温見峠
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温見峠(ぬくみとうげ)は、福井県大野市と岐阜県本巣市根尾を結ぶ国道157号(国道418号との重複区間)の峠。最高地点の標高は1,050m。
能郷白山の鞍部にあり、峠の名前は旧西谷村にあった集落の名前に由来する。現在も大野市温見として名前は残るも廃村となっており当時の建物は一切残っていない。岐阜県側の根尾村大河原(現在の本巣市根尾大河原)は冬期無人集落となっている。
[編集] 歴史
- 鎌倉時代―越前府中(福井県越前市)と鎌倉(神奈川県鎌倉市)とを結ぶ最短ルートとして重宝された。
- 戦国時代―越前朝倉氏が温見峠から美濃の国へ攻め入り、朝倉氏の滅亡後は織田信長が、越前一向一揆で温見峠からも越前に攻め入った。
- 江戸時代―結城秀康が関所を設けて、福井藩への敵の侵入を監視した。
[編集] 現況
現在は国道157号(国道418号重複)が走っているが、当地が豪雪地帯(平年で積雪2~3m)であるために、例年12月初旬から大野市中島から本巣市根尾能郷までの間は除雪を行わずに通行止になる。雪が収まる3月下旬ごろから除雪を集中的に行って、5月ごろに通行止が解除される。
また、現在は夏期でも福井県側では平成16年7月福井豪雨の復旧・道路拡幅工事を行っているため、通行には細心の注意を払う必要がある。2008年06月現在、岐阜県本巣市根尾大河原~本巣市根尾黒津間が路側決壊、本巣市根尾黒津~本巣市根尾能郷間が土砂崩れによって終日通行止である。
2008年06月現在、大野市より本巣市根尾大河原までは通行可能であるため、根尾大河原より猫峠を越え、本巣市根尾越波を通る折越林道、岐阜県道255号根尾谷汲大野線を経る事により、国道418号まで到達可能である。
通行止になった場合の迂回路として、大野市から岐阜へ抜ける通年通行可能な経路は国道158号で福井市に抜けて国道8号および国道21号を通るルート、国道158号(油坂峠道路経由)で郡上市の国道156号に迂回するルートなどがある。
石川県白山市と勝山市と結ぶ国道157号谷トンネル(谷峠)や池田町と岐阜県揖斐川町を結ぶ国道417号冠山峠道路(冠山峠)のように抜本的に道路を改良する計画は持ち上がっていないが、国道157号の福井県側は災害復旧を兼ねて部分的に拡幅工事が展開されている。
温見峠から能郷白山の山頂へ登山道が伸びている。