延安派
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延安派（えんあんは）は、第二次世界大戦後の朝鮮半島の北半部の体制（のちに朝鮮民主主義人民共和国となる）に参加した社会主義者のグループの通称。1930年代から40年代にかけて、延安を根拠地とする中国共産党の指導の下、中国本土で社会主義運動・朝鮮独立運動・抗日運動を展開したグループで、のちに北朝鮮内部の政権抗争に敗れて粛清された。
[編集] 概要
満洲や中国本土では朝鮮独立運動家が活動しており、社会主義革命を目指す者は朝鮮共産党や中国共産党に参加していた。1930年代のコミンテルンの一国一党原則により、朝鮮共産党は解体され、中国における革命運動は中国共産党の指導の下に置かれることになった。このため、1930年代から40年代にかけての延安には、朝鮮人社会主義者が集まっていた。ニム・ウェールズの『アリランの歌』は、当時延安で活動していたキム・サン（本名は張志楽）の半生と人柄を描いたもので、欧米圏に朝鮮人の革命運動を紹介したことで知られている。ただし、張志楽本人はその後康生による粛清に巻き込まれ、1938年に日本のスパイの嫌疑をかけられて処刑されている。
1941年には金枓奉を委員長に朝鮮独立同盟が組織され、朝鮮義勇軍を結成して朝鮮革命軍政学校を設立した。
1945年8月の日本の敗戦・朝鮮の解放によってかれらは帰国し、ソ連占領下の朝鮮北部の体制に参加していった。1946年2月、延安派を中心とするグループは北部朝鮮で朝鮮新民党を、南部朝鮮で南朝鮮新民党を結成。北の朝鮮新民党は、同7月、金日成の朝鮮共産党北朝鮮分局に吸収されて北朝鮮労働党となり、金枓奉が委員長に就任した。1949年6月、朝鮮労働党が結成され、同9月に朝鮮民主主義人民共和国が建国された。
建国当初の北朝鮮はさまざまな経歴を持つ革命家の寄り合い所帯であり、延安派は金日成らの満州派（パルチザン派）などの諸派閥と競合関係にあった。1956年、スターリン批判に呼応し、ソ連派とともに金日成独裁批判を行うが（8月宗派事件）、これに敗れて権力を失い、その後粛清された。
- 金枓奉
- 武亭
- 朴一禹
- 方虎山
- 許貞淑
- 金昌満
- 徐輝
- 尹公欽
- 崔昌益
- 李相朝
