小沢昭一の小沢昭一的こころ
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『小沢昭一の小沢昭一的こころ』(おざわしょういちの おざわしょういちてき-)は小沢昭一がパーソナリティを務めるラジオ番組である。TBSラジオをキーステーションに全国JRN加盟各局ネットで平日に放送されている。1973年1月8日に放送開始。以降、幅広い世代から熱狂的人気を獲得している。
放送時間は全国各地で異なる。また、以前は早朝で現在は夕方に放送されている局があれば、以前は夕方で現在は昼間に放送されている局もあったりと、流動的である。 番組開始当初~1998年4月3日の期間は、"トヨタ自動車とトヨタディーラー"(現在の呼称は"トヨタの販売店")がスポンサーであった。
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[編集] 概要
出演者は小沢ただ1人。小沢が、“口演”と称して、週代わりのテーマに沿って軽妙で痛快なトークを、薀蓄たっぷりに展開する。副題は『―について考える』となる。テーマは、社会、都市、歴史、民俗、風俗、食文化、その季節の話題等々、森羅万象に及ぶ。セックス、インポテンツ、遊郭、遊女等、かなり際どい話が飛び出す事も少なくない。しかし、普通ならば極めて下品になりそうなこれらの話題も、小沢がさらりと語ると、それ程嫌らしくはない。
語り口は講談の様であり、落語の様でもある。宮坂お父さん(「サラリーマンの宮坂さん」や「宮坂薬局店長の宮坂さん」として登場することが多い)と言うキャラクターを主人公にした一人コントも出て来る。正に「小沢節」としか形容できない、唯一無比の話芸である。また、番組プロデューサー坂本氏を戯画化した「能天気プロデューサー」、宮坂お父さん行きつけのバーの「麗子ママ」と「詩人のヒモ(タロウ)」宮坂お父さんの子供である「とおる」「ななえ」などといったキャラクターも時折登場する。
小沢は台本を読んで喋っている。しかし、小沢の喋りの余りの自然さで、「紙を見ないで喋っている」「筋書き無しで喋っている」と思っているリスナーも居る。
また、この番組で放送された内容を書籍化した「小沢昭一的こころ」が発売されている。
更に、この番組の中で小沢本人が歌った様々な歌などを収録したCD(「歌う小沢昭一的こころ」シリーズ)なども発売されている。
[編集] 構成
- 最初に藤田恒美(元TBSアナウンサー)によるタイトルコールの後(CBCは別で、提供クレジットを言うアナウンサー(恐らく、南部志穂))、各局アナウンサーによる提供クレジットが入り、CM。
- ただし、TBSラジオでは大沢悠里のゆうゆうワイドに内包されているので、CMの後に小沢によるタイトルコール「大沢悠里のぉ~ゆうゆう~ぅ~ワ~イド~ぉ~。小沢だぁ。」が流れ、その直後大沢が現在時刻を言って、番組タイトル名と提供スポンサーを読む。
- 主題曲(小沢の歌う「明日(あした)のこころ」のインストルメンタルで、主旋律が1回(琴のみ)のバージョンと2回(口笛も)のバージョンがあり、話の長さによって曲の長さを変えている)が流れて、もう一度藤田によるタイトルコール。今週のテーマを言って、クレジットタイトル。*小沢のトーク。途中で「きょうは―について考えておりますが。」(あるいは「―考察ですが。」※ 月曜日は「―について考えるという一週間です!」)と小沢がコールした後トークが休止して、挿入曲が流れる。
- 挿入曲が終了後メイントークに入りメイントークが終わると、挿入曲が流れCM(TBSはイベント案内、番宣)。
- メイントークは宮坂お父さんとその家族(奥さんは「宮坂お母さん」、息子の名前はトオル・娘の名前はナナエ)というのが決まりになっている。
- 最後に30秒程の締めのトーク。番版ネット局はこの前に提供クレジットが入る(CBCでは番組名も言う)。お別れの挨拶は、月曜から木曜までが「明日の―(その週のテーマ)の『こころ』だぁー!」(ないしは「(テーマ名)について考える。また明日のこころだぁ!」)で、金曜は「来週の『―について考える』の『こころ』までー!」。となり副主題曲が流れて終了する。(※極まれに「…『こころ』だぁー!」で締めるケースがある。)エンディングの「お相手は小沢昭一でした」のコメントは殆ど入らない。
