室山まゆみ
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室山 まゆみ(むろやま まゆみ)は、姉妹コンビの日本の漫画家。熊本県出身。熊本女子商業高等学校(現:熊本国府高等学校)卒業。
目次 |
[編集] プロフィール
[編集] 漫画家としての略歴・特徴
代表作に『あさりちゃん』など。
実家の熊本で中学生の頃から姉妹で漫画を描き、雑誌の漫画賞等に投稿をしていた。何度か受賞した後、妹の真理子の高校卒業と共に上京。姉の真弓はOLをやりつつ漫画家デビューを目指す。
上京して1年後の1976年に姉妹共同名義の「室山まゆみ」として『別冊少女コミック』(小学館)「がんばれ姉子」でデビューした。
その後に幾度か読み切り作品を発表した後、「キントトちゃん」で小学館の学年誌でのデビューを果たし、1977年に初の連載作品「ハッピー・タンポポ」が開始される。さらに、1978年に室山の代表作である『あさりちゃん』の連載が開始され、人気を博する。以後、小学館の学年誌(『小学一年生』 - 『小学六年生』各誌)、『コロコロコミック』、『ぴょんぴょん』、『ちゃお』などで児童向けギャグ漫画を描き続ける。
同じコンビ漫画家としてはゆでたまごが原作担当と作画担当に分かれているのに対し、室山まゆみは2人とも話と絵の制作に関わる。ちなみに下絵担当は妹の真理子、姉の真弓はペン入れを担当している。
デビュー当時は、室山姉妹は「ゆみまりこ」というペンネームを使っていたが、当時の編集部の担当者がペンネームが嫌いな人間であった為に、勝手に姉の本名「室山まゆみ」名義で作品が発表されてしまい、以後変更しないまま現在に至っている、というエピソードが伝わっている(室山はペンネームの変更は出来ない、と思いこんでいたらしい)。その為、初期の読者は作者が二人だと言う事を知らない人間が存在していた。
もともとは少女漫画家あるいはホラー漫画家志望でありギャグ漫画は得意では無かったが(実際、室山はデビュー前はギャグ作品を数話しか描いたことがなかった)、初連載の時、編集部からの要望でギャグ作品を書く事になる。これがヒットし、その後も代表作となる『あさりちゃん』などで、30年近くに渡り児童向けギャグ漫画を描き続ける事になり現在に至る。短命が多いと言われるギャグ漫画家の中でこれは希有の事であり、年数だけならば秋本治に匹敵する程の長期連載を誇っている。代表作『あさりちゃん』もてんとう虫コミックスでは最長の発巻数を誇っており、2008年5月現在で86巻までが発行されている。
作風として過激なギャグにも少女漫画風の美形が多数登場したり、本格ホラー的なストーリーが多数あったりと、 かつての少女漫画家あるいはホラー漫画家志望を強く思わせるものが多い。
サービス精神が豊富でコミックスの巻末や話の区切りに、近況報告やお手軽料理の紹介、読者の質問に答える書き下ろし漫画等を掲載しており、ファンから好評を得ている。またコミックスの書き下ろしが多い事でも有名であり、連載ですでに収録された作品を読んでいる読者にも充分楽しめる様配慮されている。この『作者のぺえじ』では二人共年齢を人に知られるのが嫌いと言っているが、自分からネタを振っている事も多い。
過去に読者から「内容が理解出来ない」「あさりちゃんの面白さが分かるようでないと高校生とは言えない」等とコメントが寄せられ、内容が子供向けになっていない事、子供にも分かりやすいストーリー展開になっていない事が悩みの種になっているようであり、世代間のギャップに苦しんでいるようである(しかし、この悩みは少年・少女向け漫画家共通の悩みともいえる)。
また漫画だけで無く小説も幾らか出しており、これらの小説はボーイズラブの趣きがあるようである。
第31回(昭和60年度)小学館漫画賞受賞(『あさりちゃん』)。
[編集] 人物
- アシスタントは基本的に取らない方針で、常に2人で作業をしている(本当に忙しい時に一時的に読者からアシスタントを募った事はある)。
- かなりの酒豪であり、姉妹で1か月のビール消費量が120本を越えた事がある。
- ダイエット経験が多く、話題になったダイエット方法には殆ど挑戦している。漫画の中でも小学生向けに関わらず、ダイエットに絡んだエピソードが数多く登場する。また、妹の真里子はパイナップルダイエットのし過ぎで、パイナップルアレルギーになったらしい。
- 姉妹とも食品アレルギーがあり、特に肉・赤身の魚がダメらしい。
- 好物はエビフライとスパゲッティで『あさりちゃん』の作中でもエビフライが絡むネタが存在する。
- 姉の真弓は幼い頃に煙草で瞼(まぶた)を火傷しており、その為か、二人とも嫌煙家であり仕事場は全て禁煙としている。
