清泉女子大学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
清泉女子大学
| 大学設置 | 1950年 |
|---|---|
| 創立 | 1938年 |
| 学校種別 | 私立 |
| 設置者 | 学校法人清泉女子大学 |
| 本部所在地 | 東京都品川区東五反田3-16-21 |
| キャンパス | 品川（東京都品川区） |
| 学部 | 文学部 |
| 研究科 | 人文科学研究科 |
| ウェブサイト | 清泉女子大学公式サイト |
清泉女子大学（せいせんじょしだいがく、英称:SEISEN University.）は、東京都品川区東五反田3-16-21に本部を置く日本の私立大学である。1950年に設置された。大学の略称は清泉（せいせん）。
目次 |
[編集] 概観
[編集] 大学全体
- 清泉女子大学（せいせんじょしだいがく、SEISEN University）は、東京都品川区東五反田に所在する私立大学。 設立母体は、聖心侍女修道会。1950年、4年制女子大学として創立。
- キリスト教ヒューマニズムを建学の精神として、少人数教育を実践。学生一人ひとりが積極的に授業に参加することで、人を思いやり、コミュニケーションを通じて豊かな人間性を自然と身につけていけるよう配慮している。 また、少人数教育から人格的触れ合いを通じ、自分で考え決断することができる女性を育てる教育をめざし、さらに自国と他国の文化を学ぶ事から地球市民としての他者を愛する優しさをもった人間性を育てる教育を実践している。
[編集] 建学の精神（校訓・理念・学是）
- 清泉女子大学の建学の精神はキリスト教ヒューマニズムにある。
- 建学の精神の達成のため、「まことの知・まことの愛」(VERITAS et CARITAS)の追究を理念としており、人間は尊厳のあるものとして創られているとの確信に基づき、研究教育を通して真理を求め、自己の主体性の確立に努めるとともに広く他者の人間性を尊重し、もって人間と世界の本来の価値の実現に努めることを理念としている。
[編集] 沿革
[編集] 略歴
- 設立母体である聖心侍女修道会は、創立者ラファエラ・マリアと姉によって1877年にマドリードで誕生した。
- 清泉女子大学は1934年にエルネスティナ・ラマリョほか3名の聖心侍女修道会の修道女がマルセイユより来日。修道会の使徒活動は、高等女学校の卒業生を対象とする学校の開設と、黙想会や静修会の集いから始まったが、急速に戦争へと進む時代の中で、豊かな人間教育と国際的に恥ずかしくない女性の育成を目指す情熱に燃え、1935年4月、東京麻布三河台にある旧志賀直哉邸に、前身となる高等女学校卒業者対象の清泉寮学院を創立。1941年に清泉寮学院を文科、家政科に分け各科定員60名、修業年限2年の女子高等教育機関とするが、1944年には太平洋戦争勃発のために休校を余儀なくされ、翌1945年空襲で校舎は全焼した。
- 戦後、1950年学制改革に伴い学校教育法が制定され、1950年に文学部単科大学として、神奈川県横須賀市に国文学科、英文学科よりなる4年制女子大学として清泉女子大学を設立。 戦後GHQの管理下に入り駐留軍の将校宿舎として使用された現在地の旧島津公爵邸を、1954年に接収が解除された後の1961年に清泉女子大学は日本銀行から土地・建物を購入し、1962年に横須賀から大学を移転した。その時期にはさらに、カトリック大学本来の特徴と使命をスペイン語スペイン文学科とキリスト教文化学科（1994年には、キリスト教文化学科を文化史学科へと改組転換）の設立によって推進する。2002年には、急速に変化する社会の要請に応えるために、新しい女子教育のあり方を進めるため、新たに地球市民学科を開設し、今日に至っている。
[編集] 年表
- 1938年 財団法人清泉寮の設立が認可され、東京麻布三河台に清泉寮学院を創立。
- 1941年 清泉寮学院を文科、家政科に分け各科定員60名、修業年限2年の女子高等教育機関とする。
- 1944年 戦争激化のため休校、翌1945年戦火のため校舎全焼。
- 1950年 学制改革に伴い、神奈川県横須賀市に文学部国文学科、英文学科よりなる4年制女子大学として新たに創立。
- 1953年 英文別科設置（1986年4月英語短期課程に名称変更。1998年度より学生募集停止）。
- 1961年 スペイン語スペイン文学科設置。
- 1962年 東京都品川区の現在地に移転。
- 1963年 キリスト教文化学科設置。
- 1978年 清泉女子大学人文科学研究所発足。
- 1989年 神奈川県川崎市に宮前平キャンパス開設。
- 1992年 清泉女子大学キリスト教文化研究所発足。
- 1993年 文化史学科設置(キリスト教文化学科を改組)。大学院人文科学研究科(言語文化専攻修士課程)設置。
- 1994年 英文学科を英語英文学科に名称変更。大学院人文科学研究科(思想文化専攻修士課程)設置。
- 1996年 大学院人文科学研究科(人文学専攻博士課程)設置。
- 1997年 国文学科を日本語日本文学科に名称変更。
- 2001年 地球市民学科設置。
- 2002年 清泉女子大学言語教育研究所発足。
- 2005年 大学院人文科学研究科(地球市民学専攻修士課程)設置。
[編集] 基礎データ
[編集] 所在地
[編集] 象徴