- TBSでは締めのトークが終了すると、大沢が「小沢昭一の小沢昭一的こころでした」と番組名と提供スポンサーを読んで終わる。
- CBCではお別れの挨拶の後に、次の番組『小堀勝啓の心にブギウギ!』の宣伝・情報を流す。
- 最後の挿入曲(主題曲にちなむ)・副主題曲は主旋律が口笛だったりピアノだったりと、数バージョンある。
[編集] トヨタ提供時代の構成
- 最初に藤田恒美による提供クレジット(「この番組は、愛される車を目指すトヨタ自動車と、トヨタディーラーの提供でお送りします」)の後、CM(40秒)。つまりこの段階では、単発番組として放送される局の多くでは、常連でないリスナーには何の番組か分からないことになる。
- 主題曲が流れて、藤田によるタイトルコール。今週のテーマを言って、クレジットタイトル。
- 小沢のトーク。途中で「きょうは―について考えております。」(※現在の数々のフレーズはトヨタ提供時代から不変)と小沢がコールした後トークが休止して、挿入歌が流れる。
- 挿入曲が終了後メイントークに入りメイントークが終わると、挿入曲が流れCM(40秒)。
- CM明けには2分30秒程ローカルコーナーがあり(週替わりのアーティストによる日替わりのBGMに乗せて、各ネット局は交通情報や天気予報を挿入していたが一部局はBGMをそのまま流していた。)、最後に30秒程の締めのトーク。お別れの挨拶は、月曜から木曜までが「明日の―(その週のテーマ)の『こころ』だぁー!」で、金曜は「来週の『―について考える』の『こころ』までー!」の後副主題曲が流れてCM(40秒)。
- 後の提供クレジットは各局に異なっている。
- 末期(1996年4月~1998年3月)は順番がトヨタディーラーとトヨタ自動車となったため、クレジットのオープニングが「この番組は、トヨタディーラーと愛される車を目指すトヨタ自動車の提供でお送りします」に、エンディングが「小沢昭一の小沢昭一的こころ、トヨタディーラーと愛される車を目指すトヨタ自動車の提供でお送りしました」(いずれも藤田恒美)に変更された(エンディング時のみ番組名が入っていた)。
- TBSの場合は、どのワイド番組時代も開始直前に冒頭で「続いては小沢昭一さんです。」と言った後に提供クレジットだった。なお「東京ダイヤル954」の時代はネットワークより数分早く放送していた。
- 番組後期までのフィラーは、トヨタ自動車のイメージソング「この道を行くトヨタ」のインストバージョン(らしい)を何回もつぎはぎしたものが使われいた。一部のネット局では番組の最後に余った15秒弱の間フェードインさせて穴埋め用として流していた。現在のフィラーは5代目になる。
[編集] トヨタ提供時代の放送時間の変貌
- 最初は午後5:45からスタート。その後、直後のニュース番組(「ニュースハイライト」→「ネットワークTODAY」)が前倒しされるのに合わせ、午後5:40になり、5:30になり、1993年4月より5:15になり、1998年4月よりスポンサーの意向で夕方の全国ネット枠から姿を消すこととなる。5:15から放送されることになった第一週目は、「5時15分について考える」というタイトルだった。
- なお、ABCでは5:30(後に5:15)時代の「ニューススタジアムABC」に内包した期間のみ、テープネットによる時差放送を行い、アナウンサーの進行次第で5:35(同5:20)頃の開始になる事が多かった。そのため、他地域では後続だった「ニュースハイライト」→「ネットワークTODAY」(MBSがネット。但しその頃は既にMBS独自でニュースを放送していた。{ニュースハイライト参照})と放送時間がバッティングしていた。この珍現象は「ニューススタジアムABC」の内包が無くなった時点で消滅した。(ステレオ放送開始の頃からABCの番組打ち切りまでは、ラインネットがモノラル放送だったため、放送時間が固定された期間でもテープネットでステレオ放送していた)
[編集] エンディングの提供読みについて
- エンディングの提供読みでは、青森放送・山形放送や中部日本放送の様にエンディングの締めトーク前に言う放送局と、北海道放送・IBC岩手放送・東北放送・TBSラジオの様に本編のトーク終了後に言う放送局と二通りある。
