吊り出し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
吊り出し(つりだし)とは、相撲の決まり手である。クレーンの愛称で知られた明武谷や、和製ヘラクレスの異名を持つ霧島が得意とした。
目次 |
[編集] 概要
両まわしを引きつけながら掴み、腰に力を入れ踏ん張って相手を吊り上げ、浮かせたまま土俵の外へ出す。相手の胴を直接掴む場合もある。太めの力士の場合、腹の上に乗せてしまうと、相手は反撃が難しくなる。吊り上げて土俵内で落として倒すのは吊り落としと呼ばれる。
なお、攻め込んでいても相手より先に土俵の外に足を出すと勇み足として負けになるが、吊り出そうとしているときは、相手の両足が地に付いていなければ、前へ踏み出した場合に限り自分の足が先に土俵から出てしまっても負けにはならない。後ろに踏み出した場合は完全に吊り上げていても負けとなる。
互いに相手を吊ろうとして土俵中央で踏ん張り合いになる場合もあり、観客も力のはいる場面である。明武谷-若浪-陸奥嵐の3者の対戦や千代の富士-若島津戦などはそのような展開がよく見られた。
この技で相手に勝利すると「豪快な決まり手」と評価されることが多い。
[編集] 吊りで有名だった力士
かつては若浪、陸奥嵐や千代の富士のように、小兵であっても鍛え上げた筋肉を生かして吊りを得意とする力士が多かったし、一方で鏡里や北の湖のように太鼓腹を生かして相手を腹に乗せて吊る力士も見られた。また明武谷のように高い身長を活かして一気に高々と吊り上げる力士もいた。陸奥嵐などは吊り出しが相撲人生を通じて最も多い決まり手であったし、吊りを標榜する力士はかつては多かった。
特に平成に入ってからは、力士の大型化・重量化が進み、それに伴って腰に負担のかかるこの技が見られることは次第に減った。琴龍が引退した今ではめったにみられない。2008年現在現役の力士では朝青龍、白鵬や把瑠都などが吊りを見せることがある。
[編集] 歴史に残る吊り出し
1990年3月場所6日目、この一番に前人未到の通算1000勝がかかっていた横綱千代の富士に、関脇だった霧島がこの技で見事「待った」をかけ、勢いに乗った霧島はこの場所13勝2敗で優勝同点の成績を残し、場所後大関に昇進した。
[編集] 関連項目
この「吊り出し」は、相撲に関連した書きかけ項目です。記事を加筆・訂正してくださる協力者を求めています(PJ相撲)。 |
基本技 |
---|
突き出し - 突き倒し - 押し出し - 押し倒し - 寄り切り - 寄り倒し - 浴びせ倒し |
投げ手 |
上手投げ - 下手投げ - 小手投げ - 掬い投げ - 上手出し投げ - 下手出し投げ - 腰投げ - 首投げ - 一本背負い - 二丁投げ - 櫓投げ - 掛け投げ - 掴み投げ |
掛け手 |
内掛け - 外掛け - ちょん掛け - 切り返し - 河津掛け - 蹴返し - 蹴手繰り - 三所攻め - 渡し込み - 二枚蹴り - 小股掬い - 外小股 - 大股 - 褄取り - 小褄取り - 足取り - 裾取り - 裾払い |
反り手 |
居反り - 撞木反り - 掛け反り - 襷反り - 外襷反り - 伝え反り |
捻り手 |
突き落とし - 巻き落とし - とったり - 逆とったり - 肩透かし - 外無双 - 内無双 - 頭捻り - 上手捻り - 下手捻り - 網打ち - 鯖折り - 波離間投げ - 大逆手 - 腕捻り - 合掌捻り - 徳利投げ - 首捻り - 小手捻り |
特殊技 |
引き落とし - 引っ掛け - 叩き込み - 素首落とし - 吊り出し - 送り吊り出し - 吊り落とし - 送り吊り落とし - 送り出し - 送り倒し - 送り投げ - 送り掛け - 送り引き落とし - 割り出し - うっちゃり - 極め出し - 極め倒し - 後ろもたれ - 呼び戻し |
非技(勝負結果) |
勇み足 - 腰砕け - つき手 - つきひざ - 踏み出し |
反則 |
不浄負け |