惑星大戦争
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『惑星大戦争』(わくせいだいせんそう)は、1977年12月17日に公開された東宝制作の特撮SF映画。『霧の旗』との2本立て興行。
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[編集] 概要
映画『海底軍艦』の宇宙版リメイク。1988年、太陽系外宇宙から飛来した異星人の侵略に対抗する為、宇宙防衛艦「轟天」が金星に本拠を構えた異星人の「大魔艦」に立ち向かう。
本作製作の背景には、1977年はアメリカでSF映画『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』、アニメ映画『宇宙戦艦ヤマト』が公開され、日本は空前のSFブームを迎えていたことがあった。翌年1978年夏の『スター・ウォーズ』の日本公開を控えて、東宝は本作を急遽製作してお正月映画として公開、東映も1978年4月に『宇宙からのメッセージ』を公開した。監督と特技監督には、1970年代の東宝でゴジラシリーズとSF作品を手がけてきた福田純と中野昭慶のコンビがあたった。正月映画として年末から公開の予定でありながら脚本が仕上がったのはその前の10月に入ってからで、クランクインが公開の2ヶ月前というとんでもない製作期間であった。
『惑星大戦争』のタイトルは、当初『スター・ウォーズ』の邦題として予定されていたが、ジョージ・ルーカス側が全世界でタイトルを統一しようということで没となったため、本作のタイトルとして流用されたものである。
なお当初は小松左京に原作の依頼が持ち込まれたが、小松のブーム便乗企画でない本格的なSF映画を作りたいという希望により別途企画が立てられ、『さよならジュピター』が製作されている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
1980年代、世界各地で未確認飛行物体騒ぎがおき、また電波障害により大混乱が発生した。これを宇宙からの侵略の前兆と捉えた国連宇宙局・宇宙防衛軍 (UNSF) は、宇宙防衛艦の設計建造を滝川博士に依頼、一方で隊員の訓練を開始した。しかし次第にその騒ぎは収まり、博士は平和な地球には必要ないとして宇宙防衛艦の建造を中止、退任してしまった。
1988年秋、再びUFO騒動と大規模な通信障害が発生。国連宇宙局の三好は宇宙防衛艦「轟天」を完成させる使命を帯び、滝川博士を説得するため日本に帰還する。滝川博士は消極的だったが、彼を暗殺しようとした刺客から三好、室井、冬木によって救われる。さらに、宇宙ステーション・テラが「巨大なローマ船」という通信を残して爆発。国防軍は滝川博士に「轟天」建造の再開と乗員の編成を要請した。
敵のUFOヘル・ファイターによって世界各地の大都市と地上の国連軍基地が壊滅状態となる中、滝川博士は隊員達を再招集、「轟天」の完成を急ぐ。侵入した工作員の妨害も排除しつつ「轟天」は完成、地球上を飛び回っていたヘル・ファイターを全滅させ、侵略軍の前線基地がある金星へと進撃を開始する。しかしその途中、三笠の遺体に扮して侵入した敵兵によって滝川博士の娘・ジュンが拉致されてしまう。三好は室井・冬木達とともに、ジュンを救うため金星大魔艦に潜入するが…。
[編集] 登場メカニック
- 宇宙防衛艦「轟天」
- 轟天号#惑星大戦争を参照
- スペース・ファイター
- 全長 17メートル
- 全幅 3.8メートル
- 最大速度 195,000km/s
- 備砲 レーザーカノン砲(2門)
- ランドローバー
- 全長 27メートル
- 全幅 5.7メートル
- 最大速度 (陸上)350km/h、(空中)マッハ3.8
- 備砲 レーザーカノン砲(2門)
- 金星大魔艦
- 全長 230メートル
- 全幅 72メートル
- 最大速度 ワープ航法可能
- 航続距離 無限
- 備砲等
- 主砲~スペース・ビーム砲(1門)
- 副砲~艦橋ビーム砲(9門)、艦尾ビーム砲(8門)、艦側波状ビーム砲(36門)
- ヘル・ファイター(75機)
- ヘル・ミサイル(64発)
- 重力砲(あらゆる物質を破壊する重力波を出す)
- ヘル・ファイター
- 全長 9メートル
- 全幅 6メートル
- 最大速度 ワープ航法可能
- 備砲 50ミリバルカン砲(1門)、コスモ・レーザー砲(2門)、パルス・レーザー砲(1門)
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 森田健作:三好孝次(国連宇宙局勤務)
- 浅野ゆう子:滝川ジュン(国連日本支部員)
- 宮内洋:冬木和夫(国防軍空挺隊員)
- 新克利:三笠忠(宇宙ステーション要員)
- 大滝秀治:松沢博士(国連宇宙局日本支部局長)
- ウィリアム・ロス:シュミット博士
- デビット・ペーレン:ジミー(スペースファイター・パイロット)
- 兼松隆:日下鉄夫
- 菊地太:湊吾郎
- 森田川利一:石山
- 遠藤剛:研究員B
- 山本亘:操艦士
- 直木悠:副操艦士
- 中江真司:ナレーター(未クレジット)