- 学生時代からあだ名や呼び捨てで呼ばれるのを嫌っており、同級生に「ちゃんと名前で呼んで」「さん付けで呼んで」と言っていたらしいが(これは家庭でも両親からさん付けで呼ばれて育った事に起因すると思われる)、現在は漫画の中で「まゆみかん」「おまりんご」と自分でニックネームをつけているなど、考え方が多少変わったらしい。
- ギャグ漫画家へ転向した動機は、デビュー当時、少女漫画とギャグ漫画を掛け持ちで活動しようとしてたが、当時の編集者に「二足の草鞋だと、どっちも下手のまま伸びない」と説得されギャグ一本に専念する事を決心した、と言うのと、雑誌社から来た初連載の話がギャグ漫画だったから、と言う二つの説がある。
- 学生時代、同人誌でやおい物を描いていたらしく、自身のファンクラブでその時の原稿を販売した事がある。
[編集] 作品
※一部書籍に代表作「NEXT ONE」と書いてあるがそれはチャップリンの真似で「NEXT ONE」という作品があるわけではない。
[編集] 漫画
[編集] 単行本収録作品
- あさりちゃん
- やんちゃでお転婆な女の子浜野あさりの騒がしい日常を描いたギャグ漫画。秀才の姉タタミや怖ーいママ、さんごとのハチャメチャな展開が見所。主役のタタミ・あさり姉妹の誕生日と血液型は作者自身と全く同じ日付となっている。1978年から長期にわたって学年誌に連載中。また、本作のテレビアニメ版は東映アニメーション制作で1982年にテレビ朝日系にて放送され、1983年には同社制作で『あさりちゃん 愛のメルヘン少女』としてアニメ映画化もされた。さらにテレビアニメ版のDVDがコロムビアミュージックエンタテインメントから発売された(2005年11月30日から順次発売)。浜野一家のモデルは作者の家族で、この事は単行本第1巻の作者紹介の作者コメントに記載されている(但し、後に作者は「私達が子供の頃はあさり達と違って大人しくて良い子でした」と語っており、この記述はそろそろ見直すべきではないかと言う発言もしている)。
- どろろんぱっ!
- 『ぴょんぴょん』で約5年間掲載され、てんとう虫コミックスの単行本が全5巻発刊された(現在では絶版)。また、1991年にシンエイ動画の制作でアニメ化もされ、テレビ朝日系で放送された。
- すうぱあかぐや姫
- 1986年より約4年間、小学館の学年誌に掲載され、てんとう虫コミックスの単行本が全3巻発刊された(現在では絶版)。
- あさりVSどろろんぱっ
- 『てんとう虫コミックススペシャル 室山まゆみ傑作集 (1)』として単行本が発刊された(現在では絶版)。
- Mr.ペンペン
- 1983年より約3年間、小学館の学年誌に掲載され、『てんとう虫コミックススペシャル 室山まゆみ傑作集 (2)』として単行本が発刊された(現在では絶版)。また、1986年にシンエイ動画の制作でアニメ化もされ、テレビ朝日系で放送された。アニメ版では『あさりちゃん』の浜野あさりがアサリ売りに扮してゲスト出演を果たしている。
- ペンギンぱあてぃー
- フラワーコミックス(小学館)より単行本が全2巻発刊された(現在では絶版)。
- ひよ子だあ~!
- 1982年より約3年間、講談社の『なかよし』に掲載され、『てんとう虫コミックススペシャル 室山まゆみ傑作集 (3)』として単行本が発刊された(現在では絶版)。本作は後述の「ハッピー・タンポポ」のリメイク版とも言うべき作品で、設定や登場人物の性格が酷似している。
[編集] 単行本未収録作品
- ハッピー・タンポポ
- 室山の初の連載作品で、1977年より約4年間、小学館の学年誌に掲載された。元気な小学5年生の女の子野々タンポポと親友の藪小路いばらが起こす騒動を描いたギャグ作品。
- くるりんモモンガール
- 1995年より2年間、小学館の学年誌に掲載された。
- 鬼門学園
- がんばれ姉子
- デビュー作品。
[編集] 小説
- おこげっ娘ラブ
- おこげっ娘パニック
- 双子の方程式
[編集] エッセイ
- ダイエットただいま全敗中!!
- 室山姉妹が過去に挑戦したダイエットの失敗談を紹介したエッセイ。
[編集] その他
自身が主催する自身のファンクラブ、「ざしきぶた倶楽部」(通称「ざぶ通」)が存在する。入会条件は「あさりちゃん」の単行本を買って読んでいる事(友達に借りて読んでいる等は無効)。単行本に入会方法が書かれている(重版では消されている可能性がある)。1年単位での契約で、会費は3000円前後である(これでも経費的にギリギリらしい)。入会すると作者発行の同人誌や過去の会誌を購入する事が可能で、隔月ごとに作者の近況が書かれた会誌が送られてくる。更新しなければ自動的に脱退となる。2007年現在では第8期目が終了し、単行本83巻の巻末で第9期目の会員募集について詳述されている。
[編集] 外部リンク
- ☆あさりちゃんのへや☆ - あさりちゃん公式ページ。作者紹介や分担方法の説明あり。