[編集] 出演者
- パーソナリティ - 小沢昭一
- お囃子(音楽) - 山本直純
- 筋書き(脚本) - 津瀬宏(番組開始当初のメインライター)、木谷恭介(過去)、 宮腰太郎(現在のメインライター)、大倉徹也、水根重光、林旭、山本よしひろ、石川雄一郎
[編集] 全国オンエア局一覧(放送時間別)
10:00~10:10
- OBS大分放送
11:20~11:30
- KNB北日本放送
11:45~11:55
- RAB青森放送 提供:味の加久の屋(週通し)・その他曜日別のスポンサーが付くが「味の加久の屋」単独提供の曜日あり。
尚、当番組終了直後のヒッチハイクCMは、大方『吉野家』か『スーパードーム 中央店』(パチンコ屋)のCMが流れる。 - MRT宮崎放送 提供:宮崎県農協果汁・アペル
12:10~12:20
- YBS山梨放送
12:15~12:25
- IBC岩手放送 提供:盛岡ガス(月・水・金)・いんべクリーニング(水)・仕出しの志百家(金)
12:20~12:30
- TBSラジオ&コミュニケーションズ 提供:東京インテリア家具(火・木)
12:45~12:55
- JRT四国放送 提供:サンピアゴルフクラブ・ルノーネクストワン徳島(火・木は二コマ)・シューズショップたけだ(月・水・金)
12:50~13:00
13:25~13:35
14:00~14:10
- MBC南日本放送
14:40~14:50
15:30~15:40
- KRY山口放送
15:32~15:42
15:40~15:50
15:50~16:00
16:25~16:35
- NBC長崎放送
16:30~16:40
- YBC山形放送 提供:月山酒造 ほか各社・「月山酒造」単独提供の曜日あり(尚、エンディングの提供読みにはBGMが流れている。)
16:35~16:45
16:40~16:50
- HBC北海道放送 提供:川崎近海汽船(2006年9月までは加藤雅章の夕刊ほっかいどうに内包し16:42頃からの放送だった。)
18:10~18:20
18:15~18:25
18:20~18:30(最終発局)
[編集] 以前ネットしていた放送局
- ABC朝日放送(トヨタがスポンサー降板する1998年3月までネットしていた)
- RSK山陽放送(TBSでの時間変更後は2002年4月から2006年3月31日までネットしていた)
- RCC中国放送(TBSでの時間変更後は2005年4月から2007年3月30日までネットしていた)
- RNC西日本放送(1999年10月~2000年3月、2004年4月~2005年3月までネットしていた)
[編集] 番組についてのエピソード
全国同時ネットとしての小沢昭一的こころが打ち切りになった後の1999年頃、TBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」に小沢本人がゲスト出演した時に、番組打ち切りの理由についても触れ『スポンサー(トヨタ自動車)が、(スポンサーを)降りやがったんだよ』と小沢自身が語っていた。どうやら、これが番組打ち切りの真相らしい。
[編集] 脚注
- ^ SBSでは2005年10月3日~2006年3月31日までの間ネット中止
- ^ WBSではトヨタがスポンサーから降板した1998年4月~2006年3月31日までの間ネット中止。また、一部の中継局はローカル番組優先のため、1998年4月~現在までネットしていない。
[編集] 外部リンク
- 公式サイト‐インターネット放送でも聞くことができる。但し、歌を中心としたテーマで番組内で小沢本人が歌を歌う週(この週の筋書き担当者は大倉徹也であることが多い)は、音楽著作権の関係上から更新されない。
[編集] 番組の変遷
TBSラジオ・JRN系列 月~金17:45-18:00→17:40-17:55→17:30-17:45→17:15-17:29(通称トヨタ提供枠) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
三菱ドライビングポップス
※放送時間の変更とともに10分ずつ繰り上がり |
小沢昭一の小沢昭一的こころ
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