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国柱会（こくちゅうかい 國柱會）は、元・日蓮宗僧侶である田中智學（たなかちがく）が還俗して1884年（明治17年）に設立した、法華系の新宗教の団体。設立当初は立正安国会と名乗っていた。
[編集] 概要
かつては日蓮系教団の中のエリート集団と目され、入会はきわめて難しかった。「佐渡始顕の本尊」を日蓮の「出世の本懐」[1]として位置づけている。言論や文書において純正日蓮主義の実践（＝勅命国立戒壇の建設にもとづく日本国天皇による本門の戒壇）を主張した。明治36年（1903年）、日蓮を中心にして「日本國はまさしく宇内を靈的に統一すべき天職を有す」という意味の「八紘一宇」を『日本書紀』巻第三神武天皇の条にある「掩八紘而爲宇」から造語し、1913年（大正2年）3月11日に機関紙の国柱新聞に「神武天皇の建国」においても言及した。この思想は軍部を中心に社会に広く影響を与え、八紘一宇・五族協和思想のバックボーンの一つとして思想界に重要な役割を果たした。一方で、芸術を通して国民の啓蒙を目指す「国性芸術」の主張は、当時の芸術の世界にも一定の影響を与えた。政治の面においても立憲養正会を結成し、衆議院に議席を得ている。昭和初期になると天皇制ファシズムの興隆という世相を反映して、国柱会の思想的影響を受けた軍人・右翼の指導者が急増した。戦後はその政治的主張を徐々に薄めつつあるが、田中智學や信者、また東條英機などの遺骨を納める霊廟（殉国七士廟）を守り、独自の運動を続けている。昭和30年代まで日蓮正宗・創価学会も国立戒壇論を主張しており、日蓮系各教団に与える影響力は無視できない存在であった。高山樗牛・宮沢賢治・石原莞爾などを信者にもつ。
- ^ 「出世本懐（ほんがい）」という。本来は釈迦がこの世に出現した目的の意。「出世の素懐」・「出世の一大事」ともいう。「出世」は「出世間」の略。
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