幻想水滸伝IV
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幻想水滸伝IV(げんそうすいこでん4)は、コナミより2004年8月19日発売のプレイステーション2用コンピュータRPG。『幻想水滸伝シリーズ』第4作。
幻想水滸伝の150年前の物語。「罰の紋章」を巡る群島諸国とクールーク皇国の戦いを描く。この作品から声がつくようになった。
目次 |
[編集] あらすじ
主人公は、スノウら仲間とともに騎士団の一員になるが、ある事件をきっかけに「罰の紋章」を宿し、騎士団から追放される。その後、罰の紋章に苦しみながらもその力は大きく…。
これが後世に伝えられる群島解放戦争である。
[編集] システム
この作品では、本拠地は船であり、戦争イベントでは紋章砲などを用いた海上戦が繰り広げられる。直接敵船にのりこみ通常戦闘にもちこむ白兵戦も可能。淡白なストーリー展開に比べ、システムの完成度は概ね好評といわれる。
[編集] 前作とのつながり
時代が第1作より過去であるため、前作まで登場したキャラクターはあまり登場せず、引継ぎ要素もない。テッドやレックナートのような真の紋章の所持者たちは不老であるため登場するものもいる。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
[編集] 主人公
群島諸国の西のはずれの街ラズリルで海上騎士団の所属。ラズリル領主、フィンガーフート家の小間使い。無実の罪を着せられ騎士団を追われ、その後罰の紋章の継承者として群島解放戦争のリーダーとなる。
ガイエン海上騎士団時代は、騎士団より支給された剣と、ガイエン海兵学校で学んできた剣術を使う。追放後は双剣を武器とし、独自の双剣術を使う。小説版ででは「ラズロ」と名付けられている。
108星全員を集めていないと、エンディングは彼の死を伺わせるものとなる。1度以上クリアしたデータを引継いでゲームを開始した108星全員を集めたデータ(未クリアでも可)を後日談となるRhapsodiaにコンバートすると、スノウとともに登場する。
[編集] リノ・エン・クルデス
オベル王国国王。王族らしからぬ言動や服装でセツを困らせているが、戦争では兵士たちとともに最前線で戦うなど勇猛な武人でもある。彼の妻であるオベル王妃はかつて罰の紋章の継承者であり、国を守るために命を落としている。
クールークに勝利した後、群島諸国連合を創設し、その初代代表となる。彼の功績をたたえ、後世の群島諸国連合の旗艦には彼の名前がつけられている。
[編集] フレア
オベル王国の王女でリノ・エン・クルデスの娘。父に似て冒険心旺盛で、自ら哨戒にも出ている。
[編集] スノウ・フィンガーフート
ラズリル領主の息子で4主人公の幼馴染。基本的に悪人ではないが、やや独善的でおぼっちゃま特有の打たれ弱さと単純さがある。主人公がラズリルを追放された後、父の根回しで騎士団長に就任。ガイエン騎士団とラズリルの人民を守るためとはいえ、ラズリルのクールークの占拠を許す。その後クールークの士官に任命され、海賊討伐隊の隊長となるが、民衆から強烈な批判を受けラズリルとは事実上絶縁される。その後海賊に身を落とすが、最終的に4主人公と和解して仲間になる。 ゲーム中では、服の着せ替えなど彼特有の楽しみ方もある仲間になるためには、107星集めないといけない
戦後、4主人公軍での活躍が認められ、ラズリルとの絶縁はなかったことになり、ラズリルの一市民として人生をやり直す。以後は父の財産の一部とモンスター退治の報酬で生活しているらしい。
[編集] エレノア・シルバーバーグ
元赤月帝国の軍師でシルバーバーグ家の出身。引退して群島海域の庵の小島に住んでいた。それまでの軍師たちとは違いかなりワイルドな性格。かなりの大酒飲みであり、自室にいるときは手の届く範囲に酒瓶を置いている。主人公に罰の紋章の力を解放させるなど、勝つためならなんでもする冷酷無比な人物に思われるが、実際はそれをかなり気にかけている。
最後にはエルイール要塞にて、かつての弟子グレアム・クレイと共に行方不明になる。
[編集] キカ
