぞれに設けられている寮施設。宿舎の使用料は国家公務員宿舎法に準じて各施設毎に異なる。原則として東京23区に自宅を所有する議員は入居できない。
目次 |
[編集] 衆議院議員宿舎
宿舎名 | 所在地 | 戸数 | 階数 | 間取り | 設備 | 家賃 | 参考文献 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
新赤坂宿舎 | 港区赤坂 | 300戸 | 地上28階 | 3LDK | 食堂、ジム、会議室、社交室、医務室、スカイラウンジ、地下2階分の駐車場、家具等 | 9万2000円 | |
旧赤坂宿舎[1] | 港区赤坂 | 150戸 | 2LDK | ||||
九段宿舎 | 千代田区富士見 | 125戸 | 地上9階 | 3LDK | 食堂、冷暖房、温水 | 約5万5000円 | [2] |
青山宿舎[3] | 港区六本木 | 40戸 | |||||
高輪宿舎[3] | 港区高輪 | 131戸 | 地上11階・ 地下1階 |
[編集] 参議院議員宿舎
所在地 | 戸数 | 階数 | 間取り | 設備 | 家賃 | 参考文献 |
---|---|---|---|---|---|---|
清水谷宿舎 | 千代田区 紀尾井町 | 地上7階 | ||||
麹町宿舎 | 千代田区 麹町4丁目 |
- 老朽化が進んでいるため、清水谷宿舎の東側に日本庭園、スポーツジムを有する新清水谷宿舎の建設計画が進められている。
[編集] 問題点
- 都心の一等地にありながら、民間相場からあまりにもかけ離れすぎた家賃の安さ(月額9万2000円で入れる新赤坂宿舎の場合、近隣で同じ広さの賃貸住宅の民間相場は月額約50万円である)には批判が集まっている(注:国会議員は議員活動を円滑に進め、また、東京から遠い地方を地盤とする議員にも配慮は必要で、また有事の際の国会の緊急召集などを考慮しなければならないため、宿舎の存在自体に批判があるわけではない)。
- 港区の新赤坂宿舎が2007年4月1日から入居開始となったが、全300戸の部屋のうち約100戸が空室となっていることが明らかになっている。民主党の鳩山由紀夫幹事長は「民主党議員はあの宿舎に住まない」と発言し、これに対して自民党の中川秀直幹事長から「あの議員宿舎の建設には民主党も賛成している」と猛反発を受け、鳩山幹事長は先の発言を撤回している。これらの事態を受けて、2007年4月3日には自民党の逢沢一郎衆議院議運委員長が入居を促す異例の談話を行なっている。入居することで批判を浴びることを恐れている議員が多いため、空室が多くなっている。民主党の河村たかし衆議院議員は、国会の近くの民間のアパート(月家賃7万円)を借りてそこで生活している。
- 新赤坂宿舎に関して、2007年4月23日の衆議院決算行政監視委員会において、新党大地の鈴木宗男代表の質問に対する衆議院事務総長の答弁で、入居希望者184人に対して実際に入居した議員はわずか35人(自民が28人、民主と無所属クラブが2人、社民と市民連合が1人、国民新党と無所属の会が1人、無所属が3人。その他の党派は0人)だけなことが分かった。鈴木宗男代表は「家賃が月9万2000円という安さが問題だ」としている。
- 参議院新清水谷議員宿舎に対して苦情を言った地元住民らの個人情報を参院事務局が議員宿舎建設に賛成する地元町会幹部らに提供していたことが判明した。
- また、議員宿舎に対して議員を送り迎えするドライバーたちがエンジンを付けっぱなしにし駐車違反にならないように車内で待機していることが多く、地元住民からの苦情が多い。
[編集] 日本国外の例
外国では議員宿舎の事例として、ロシア、中国が存在するが例は少ない。フランスでは議員宿舎の代わりに住宅手当が支給されている。台湾ではワンルームタイプの議員宿舎が存在する。