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矢田堀鴻 - Wikipedia

矢田堀鴻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

矢田堀鴻(1829-1887)
矢田堀鴻(1829-1887)

矢田堀 鴻(やたぼり こう、文政12年(1829年) - 明治20年(1887年)12月18日)は、幕末幕臣で、幕府最後の海軍総裁。名は景蔵。函陵と号した。

目次

[編集] 生涯

[編集] 生い立ち

幕府小普請方、荒井精兵衛の三男として、江戸に生まれる。長兄荒井清兵衛の長男が、荒井郁之助である。小普請方、矢田堀又蔵の養子となる。

10代のころから昌平坂学問所に学んだものと思われる。嘉永元年(1848年)、数えで20のときには学問御試を受け、白銀10枚を賜っている。後に勝海舟は矢田堀の墓碑銘に、「弱冠にして昌平学校生徒となり、学業日に進み、田辺太一、塚本恒甫と時に三才子の称あり」という言葉をよせていて、ぬきんでて優秀であったようだ。

嘉永3年(1850年)、養父の死去によって跡目を継ぐ。2年後には、甲府微典館の学頭となった。ペリー来航当時は、甲府にいたもようである。

[編集] 長崎オランダ海軍伝習

安政2年(1855年)、長崎にオランダ人教師を招き、海軍伝習所が開かれる運びとなって、矢田堀は、勝海舟、永持亨次郎とともに筆頭格で伝習生に選ばれる。ここでも矢田堀は、航海術習得において抜群の才を示した。二年ほどたって、幕府は、幕臣伝習生を教師として、築地に軍艦教授所を設けることを決めた。矢田堀は、その教授頭に選ばれたのだが、伝習所長だった永井尚志も江戸へ帰ることとなり、矢田堀を船将として観光丸での航海が試みられた。伝習生たちは、見事に成果を見せて、江戸へ帰着した。

その翌年、観光丸は佐賀藩に貸し出されるこことなったため、再び矢田堀が船将となり、第1期伝習生の手で長崎へ回航された。そのとき長崎には、第2次オランダ人教師団のカッテンディーケがいたのだが、矢田堀の指揮ぶりを次のように賞賛している。

「観光丸は艦長格の矢田堀指揮の下に、第1期伝習生徒に操縦せられて、突如長崎に入港し、外国人一同をびっくりさせた。その入港ぶりたるや、よほど老練な船乗りでなければできない芸当である。船と船との間に碇を卸したりする大胆不敵な振舞いをやってのけた。彼等は実に測り知れない自負心を持っている」(水田信利訳『長崎海軍伝習所の日々』より)

矢田堀たちは、2ヶ月後に咸臨丸で江戸へ帰った。

[編集] 幕府海軍エリートの挫折

文久元年(1861年)、軍艦奉行木村芥舟によって、軍艦頭取に取り立てられる。これは、海軍設立をめざした軍政改革によるもので、矢田堀は、同時に頭取となった小野友五郎伴鉄太郎とともに、誕生した幕府海軍の中枢を担うこととなった。いわば将官として、軍艦の運用や乗組員の訓練を主導することになったのである。

同年12月、咸臨丸によって、外国奉行水野筑後守を筆頭とする幕府の視察団が小笠原諸島へ旅だったが、物資輸送に使った千秋丸が老朽帆船であったため、年が明けてなお、千秋丸は小笠原諸島に行き着けないでいた。そのため、咸臨丸一行は難渋し、新たに蒸気船の派遣が望まれた。矢田堀は自ら朝陽丸艦長となり、無事、物資を届けるなど、小笠原諸島を日本領土として保全するためのこの施策において、艦船運航の重責を果たした。