群島諸国南方の海を取り仕切る女海賊頭領。かなり人望もあり策略にも長けた、冷静沈着な人物。罰の紋章により、かつての仲間を失った過去を持つ。
[編集] ガイエン海上騎士団
- カタリナ
- ガイエン海上騎士団の副団長でグレン団長の右腕的存在。実はグレンの娘。戦後、ラズリル海上騎士団の団長に就任する。
- ジュエル
- 主人公、スノウとは騎士団の同期生。ナ・ナル島出身で、島長と反りが合わず島を飛び出した。
- ケネス
- 主人公、スノウとは騎士団の同期生。戦後、副団長として騎士団に残る。
- ポーラ
- 主人公、スノウとは騎士団の同期生。エルフ。母はジュエル同様ナ・ナル島出身。
- タル
- 主人公、スノウとは騎士団の同期生。戦後は漁師に転職。
[編集] ナルシー
- シュトルテハイム・ラインバッハ3世
- ミドルポ-トを治める貴族、シュトルテハイム・ラインバッハ2世の御曹司。前作まで恒例の偽名として用いられてきた名前(偽名では5世まで存在する)。船酔いしやすい体質だが、友のためなら船酔いを堪えて戦う気骨と、父の悪行に憤りを覚える程の純真さを併せ持った好漢である。バラの胸飾りの愛用者。「麗しの友情攻撃」の構成要員。
- シャルルマーニュ
- ミドルポートの宿屋にいるナルシー。一応ナルシーには分類されてはいるが前作までとは異なり、友思いの良い男といった印象。ラインバッハとは親友である。「麗しの友情攻撃」の構成要員。
[編集] 海賊
- ダリオ
- 豪快さを売りにする典型的な海賊。酒癖が悪く仲間からよく窘められる事も。思いこみが激しく短慮と問題のある人物だが面倒見はよく、ナレオにも慕われている。また、正義感も非常に強い。
- ナレオ
- ダリオの息子の海賊見習い。ダリオをパパと呼び尊敬しており、父親と違ってかなり温和な性格。しかしエンディングのテロップで後にダリオそっくりの海賊になったと記載されていることから、良くも悪くも強い影響を受けている模様。なお、戦闘要員ではない。
- ハーヴェイ
- 地猛星。気性が荒いが楽天的・前向きな性格で、海賊団のムードメーカー。キカの手足となって働いている。『美青年攻撃』、『海賊攻撃』の構成要員。
- シグルド
- 地奇星。元ラインバッハ家お抱えの用心棒。戦闘能力が高く、頭も切れるので様々な仕事をこなす。ハーヴェイとは腐れ縁でかつて敵対していたが、今では親友兼ライバルといった間柄。キカに拾われ、恩を返すために海賊となる。『美青年攻撃』、『海賊攻撃』の構成要員。
- ジャンゴ
- キカとは別の海賊団を組織。海戦のエキスパートだが、風呂嫌いで滅多に入らない。
- ブレック
- ジャンゴの弟分。海戦のエキスパートだが、こちらも風呂には滅多に入らない。
[編集] 紋章砲
- ウォーロック
- 魔法兵器「紋章砲」を生み出した魔法使い。紋章砲について多くを語りたがらない。
- パブロ
- ウォーロックに憧れて紋章砲の研究家になる。後に弟子入りし、その高等技術を学ぶ。
[編集] オベル王国
- セツ
- オベル王国の重臣で執事的存在。活動的な王族の突拍子も無い行動にいつも頭を痛めている。基本として小心者であり、罰の紋章を宿している4主人公を危険視しているため、一部の仲間の怒りを買いやすいが、実際は王国のことをいつも第一に考える忠臣である。
- デスモンド
- オベル王国の役人。王家の手足となって実務や雑用などを行う。気が弱く頼りない感じであるが、エレノアに付いて回るなどの勉強家でもある。
- ハルト
- 腕の良い航海士。しかし面倒くさがりやのため海図の作成という名目でさぼっており、いざというときにしか自ら舵はとらない。
- ニコ
- 船の見張り役の青年で、真面目で礼儀正しい。その視力は超一級品であるらしく、見張りの弟子志願のウェンデルもいる。
- トーブ
- 王に頼まれて船(本拠地)の設計者に。年齢にそぐわない落ち着いた風貌と言動。
[編集] オラーク海運
- ラマダ
- クレイ商会傘下の海上運送業者「オラーク海運」の代表。当初クレイに従っていたが命を保障することを条件に、主人公に助力するようになる。部下思いのいい上司である。
- アカギ
- 元いた忍者の里が滅ぼされ、行く当てがなかったところをラマダに拾われる。明るい性格で仲間思い。
- ミズキ
