施設科
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施設科(しせつか、英:military engineer, combat engineer, pioneer)は、陸上自衛隊の職種の1つ。他国、旧日本軍などでは「工兵」と呼ばれる。同じく陸上自衛隊の職種である普通科、機甲科が円滑に作戦を実行するための的確な支援を行う。
[編集] 運用
地雷原や対戦車壕等の障害の構成や処理、道路や橋梁等の破壊や構築あるいは修復、各種渡河機材を用いた渡河支援、大規模な掩体の構築など、第一線部隊に戦闘力を発揮させるための支援が主な任務となっている。通常は施設科部隊自らが第一線に立って戦闘することは少ないが、敵陣前における地雷原の強行処理のような極めて危険な任務を遂行することもあり、状況が急を要するときは普通科部隊の代わりに第一線に投入されることもある。部隊の任務上から多くの建設機械を保有しているため、災害派遣や国際貢献などでは他の職種よりも施設科が活躍する。自衛隊初のPKO活動となった自衛隊カンボジア派遣においては施設大隊が派遣された。
自衛隊草創期に多く行われた土木工事等の受託でも施設科部隊が多く運用された。
[編集] 部隊
施設科部隊として最も規模の大きなものは施設団である。方面総監直轄部隊として5個置かれている(陸上自衛隊の師団等一覧#施設団参照)。次に大きな規模の部隊は施設群等であり10個置かれている(陸上自衛隊の連隊等一覧#施設科)。また、各師団には施設大隊が、各旅団には施設中隊が置かれている。
そのほかに、施設隊、施設器材隊(架橋中隊、特殊器材中隊)、水際障害中隊、ダンプ車両中隊、坑道中隊などの施設科部隊が置かれている。なお、坑道中隊は、トンネルを掘る部隊である。
[編集] 関連項目
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