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田岡俊次 - Wikipedia

田岡俊次

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

田岡 俊次(たおか しゅんじ、1941年12月16日 - )は、日本のジャーナリスト、軍事評論家。

目次

[編集] 来歴・人物

京都府立朱雀高等学校早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、1964年朝日新聞社に入社。入社試験面接のとき、軍事記者になるために朝日に入る、と言ったという。

戦史や国際条約に詳しく、東京本社社会部の防衛庁担当記者として防衛庁・自衛隊に対し相当な影響力を持っていたため、関係者の間で「田岡元帥」の異名を取った。

そのための奢りも目立ち、日本航空123便墜落事故において自衛隊の救難活動に対する朝日ジャーナルなどの報道に抗議を行った空幕広報室長(1佐)に「お前はバカだよ。飛ばしてやろうか」と発言したことが文藝春秋昭和61年新年特別号で暴露され(空幕広報室事件、後述)、防衛庁内で酒に酔って毎日新聞の記者に暴力を振るうという事件も起こした。

米国ジョージタウン大学戦略国際問題研究所(CSIS)主任研究員兼同大学外交学部講師、朝日新聞編集委員(防衛担当)、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)客員研究員、「AERA」副編集長、同シニアスタッフライターを歴任。湾岸戦争時に再び朝日新聞編集委員も兼ねるようになり、テレビ朝日系列の番組にしばしば登場して一般読者・視聴者にも知名度が高まった。1999年筑波大学客員教授。現在はCS放送 朝日ニュースターで放送されるパックインジャーナルのレギュラー・コメンテーター1982年には「建設談合問題」で日本新聞協会賞を受賞している。

朝日新聞社内では自衛隊擁護派で、常に自主防衛、武装中立論を唱え、米国追随を批判しつづけた。

1991年の湾岸戦争の際は当初イラク軍の実戦経験と士気の高さから、地上戦などでの米軍が苦戦し、泥沼化すると予測していたが、予測は外れ、その後しかるべき説明もなかった。湾岸戦争停戦時には「これでフセイン体制はほおっておいてもすぐ内部崩壊を起こすだろう」とも予測した。さまざまな予言・予測を述べるが、現実はその反対になることが多く、その点を揶揄してネット上では「逆神」などと呼ばれている。

対して、米国のイラク侵攻では、開戦前から「首都は取れても戦争には勝てない」と長期化と米軍の苦戦を予測していた。その後米軍はイラクの治安の悪化に苦慮し、田岡の予測は一応は当たった。もっとも、田岡が行ったのは侵攻当初に正規軍の頑強な抵抗により米軍が多大な損害を受ける、との主張、またスンニ派とシーア派が結託して一丸となって米軍に抵抗する、との予測であり、正規軍の抵抗自体は微弱で、米軍占領後に宗派間の同国人同士の抗争が拡大して、結果的に治安が悪化している現在の状態とはかなりの差異が見られる。

祖父は明治期の漢学者で民権運動家の田岡嶺雲、大叔父(嶺雲の兄)は三菱総理事の木村久寿弥太、父親が国際法学者で、元京都大学法学部長だった田岡良一

[編集] エピソード

  • 退役空将の佐藤守によれば、自衛隊に対して上記のように影響力があり、自分の影響力を自衛官相手に誇示した場合もあったという。[1][2]
  • 自衛官の不規律に関しては峻厳で、防衛庁内でポルノビデオ鑑賞会を開いた旧知の航空幕僚たちを許さず記事にしたこともある。
  • 湾岸戦争の際にはサウジアラビア入りして取材活動を行い、イラクによるスカッドミサイル攻撃を経験している。
  • 防衛省正門で、官用車優先の道路を自分を先に出させろと故意に警備員に車を接触させたことがある(危険運転致死傷罪にあたる)。

[編集] 著書

[編集] 単著

  • 『アメリカ海軍――戦略と戦力の全貌』(教育社[入門新書]、1978年)
  • 『アメリカ海軍の全貎――米ソの実力全比較』(教育社[入門新書]、1985年)
  • 『戦略の条件――激変する極東の軍事情勢』(悠飛社、1994年)
  • 『2時間でわかる図解 日本を囲む軍事力の構図――北朝鮮、中国、その脅威の実態』(中経出版、2003年)
  • 『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』(朝日新聞社[朝日新書]、2007年)

[編集] 共著

  • (木下和寛)『自衛隊の戦力――GNP1%の実像』(教育社[入門新書]、1986年)
  • Superpowers at Sea: An Assessment of the Naval Arms Race, with Richard W. Fieldhouse, (Oxford University Press, 1989).
  • 田原総一朗)『決断――日本の防衛と対米戦略』(リブロポート、1992年)

[編集] 外部リンク

  • 田岡俊次(日本財団図書館-私はこう考える(自衛隊について))


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