- 元いた忍者の里が滅ぼされ、行く当てがなかったところをラマダに拾われる。寡黙で生真面目だがラマダ曰く「精神的に脆い部分がある」。
[編集] 決闘詐欺
- ミツバ
- 金稼ぎの為に詐欺まがいの決闘をしている少女。大剣使い。
- ラインホルト
- シリーズ初施設「訓練所」を担当。ミツバに弱みを握られ、詐欺に加担していた。戦闘では『いぶし銀攻撃』構成要員。
[編集] ネコボルト
- チープー
- ネコボルト族の若者。大商人になる日を夢見て、働きながら世界を放浪している。好きなものは日なたとチーズ。
- ナルクル
- ネコボルト族。ネコボルトの集落近郊でスリを行って生活しているが、いつか身を立てて成功する事を夢見ている。
- チャンポ
- ネコボルト族。ナルクルの弟分で、特技はネズミ捕り。
[編集] エルフ
- セルマ
- ナ・ナル島エルフ村の武人。人間に対して敵対感情は持っていない。主人公たちを助けたことから村を追放される。
[編集] 人魚
- リーラン・リーリン・リールン・リーレン・リーロン
- 人魚の5姉妹。「アクセサリーショップ」を担当。リーロンが長女で、以下レ→ル→リ→ラ。
[編集] 本拠地施設街
- フンギ
- ガイエン海上騎士団のコックだった。各人の栄養状態を考えながら料理をつくるので評判は良い。
- シャドリ
- 兜収集が趣味の「道具屋」。王の命令で、本拠地に最初から居る。
- アドリアンヌ
- 「鍛冶屋」見習いの少女。まだ半人前と言うが、その腕前は確か。
- ケヴィン
- 「まんじゅう屋」を営む。島をクールークに滅ぼされ、少しでも群島の役に立ちたいと仲間に。
- パム
- ケヴィンの妻。夫婦で「まんじゅう屋」を営む。
- ナボコフ
- 「鑑定屋」の主人。骨董品をなんでも鑑定してくれる。
- バン
- シリーズ初施設「福引所」担当の老人。ネコボルトの毛が苦手。
1等の球を入れないなどズルをしていた
[編集] 本拠地施設(その他)
- ルイーズ
- 謎の多い女性。ナレオの実母。夫と死別した際にナレオをダリオに預け、姿を消した。オベルの巨大船でサロンを管理していて、「メンバー交換」を行う。きっちりしていて細かいことに気配りが出来ることは少年期のナレオの性格に現れている。
- タイスケ
- シリーズお馴染み「風呂」担当。世界の温泉めぐりが趣味の、気のいい男性。
- マニュ
- 4代目「えれべーた」開発・管理者。セルゲイよりも150年早くえれべーたを開発し、現在のところ幻想世界最初の「えれべーた」発明者。
- アグネス
- 最後にメンバー交換を担当する。エレノアの弟子兼世話係で身の回りの世話一般は全て行っている。中華風の少女。
- デボラ
- 占い師。主人公の複雑な相に興味を覚え味方につく。その能力を生かし、仲間になっていない人物がどこにいるか、ヒントを教えてくれる。
- ラクジー
- 素直な少年。かつて父親が罰の紋章を継承し、命を落とした。島から本拠地への小船での「移動」を引き受ける。リキエの息子。
- キーン
- シリーズ初施設「懺悔室」担当の老人。シグルドの命を狙う暗殺者だった。
- ペコラ
- 「装飾部屋」担当のカリスマ主婦。インテリアの大家。
- ナタリー
- 「窓職人」の少女。故郷イルヤをクールークに滅ぼされる。
- ペロー
- 「壁新聞」発行担当の新聞記者。自ら小説も書く。
[編集] 本拠地ゲーム要員
- リタ
- 麻雀に類似したゲーム「リタぽん」を担当。巨大ハンマーを武器に戦闘でも活躍する。『美少女攻撃』構成要員。
- ノア
- 「カードゲーム」担当の少女。人間だが、ネコボルトの耳と手をつけた扮装をしている。
- バジル
- ゲーム「ベーごま」担当する少年。主人公たちラズリルメンバーとは幼馴染。
- ギュンター
- シリーズお馴染みのゲーム「ちんちろりん」担当。
- イーゴリ
- 「コインゲーム」担当。山賊三兄弟に経営していた温泉を乗っ取られた、運のない男。
[編集] その他(108星)
- ヘルムート
- 敵国クールークの青年将校。国家に忠実であるがそれ以上に部下思いで、部下の命を助ける為に群島側に協力を申し出る。約束は厳守の義理堅い人物でもある。『美青年攻撃』構成要員。
- マキシン