文久2年(1862年)は、幕府外交において多難な年だった。坂下門外の変生麦事件が起こり、国内に攘夷感情が沸騰する中、イギリスをはじめとする諸外国との折衝は困難をきわめる。生まれたばかりの幕府海軍は、艦船とそれを運用する人員の不足に苦闘しつつ、目前の課題に対応する必用があった。前年から引き続いた小笠原諸島の開拓、船舶安全運行のための沿岸測量などに従事する一方、この年、榎本武揚をはじめとする士官級から水夫までを、オランダ留学に送り出した。さらにこの年の暮れから翌年にかけては、将軍後見職となった一橋慶喜が上洛し、生麦事件賠償問題での緊急連絡や、イギリスとの対応に、数少ない幕府軍艦は度重なる出動を求められ、矢田堀は多忙をきわめた。

文久3年(1863年)3月、軍艦奉行並となる。しかし、これまで幕府海軍の中心になってきた木村芥舟は、すでに軍艦奉行を辞していた上、先に軍艦奉行並となっていた勝海舟は、咸臨丸での渡米後しばらく海軍を離れていたこともあって、海軍中枢メンバーと折り合いが悪かった。動乱のただ中、政治的な配慮も必用となってくる職務は、矢田堀には重荷だったのではないだろうか。さらに翌元治元年(1864年)、軍艦奉行となった勝海舟は、神戸海軍操練所を設立して、これまでの幕府海軍とはまったくちがう方向を指向した。この操練所には反幕府の色合いを持つ諸藩生徒も多かったがために、禁門の変長州が朝敵となった後、勝は罷免され、その側杖を食った形で、矢田堀もお役御免となった。

[編集] 最後の海軍総裁

矢田堀が海軍総裁に就任したのは、鳥羽伏見の敗戦の後のことである。艦隊を掌握していたのは副総裁の榎本武揚で、新政府への軍艦引き渡しを拒んだ末に、北へ向かった。勝海舟とちがって、政治的な駆け引きのできない矢田堀には、出る幕がなかったといえる。あるいは心情の上からは、甥の荒井郁之助や弟子の甲賀源吾など、教え子たちが多数加わっていた脱走艦隊に、同調していたものかもしれない。

矢田堀は、徳川家に従って静岡に移る。以降、静岡で沼津学校校長を務めたほか、のちには東京へ出て、新政府にも出仕した。工部省左院など、転々としたが、海軍に関係する職としては、海軍職制臨時取調掛や管船局事務取扱といった軽いものばかりで、不遇の思いを募らせていたようだ。勝海舟の言によれば、酒と碁でその鬱屈をまぎわらしていたという。しかし矢田堀の教育者としての志は、わずかながらも残されている。明治13年(1880年)に『海上衝突予防規則平仮名附及航法図航海術』、翌年に『英華学芸辞書』を出版しているのだ。自ら学んで得たことを、次の世代へ伝えようとする意欲は、強く持ち続けていた。

明治20年(1887年)の末、数えの59歳で世を去った。


[編集] 人物

六つ年上だった勝海舟と同期でオランダの海軍伝習を受け、学業、航海術ともに、勝よりも優秀でありながら、常に勝の影に追いやられ、不遇をかこった。技術者肌で、政治的駆け引きを不得手としたことが、激動の時代には向かなかったのだろう。しかし、海軍創設期における矢田堀の手探りの奮闘には、記憶に残されてしかるべきものがある。


[編集] 参考文献

  • 石橋絢彦『回天艦長 甲賀源吾傳 附函館戦記』昭和8年3月20日改訂三版、甲賀源吾傳刊行會発行
  • カッテンディーケ著 水田信利訳『長崎海軍伝習所の日々 東洋文庫26』1991年3月22日初版第22刷、平凡社発行
  • 文倉平次郎『幕末軍艦咸臨丸 上下』1993年、中公文庫 (1938年発刊同書の復刻版)
  • 土居良三『軍艦奉行木村摂津守―近代海軍誕生の陰の立役者』1994年2月25日、中央公論社発行、中公新書 ISBN 4121011740
  • 勝海舟『海軍歴史』明治22年11月、海軍省発行(近代デジタルライブラリー所蔵)


[編集] 関連項目


[編集] 外部リンク


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