- 校章は、全体の輪郭に楯の形とし、「正しさ」を表わす。また、その中には百合の花を、清泉（SEISEN）の頭文字「S」字型にしてあしらわれ、意味は「清さ」を表す。さらに、キリストの聖心によって「神の愛」を表し、その聖心を囲む鎖によって神の子としての「人間の相互愛と共同体意識」を示す。
- 大学歌は、作詞については歌人であり文学者である佐佐木信綱先生に依頼し、作曲は女子学習院で音楽を担当していた松島女史に依頼し作成した。作成に際しては、清泉女子大学の前身である清泉寮学院の開設に尽力した吉田茂元総理夫人吉田雪子氏により、作詞者と作曲者に依頼されて1936年に作られた。
[編集] 教育および研究
[編集] 組織
[編集] 学部
- 文学部
- 日本語日本文学科
- 日本語日本文学科では従来の国文学科から脱皮して、世界の言語の中の日本語、世界の文学の中の日本文学という意識をもち、過去の日本語日本文学の豊かな伝統を究め、未来に向かって日本語日本文学を育てていくという特徴を持つ学科。
- 日本語日本文学科
-
- 英語英文学科
- ネイティヴスピーカーの教授陣による10～25名程度の少人数クラスで、レベルに合わせたクラス編成も導入。また春、夏期に行われる海外語学研修には4 年間を通して参加でき、世界の各地から来る学生達と共に学び、ホームステイすることで英語運用能力を高めることができる。
- 英語英文学科
-
- スペイン語スペイン文学科
- 設立母体の聖心侍女修道会がスペインで誕生した関連もあり、スペインとの関係が深い事からスペイン語スペイン文学科が設立。スペイン及びラテンアメリカ地域の文学を学ぶことが出来る国内でも数少ない学科である。スペイン語圏文学の蔵書では国内でも珍しい図書も数多く所蔵している。
- スペイン語スペイン文学科
-
- 文化史学科（旧「キリスト教文化学科」）
- 歴史・美術史・思想史・宗教史の4つの専攻分野を置き、人は過去から現在に至るまでどのように生きてきたのか（歴史）、自然や自己を見つめつつ、それらをどのような形で表現し（美術）、どのような思いに表してきたのか（思想）、人はなぜ永遠なるものを求め続け、人を超えた存在を信じようとしてきたのか（宗教）、という諸問題を考察する学科。
- 文化史学科（旧「キリスト教文化学科」）
-
- 地球市民学科
- 地球的視野・発想を養うために学際的な学問がますます必要になるという考えから、地球社会関連科目、多文化理解関連科目、フィールドワーク科目の3本の柱を立てて、3 つの学問領域にまたがった勉強ができるカリキュラムが特徴。
- 地球市民学科
[編集] 大学院
[編集] 附属機関
- 付属研究所
- 人文科学研究所
- キリスト教文化研究所
- 言語教育研究所
- 附属機関
- カトリックセンター
- 国際交流センター
- ボランティアセンター
- 図書館
- 生涯学習センター
- 情報環境センター
- ウエルネスセンター
[編集] 学生生活
[編集] 部活動・クラブ活動・サークル活動
清泉女子大学での学生活動は、委員会（3団体）・体育会（10団体）・文化会（21団体）・愛好会（2団体）がある。
[編集] 学園祭
学園祭は「清泉祭」と呼ばれ、毎年秋頃（11月頃）に開催されている。春の時期には新入生歓迎のイベントとして「ガーデンパーティ」が開かれる。
[編集] 大学関係者と組織
[編集] 大学関係者組織
- 清泉女子大学の同窓会は「麗泉会」と称し、卒業生、別科（英文別科・英語短期課程）卒業生、中途退学者および旧専攻科に在籍した者から会員として構成されている。
- 清泉女子大学には、「泉会」と称する保護者組織があり、学生生活のあらゆる側面からの支援を行っている。
[編集] 大学関係者一覧
[編集] 施設
[編集] キャンパス
- 交通アクセス:次の路線各駅からのアクセスが可能
- JR山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線、京浜急行線 「品川駅」下車 徒歩15分
- JR山手線、都営地下鉄浅草線、東急池上線 「五反田駅」下車 徒歩10分
- JR山手線・埼京線、りんかい線 「大崎駅」下車 徒歩10分
- 品川キャンパスは活気あふれるビジネス街と閑静な住宅街の中、通称「島津山」と呼ばれる小高い丘の上にある。JRの品川、大崎、五反田から徒歩圏内という都心にありながら、四季を感じることのできる緑豊かな落ち着いた環境である。本館として使われている建物は、大正時代に島津公爵邸としてイギリス人建築家ジョサイア・コンドル氏により 設計されたイタリアルネサンス風の西洋館であり、趣のある重厚な雰囲気は手入れの行き届いた庭園と共に清泉女子大学を象徴する建物となっている。近年まで東京都選定歴史的建造物に指定されていたが、平成13年に東京都条例「歴史的景観保全の指針」の策定された時期より再申請を見合わせており正式には指定リストに載っていないが、歴史的建造物としての価値ある建物である。 キャンパス内にはふうの木が植えられているがこれは旧仙台藩の藩邸時代から、島津公爵邸の時代を経て、清泉女子大学の今日にいたるまで、この地に根を張ってきた木である。幹周りおよそ3メートル、高さ20メートルの品川区指定天然記念物で、樹齢およそ200年と推定されている。
- 1989年に新設された体育施設の宮前平キャンパスがあったが2005年度をもって閉鎖となった。
[編集] 対外関係
[編集] 姉妹校
[編集] 公式サイト
この項目は、ウィキプロジェクト 大学のテンプレートを使用しています。