- 主人公の命を狙う暗殺者であったが、その後仲間に。かなりの実力派。
- ミレイ
- ラインバッハ3世の許婚にされ、逃げ回っていた少女。助けられてから主人公に好意を寄せているらしい。『美少女攻撃』構成要員。
- ジェレミー
- 流撃剣という剣術を操る剣士。決闘でミツバに負けたことがあるらしい。『裏美青年攻撃』要員。
- トラヴィス
- 人嫌いの無口な青年。『裏美青年攻撃』要員。
- トリスタン
- 自称病弱な青年。元オベル兵士。『裏美青年攻撃』要員。
- ゲイリー
- 夫婦安住の地を求めて旅をしている。髭と風貌がマクシミリアンそっくりであることと、正義感が人一倍強いこと、エンディングで赤月帝国に向かったとしていることからマクシミリアン家の祖ではないかとの憶測も飛び交っている。
- エマ
- ゲイリーの妻。夫に寄り添って生きている良い妻の典型的な姿。夫ととても仲が良い。
- ウェンデル
- 見張りになるのが夢で、ニコを兄貴と慕っている少女。男言葉で話す。
- リキエ
- かつて罰の紋章を継承した夫を失う。ラクジーの心優しき母。
[編集] その他(108星以外)
- グレアム・クレイ
- 群島諸国全域を勢力圏とする商船会社「クレイ商会」の会長。冷酷無比で自らの利益のためならどんな卑劣な手も使う。かつてエレノアの下で軍師としての手ほどきを受けた過去を持つ。かつて、罰の紋章に寄生された際に切り落としたため、左腕は義手である。自分のミスによって息子が罰の紋章を身に宿し、死亡したことがトラウマになっている模様。以前はパン作りの名人だったらしい。
- グレン・コット
- ガイエン海上騎士団団長。厳格かつ包容力があり、常に自身で後進の指導を行う。罰の紋章の力により命を落とす。実はカタリナの父だが、カタリナが真相を打ち明けなかったこともあってか、最後まで彼女との親子関係に気付かなかった。
- フィンガーフート伯
- ラズリルの領主でガイエン公国の地方貴族。本名、ヴィンセント・フィンガーフート。交易や海上騎士団からの収益で莫大な富を築く。親バカ。スノウの判断ミスのせいでラズリルがクールークに占拠された後、スノウを残してガイエン本国に亡命する。根っからの悪人ではないが、性格は傲慢かつ横暴。
- シュトルテハイム・ラインバッハ2世
- ミドルポートの領主。元々はフィンガーフート伯と同じくガイエン公国の地方貴族だったが、ミドルポートがガイエンとクールーク皇国の戦争後にクールークの占領を経て、独立したことで一国の主となった。領主としての手腕はかなりのものだが、強欲な性格の持ち主で、自身の利益やミドルポートの繁栄の為ならばあくどい手段も持さない。
- 群島諸国各島と積極的に交易を推し進める一方で、お抱えの老魔法使いウォーロックに作らせた紋章砲を輸出。その一部は、オラーク海運名義でミドルポートから搬出後、クレイ商会を受け取り窓口にしてクールークに送られている。
デイジーちゃんという巨大な海洋生物を溺愛していたが、息子のラインバッハ3世からは『汚い物』と陰口を叩かれていた。
- トロイ
- クールーク皇国の上級将校でかつてガイエン軍を壊滅に追い込んだことがある。4主人公との最後の一騎打ちに敗れた後、行方不明になる。
- コルトン
- ヘルムートの父で、クールーク皇国の老将。トロイの部下でもある。頭が固く、たとえクレイがクールークにとって危険な存在であり、主人公やエレノア達が彼と戦っているとわかっていても、最後まで仲間にはなろうとはしなかった。ただひたすら国家のために忠誠を誓っている。クールーク敗北後、行方をくらます。
- 総督
- クールーク艦隊とエルイール要塞の責任者で、トロイやコルトンの上官。前総督時代よりの南進政策を推し進めるが、そのための助力として頼っていたクレイの手によってエルイール要塞の地下牢に幽閉され、死亡した。
[編集] 複数作品登場キャラクター
以下の人物は、幻想水滸伝のキャラクター一覧を参照。
- テッド
- レックナート
- ビッキー
- ジーン
[編集] キャッチコピー
108人の待つ海へ。それは冒険か、出会いか。
[編集] 外部リンク
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