厚狭郡
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厚狭郡(あさぐん)は、山口県にあった郡。人口22,781人、面積89.89 km²。(2003年)
かつては、今の宇部市(岐波地区を除く)、山陽小野田市、下関市の東部(吉田、王喜地区)で構成されていた。
平成の大合併前の時点で、楠町と山陽町の2町で構成されていた。
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[編集] 歴史
[編集] 沿革
- 737年(天平9年) 古文書に厚狭郡の記載が最初に現れる。
- 1650年 長州藩の行政区画である宰判が設置され、郡内には、船木宰判と吉田宰判が置かれる。
- 1879年(明治12年) 郡区町村編制法施行により、現在の厚狭郡が誕生する。
- 1889年(明治22年)4月1日 町村制施行により、宇部、藤山、厚南、厚東、二俣瀬、小野、船木、吉部、万倉、高千帆、須恵、厚西、出合、生田、王喜、吉田の16村となる。(16村)
- 1917年(大正6年)9月1日 船木村が町制施行し、船木町となる。(1町15村)
- 1918年(大正7年)10月1日 厚西村が改称・町制施行し、厚狭町となる。(2町14村)
- 1920年(大正9年)4月3日 須恵村が改称・町制施行し、小野田町となる。(3町13村)
- 1921年(大正10年) 市制・町村制が制定し、郡制は廃止される。以後、地理的名称として残る。
- 1921年(大正10年)11月1日 宇部村が市制施行し、宇部市となり郡より離脱。(3町12村)
- 1929年(昭和4年)4月1日 出合村が厚狭町に編入される。(3町11村)
- 1931年(昭和6年)8月1日 藤山村が宇部市に編入される。(3町10村)
- 1938年(昭和13年)4月1日 高千帆村が町制施行し、高千帆町となる。(4町9村)
- 1940年(昭和15年)11月3日 高千帆町と小野田町が合併し市制施行、小野田市となり郡より離脱。(2町9村)
- 1941年(昭和16年)10月20日 厚南村が宇部市に編入される。(2町8村)
- 1948年(昭和23年)6月1日 生田村が改称・町制施行し、埴生町となる。(3町7村)
- 1954年(昭和29年)10月1日 厚東村、小野村、二俣瀬村が吉敷郡東岐波村と共に宇部市に編入される。(3町4村)
- 1955年(昭和30年)4月1日 船木町、吉部村、万倉村が合併し、楠町となる。(3町2村)
- 1955年(昭和30年)7月1日 王喜村、吉田村が下関市に編入される。(3町)
- 1956年(昭和31年)9月30日 厚狭町、埴生町が合併し、山陽町となる。(2町)
- 2004年(平成16年)11月1日 楠町が宇部市に編入される。(1町)
- 2005年(平成17年)3月22日 小野田市と山陽町が合併し、新たに山陽小野田市となり郡より離脱。同日、地理的名称としての厚狭郡消滅。
明治22年以前 | 明治22年4月1日 | 明治22年 - 昭和14年 | 昭和15年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和64年 | 平成1年 - 現在 | 現在 |
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宇部村 | 大正10年11月1日 市制 |
宇部市 | 宇部市 | 宇部市 | 宇部市 | |
藤山村 | 昭和6年8月1日 宇部市に編入 |
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厚南村 | 厚南村 | 昭和16年10月20日 宇部市に編入 |
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東須恵村 | ||||||
厚東村 | 厚東村 | 昭和29年10月1日 宇部市に編入 |
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二俣瀬村 | 二俣瀬村 | 昭和29年10月1日 宇部市に編入 |
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小野村 | 小野村 | 昭和29年10月1日 宇部市に編入 |
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船木村 | 大正6年9月1日 町制変更 船木町 |
船木町 | 昭和30年4月1日合併 楠町 |
平成16年11月1日 宇部市に編入 |
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万倉村 | 万倉村 | 万倉村 | ||||
吉部村 | 吉部村 | 吉部村 | ||||
西須恵村 | 須恵村 | 大正9年4月3日 町制変更 小野田町 |
昭和15年11月3日 合併市制 小野田市 |
小野田市 | 小野田市 | 平成17年3月22日 合併 山陽小野田市 |
高畑村 | 高千帆村 | 昭和13年4月1日 町制 高千帆町 |
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東高泊村 | ||||||
西高泊村 | ||||||
千崎村 | ||||||
有帆村 | ||||||
厚狭村 | 厚西村 | 大正7年10月1日町制変更 厚狭町 |
厚狭町 | 昭和31年9月30日 山陽町 |
山陽町 | |
郡村 | ||||||
鴨庄村 | ||||||
山野井村 | 出合村 | 昭和4年4月1日 厚狭町に編入 |
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山川村 | ||||||
埴生村 | 生田村 | 生田村 | 昭和23年6月1日 町制変更 埴生町 |
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福田村 | ||||||
津布田村 | ||||||
王喜村 | 王喜村 | 王喜村 | 昭和30年7月1日 下関市に編入 |
下関市の一部 | 下関市の一部 | |
吉田村 | 吉田村 | 吉田村 |
[編集] 海岸線の変遷
旧厚狭郡は、山陽小野田市有帆までが陸地であり、そこから南の方は海だった。江戸時代後期以降から、徐々に、有帆より南側が干拓で埋め立てられるようになった。