生涯学習
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生涯学習(しょうがいがくしゅう)とは、人が生涯にわたり学び・学習の活動を続けていくこと。
これは、ユネスコ(UNESCO)のポール・ラングラン(Paul Lengrand)が1965年に初めて提唱したもので、元来はlife-long education、すなわち生涯教育といわれた。日本では、心理学者の波多野完治が、それを受けてこの概念の日本への紹介で功績があった。
近年まで教育はこどもや他人に教える、あるいは教えられるという形態が主であった。教師、親の指導に従って学ぶというもので、20世紀初頭の「児童の世紀」がスローガンになった大正自由主義教育運動では、それを「旧教育」と呼んだ。当時にあっても、こどもの関心、自発性、創造力を重視することこそが、「新教育」だと考えられていたわけである。最近では更に「自らデザインし、自ら学ぶ」、「自分で学ぶ」という行為も教育の本来の姿と強調されるようになってきた。これは、こどもに限らず、成人についても当てはまる。
人は、学校教育に限らず、社会や職場においても、または家庭の専業主婦としていても、さらには社会の第一線から退いていても、自分のキャリアを切り開いたり(キャリアアップ)、また趣味や娯楽として、はたまたライフワークとして、何か新しいものを学び続けたり、ボランティアとして地域社会や特定のニーズを抱えた人たちのためにサービスを提供するために、継続して学習を通して自らを高めて行くことには高い価値があると一般的に考えられている。
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[編集] リカレント教育
リカレント教育とは、主に学校教育を終えた後の社会人が大学等の教育機関を利用した教育のことを指す。生涯教育を受けて発展した概念であり、職業能力向上となるより高度な知識や技術、生活上の教養や豊かさのために必要な教育を生涯に渡って繰り返し学習することを意味する。これには、仕事に就きながら必要な知識や技能を習得する教育訓練を行うOJT、仕事を一時的に離れて行う教育訓練(OFFJT)も包含されている。
リカレント教育論の概念はスウェーデン文相O・パルメが、1969年の第6回ヨーロッパ文相会議において取上げた、翌1970年に経済協力開発機構(OECD)が公式に採用し、1973年「リカレント教育 -生涯学習のための戦略-」報告書が公表され国際的に広く認知された。報告書では、青少年期という人生の初期にのみ集中していた教育政策を個人の全生涯にわたって労働、余暇、その他の活動と交互に行うこととされる。この教育改革を「血液が人体を循環するように、個人の全生涯にわたって循環させよう」と表現された。
[編集] 大学での生涯教育
近年の日本では大学の社会人入学制度などを利用しキャリアアップを図ることなどが、生涯学習の例として目立ってきている。日本では、社会人入学制度は女性が利用する例が多く、男性の利用に対する偏見が残っているとの指摘もある。
大学における生涯学習では、少子化、大学全入時代を前に手持ちの教育インフラが活用されている。文部科学省の指導もあって、現在では昼夜開講制や夜間大学院の制度を導入して社会人でも高度な教育を受けられるようにカリキュラム編成をしている大学が増えている。
また、社会人入学以外にも公開講座を開催して、学外の一般の人を対象にした講座を開講している大学も多い。このように大学の教育を一般の域まで広げた公開講座や学外講座を司る部門をエクステンションセンター(Extension Center)と呼ぶ。聴講から、単位や資格取得にいたるまで、様々な内容やレベルの講座が開かれている。