終電車 (映画)
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終電車 Le Dernier métro |
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監督 | フランソワ・トリュフォー |
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製作 | マルセル・ベルベール |
脚本 | フランソワ・トリュフォー シュザンヌ・シフマン |
出演者 | カトリーヌ・ドヌーヴ ジェラール・ドパルデュー ハインツ・ベンネント |
音楽 | ジョルジュ・ドルリュー |
撮影 | ネストール・アルメンドロス |
編集 | マルチーヌ・バラケ |
公開 | 1980年9月 1982年4月10日 |
上映時間 | 134分 |
製作国 | フランス |
言語 | フランス語 |
allcinema | |
Variety Japan | |
IMDb | |
『終電車』(原題:Le Dernier Metro)は、フランソワ・トリュフォーの監督による、1980年のフランスの長編映画である。トリュフォー監督の最大のヒット作。セザール賞主要十部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、主演男優賞、撮影賞、録音賞、編集賞、美術賞、音楽賞)受賞。アカデミー外国語映画賞ノミネート。
[編集] キャスト
- マリオン・シュタイナー:カトリーヌ・ドヌーヴ
- ベルナール・グランジェ:ジェラール・ドパルデュー
- ルカ・シュタイナー:ハインツ・ベンネント
- ジャン=ルー・コタンス:ジャン・ポワレ
- アッレット・ギヨーム:アンドレア・フェレオール
- ジェルメーヌ・ファーブル:ポーレット・デュボスト
- ナディーヌ・マルサク:サビーヌ・オードパン
- ダクシア:ジャン=ルイ・リシャール
- レイモン:モーリス・リッシュ
- メルラン:マルセル・ベルベール
[編集] ストーリー
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
ナチス占領下のパリ。女優マリオンは、南米に逃亡したユダヤ人で、支配人兼演出家の夫の代わりにモンマルトル劇場を切り盛りしていることになってはいたが、その実、夫ルカは劇場の地下に潜み、夜の妻の訪問だけを楽しみに国外脱出の機会を待つ身だった。現在の演出家ジャン=ルーはドイツ軍にも顔がきき、御用評論家とも親しい。相手役ベルナールはレジスタンスと通じているらしい。そして新作『消えた女』は好評を持って迎えられるが、評論家ダクシアは芝居をユダヤ的と非難した。それを怒ったベルナールは偶然居合わせた彼を殴りつける。劇場存続に賭けるマリオンは愛を感じ始めていたベルナールを遠ざけねばならない。そんな折、いよいよレジスタンスの参加を決意したベルナールが劇場を去ろうとすると、抜き打ちのゲシュタポの捜査。マリオンはベルナールを地下に向かわせ夫を救う。初対面の彼にルカは、妻は君に夢中なのだ、と告げる。その夜、結ばれるベルナールとマリオン。劇場は解放の日まで執念の上演を続け、ルカは800日ぶりに陽の光を浴びる。
[編集] 解説
- オープニングのテーマソングはリュシエンヌ・ドリールの歌う1942年のシャンソン『サンジャンの私の恋人』。
- ラジオから流れるのは当時のヒットソング、リナ・ケッティの歌う『雨傘とマント』。
- レナータがナチスの将校たちの前で歌うのは『素敵な貴方/バイ・ミル・ビスト・ドゥ・シュン』。
- ジャコ少年のモデルは当時10歳だったトリュフォーであるが、実際にたばこの葉を栽培していたのはトリュフォーの祖父である。
- ルカのモデルはルイ・ジューヴェで、実際に彼が自分の劇場の地下室に隠れていたという噂があった。また、マルセル・カルネ監督の『悪魔が夜来る』や『天井桟敷の人々』の美術監督アレクサンドル・トローネルと作曲家ジョゼフ・コスマの仕事は、実際に地下室に身を隠しておこなわれたという事実もある。
- ダクシアのモデルは「演劇界の帝王」とよばれていた悪名高い親独派の劇評家、アラン・ロブロー。
- ベルナールのモデルはジャン・マレーで、彼の自伝『美しき野獣』のなかに、ジャン・コクトーの芝居『地獄の機械』を酷評したアラン・ロブローをマレーがどしゃ降りの雨のなかで殴りつけたというエピソードがある。
- ジャン=ルーのモデルは劇作家のサシャ・ギトリで、FFI(フランス国内軍)に捕らえられてパジャマ姿のまま連れ出されるエピソードも実話にもとづいている。
- マリオンには直接的なモデルはいないが、当時の新聞に「現在の女性にとっての流行の先端を行く職業は劇場の支配人」という記事を読んだトリュフォー監督の創作である。
- メルラン役を演じるマルセル・ベルベールは職業的俳優ではなく、トリュフォーの製作会社レ・フィルム・デュ・キャロッスの大番頭的存在。もともとトリュフォーの妻の父が経営していた大手配給会社コシノールのマネジャーだった。
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