西洋フード・コンパスグループ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場
|
本社所在地 | 170-0013 東京都豊島区東池袋三丁目13-3 星和池袋ビル |
設立 | 1947年9月6日 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | レストランチェーンの運営等 |
代表者 | 代表取締役社長 幸島武 |
資本金 | 223億16百万円 (2007年7月1日現在) |
従業員数 | 社員:1,450名 |
主要株主 | コンパス・グループ・インターナショナルBV 伊藤忠商事 |
主要子会社 | ユーレストジャパン株式会社 栄食メディックス株式会社 |
外部リンク | http://www.seiyofood.co.jp/ |
西洋フード・コンパスグループ株式会社( Seiyo Food-Compass Group, Inc. )は、事業者向けキャフェテリア事業、レストラン事業を運営する企業。
かつては、ファミリーレストラン部門のCASA「カーサ」を中核事業にしてきた。
目次 |
[編集] 概説
1960年代、デパートや百貨店系の併設レストラン・大食堂が人気を呼び、ファミリー利用客の集客の一つとして日本各地に作られた。外食の多様化・ニーズが日本の高度経済成長と共に高まりつつあった当時の世相を反映して、西武百貨店はレストラン部門の西武食堂を1963年に分社・設立する。
セゾングループの拡大戦略で他社との合併・レストラン西武への商号変更などを経て、親会社の西武百貨店の新規の百貨店出店形式・要望に合わせた、複数の和洋中レストランブランドを運営する事業会社となる。1983年、西武百貨店の常務を務めていた和田繁明が社長に就任後、西武百貨店・セゾングループ系列の出店展開に頼ったビジネスモデルの軌道修正・事業改革を行い、肥大化した複数のレストラン運営は、チェーンストアオペレーション方式の本格導入、メニューの標準化、核になる中核事業の育成、単体ブランドレストラン事業の独自出店・チェーン展開を行った。
1980年代当時の大手ファミリーレストラン各社は右肩上がりの成長拡大期を迎え、レストラン西武は中核事業としてファミリーレストラン・CASAを中心とした事業を推進。CASAロードサイド店舗の出店強化、新コンセプトのダイニングバー「オールドニュー」新業態の開発・チェーン展開など進め、事業の拡大を続けた。1989年に西洋フードシステムズに商号変更。
1990年代のバブル崩壊・景気後退の世相を受け、同業のすかいらーくが新業態・低価格プライスゾーンガストなど、消費低迷に合わせた展開を押し進める中、西洋フードシステムズはCASAのブラッシュアップ、グランドメニューの見直しで「町の洋食屋さん」コンセプトの新メニューが好評を得るが、全体の業績改善までには至らなかった。
2001年、バブル崩壊後の経営不振から低迷を続けていた西洋フードシステムズは、セゾングループから離れてイギリス資本の世界的にコントラクト事業を展開するコンパスグループ傘下となり、従来のファミリーレストラン事業・CASAを中心とした収益構造から、社員食堂や病院給食事業といったコントラクト事業に経営の主軸を移して大規模な事業の見直しを実施。存続店のCASAは、新機軸の「キッチンデミグラ」ロープライスレストランへの業態転換が立案され、東京都内の店舗を中心に数店舗リニューアルされた(現在はすべて閉店)。
2002年、西洋フードシステムズの慢性的な不振が続いていたファミリーレストラン事業・CASAの郊外型120店舗をココスジャパンに売却、譲渡額は約68億円。バブル期に積極的な多店舗出店を行っていた、関東・東海・関西・九州地区に展開していた店舗を手放し、ロードサイド型レストランからの撤退、経営資源をコントラクト事業へ集中させて事業のスリム化を行った。
レストラン部門の規模は縮小したが、現在も駅ビルやデパート内に展開するコンセッション・レストラン事業は旧セゾングループ系列の商業ビルを中心とした店舗を引き続き運営している。
2007年、同グループの事業を再編・合理化を図るために、同社とその関連会社3社を吸収合併して『西洋フード・コンパスグループ』に商号変更し、現在に至る。
[編集] 沿革
- 1947年、荏原食品株式会社を設立。(現在のエバラ食品工業株式会社とは無関係)
- 1953年、キンケイ食品工業株式会社に商号変更。
- 1963年、西武百貨店の外食部門、西武食堂設立。(後のレストラン西武)
- 1976年、キンケイ食品工業と西武食堂が合併。
- 1983年、株式会社レストラン西武に商号変更。
- 1989年、株式会社西洋フードシステムズに商号変更。
- 1996年、外食産業で初めて有機栽培米を導入、「CASA」「藩」で提供。
- 2001年、コンパス・グループによる株式公開買い付けによりセゾングループを離れ、同社の傘下となる。不採算部門の事業見直しなど進める。
- 2002年、CASAの郊外型店舗120店をココスジャパンに譲渡。
- 2002年、4月コンパス・グループ・ホールディングス設立。(持株会社)
- 2002年、10月西洋フードシステムズ・ホールディングス設立。(株式移転・親会社)
- 2005年、4月コンパス・グループ・ホールディングス、メディフォース、西洋フードシステムズ・ホールディングスを統合。
- 2007年、西洋フードシステムズ九州、ラピスタ、フードライフと合併し、西洋フード・コンパスグループに商号変更。
[編集] 主力事業
- 社員食堂・病院給食・サービスエリアのフードサービス・ゴルフ場クラブハウスレストランなどのコントラクト事業
- 外食レストラン事業
主なチェーン店
- CASA - ファミリーレストラン
- 釜めし 藩 - 居酒屋レストランチェーン
- 小吃坊 - 中華料理チェーン
- パスタベラ - イタリアンレストランチェーン
- 糸ぐるま- 京ラーメンチェーン
- ルノートル -ビルイン型フランスパン直売チェーン
[編集] CASAのエピソード
1980年代当時の人気メニューに「フットボールハンバーグステーキ」が有り、ミートパティ中央にチーズが入っている。フットボール型に成型してあり、パン粉を付けてからフライヤーで揚げ、デミグラスソースと赤ワインで煮込む。熱々の鉄板でお客様の元へ運び、ナイフで切ると…とろ~り溶けたチーズが出て来る、見た目の視覚でも味も楽しめたメニューには、ファミリーレストランらしさを訴える物があった。
[編集] 会社概要
[編集] グループ会社
- ユーレストジャパン
- 栄食メディックス
- コンパス九州
- 西洋ゼネラルフード
- 西洋フードシステムズ東北
- メディフォース鹿児島
[編集] 関連項目
- 資本関係は解消されたが、現在も多くのレストラン店舗が西武百貨店・西友を始めとした旧セゾン系列に出店、旧グループ会社との業務関係は続いている。
- 吉野家ディーアンドシー - かつての子会社。
- 吉野家倒産時にセゾングループの傘下に入り事業再建を行った。西洋フードシステムズ九州で吉野家のフランチャイズ事業も展開していたが、吉野家へ売却し撤退。
- 海老名サービスエリア(下り線側)/海ほたるパーキングエリア/天理パーキングエリア/川島パーキングエリアなどの4ヶ所は、フードサービス・レストラン全般を受託して運営。
[編集] 参考文献・出典元・数値データ
- 『セゾンからそごうへ 和田繁明の闘い』佐藤敬 東洋経済新報社刊 ISBN 4492554149
- 株式会社九州吉野家 株式譲り受けに関するお知らせ 西洋フードシステムズ九州・吉野家フランチャイズ事業の株式譲渡 - 吉野家HP