河田羆

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河田羆（かわだたけし、1842年 9月7日 - 1920年 1月4日）は、日本人の地理学者である。明治政府の地誌編纂事業に終始尽力した唯一の人物であるが、彼に関する伝記はほぼ皆無に等しく、今日においては殆ど知られていない。

[編集] 来歴

年月日	年齢	出来事
1842年 9月7日	0歳	儒学者の河田迪斎の四男として江戸に生まれる。
1855年 9月23日	13歳	林家の家塾に入門する。
1861年 1月28日	18歳	昌平坂学問所の教授方出役（儒学者に次ぐ重要な役職）に就任する。
1861年 12月27日	19歳	外国方の外国奉行支配調役並に就任する。
1863年		養子縁組を結び、新藤姓を継ぐ。
1864年	21歳	外国奉行支配調役に昇進する。
1868年 4月	25歳	江戸城の開城に伴う外国方の廃止により、役職を離れる。
1868年 9月		徳川氏設立の駿府の学問所（静岡学問所）の三等教授になる。
1871年頃		二等教授に昇進する。矢田堀鴻の仲介により、塚本明毅と出会う。
1872年 8月	29歳	静岡学問所の廃校により、免職となる。
1872年 9月27日	30歳	塚本明毅の手引きにより、正院十等出仕に任命される。
1872年 10月4日	30歳	正院地誌課での勤務を始める。間もなくウィーンの万国博覧会に出品する『日本地誌提要』の編纂に関与する。
1873年 3月	30歳	『日本地誌提要』を仕上げ、間もなく増補改訂に取りかかる。
1873年 5月5日	30歳	皇居（西の丸御殿）の火災により、地誌課の膨大な本（伊能図の原図を含む）が焼失する。後に、編纂作業を再開する。
1873年 6月18日	30歳	九等官（権大主記）に任命される。
1873年 9月22日	31歳	八等官（大主記）に任命される。
1874年 8月30日	31歳	地誌課が正院から内務省地理寮に移される。
1874年 9月3日	31歳	八等官（地理大属）に任命される。
1874年 12月頃	32歳	『日本地誌提要』の増補改訂を終え、刊行する。
1875年 1月	32歳	『日本地誌提要』を天皇に献上する。
1875年 7月19日	32歳	奏任官である地理寮七等出仕に任命される。
1875年 9月20日	33歳	地誌課は、正院に戻されると同時に修史局に吸収され、地誌掛となる。
1875年 9月30日	33歳	七等官（三等修撰）に任命される。
1875年 10月24日	33歳	正七位を与えられる。
1877年 1月26日	34歳	修史局が修史館に改められると同時に地誌関連人員の大幅な削減がなされる。
1877年 1月27日	34歳	七等官（四等編修官）に任命される。
1877年 2月	34歳	養家と離縁し、河田姓に復姓する。
1877年 12月8日	35歳	修史館の地誌業務が廃止される。
1877年 12月20日	35歳	修史館を辞職する。
1877年 12月26日	35歳	地誌業務が内務省地理局に移される。
1878年 1月11日	35歳	内務省地理局に地誌課が設置される。
1878年 3月	35歳	内務省御用掛准判任に任命される。
1878年 8月	35歳	塚本明毅が監修し、河田が校正した『実測東京全図』を刊行する。
1879年 4月18日	36歳	東京地学協会に入会する。
1880年 6月26日	37歳	東京地学協会の例会で「論日本地誌源委」という講演を行う。
1881年		河田が校正した『大日本国全図』を刊行する。
1884年 7月	41歳	地理局長の桜井勉により、皇国地誌編纂が打ち切られる。
1885年 2月5日	42歳	塚本明毅が病死し、六等官に任命される。間もなく桜井勉の指示のもと、地誌課の直轄事業として、大日本国誌の編纂を開始する。
1886年 7月	43歳	東京府、埼玉県、神奈川県及び山梨県の調査を行う。
1887年 6月7日	44歳	文部省の小学校教科用地理書編纂旨意書審査委員に任命される。
1888年 6月14日	45歳	文部省の応募編纂小学校用地理書審査委員に任命される。
1889年 12月26日	47歳	桜井勉が徳島県の知事に転任するも、大日本国誌の編纂を継続する。
1890年 3月29日	47歳	『大日本国誌第五巻下総』を仕上げる。
1890年 9月5日	47歳	桜井勉の離職が関連してか、地誌編纂業務が帝国大学に移され、大日本国誌の編纂は頓挫する。
1890年 10月1日	48歳	帝国大学の書記に任命される。
1890年 10月2日	48歳	帝国大学に地誌編纂掛が設置される。
1891年 3月31日	48歳	地誌編纂掛と臨時編年史編纂掛が合併され、帝国大学に史誌編纂掛が設置されるも、編纂員が置かれなかったため、非職となる。
1891年 4月16日	48歳	免職となる。
1892年 4月4日	49歳	帝国大学文科大学書記に任命され、史誌編纂掛における唯一の地誌編纂員として『補正日本地誌提要』の編纂を開始する。直後に、史学会に入会する。
1893年 4月10日	50歳	文部大臣の井上毅により史誌編纂掛が廃止され、非職となる。
1893年 6月10日	50歳	史学会の第三十八例会で「東京地理の沿革」という講演を行う。
1894年頃		岩崎弥之助の援助のもと、静嘉堂文庫での勤務を開始する。
1896年		重野安繹と共に『支那彊域沿革図』及び『支那彊域沿革略説』を仕上げ、刊行する。
1897年		吉田東伍らと共に『沿革考證日本読史地図』及び『沿革考證日本読史地図図説』を仕上げ、刊行する。
1899年 4月	56歳	日本歴史地理研究会（日本歴史地理学会）の設立と同時に入会する。
1900年		田口卯吉の依頼により、『東京経済雑誌』での連載を開始する。
1904年		史学会を退会する。
1905年		『東京経済雑誌』での連載を終了する。
1906年		『日俄戦記』を仕上げ、清国で刊行する。
1907年		『大磯誌』を仕上げ、刊行する。
1908年		日本歴史地理学会の特別会員となる。
1920年 1月4日	77歳	脳出血により本郷区の自宅で亡くなる。現在も谷中霊園の片隅に眠っている。