北島マヤ
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北島マヤ(きたじま まや)
北島マヤ(きたじま まや)は美内すずえの漫画『ガラスの仮面』に登場する架空の人物。主人公。千の仮面を持つと言われる天才女優。
俳優は、大竹しのぶ(1988年・舞台)、安達祐実(テレビドラマ)。声優は、勝生真沙子(1984年・アニメ)、緒方恵美(1998年・OVA)、小林沙苗(2005年・アニメ)。
ちなみに苗字の由来は、美内が主人公の少女につける名前を思案中、ラジオから流れてきた演歌が北島三郎だったことによる。
目次 |
[編集] 経歴
[編集] 生い立ち・性格
横浜中華街にあるラーメン屋の住み込み店員である母のもとで貧しい幼年期を過ごす。背が低く、格別美人でもなく、勉強もできないが、類い希な演技の才能を持っている。不器用な自分に劣等感はあるものの、朗らかで素直な性格。度々「どこにでもいる平凡な少女」と他人から称される。
役になりきるためにはどんな苦労もいとわず、一度舞台にたつと、役柄と完全に同一化して天才的な演技力を発揮する。
姫川亜弓とともに、月影千草から紅天女候補に認定されており、亜弓とは良きライバルである。理性の人である亜弓とは対照的に感受性が強く、そのため時に精神的に動揺して、舞台で失敗してしまうこともある。しかし、その型破りな演技は見る者に新鮮な印象を与え、強いインパクトを残す。
[編集] 劇団つきかげへ
往年の大女優月影千草にその才能を見出され、母親の反対を押し切り、家出して月影のもとで女優への道を歩む。劇団の仲間と友情を育み、千草の元で演技を磨いていくマヤ。決して慢心することなく、演技を磨くためにひたむきに努力する姿が多くの人々の胸をうつ。初めての発表会「若草物語」では、ベス役に抜擢され、高熱を押して出演、そのひたむきさは大都芸能の速水真澄の凍れる心を溶かし、「紫のバラの人」としてマヤにさまざまな援助をするきっかけとなった。
その後、全日本演劇コンクールの東京地区予選で亜弓と「たけくらべ」の美登里役を競演、同率1位という結果を得る。その後の全国大会では、仲間の裏切りによる一人舞台をこなし、審査対象からは外されたものの、一般投票では1位を獲得という結果を得るが、その強烈な存在感はときに共演者の演技を霞めてしまうこともあり、かつて月影と芸を競った名女優・原田菊子をして「舞台あらし」と呼ばしめ、畏怖させた。
経済的な理由から高校への進学は諦めていたが、紫のバラの人による支援で、演劇活動で有名な一ツ星学園高等部へ進学する。
[編集] 大都芸能へ~芸能界追放
諸事情により、千草から劇団からの破門を言い渡されたマヤは、「奇跡の人」のヘレン・ケラー役のオーディションを受けることを決意、見事亜弓とのダブルキャストという結果を勝ち取る。当初は亜弓と比較されることを怖れたが、自分のヘレンを演じ切り、アカデミー賞演劇部門の助演女優賞を獲得。受賞席の場で、亜弓とともに「紅天女」の正式な候補として発表される。
大河ドラマへの出演が決まったマヤは、正式に大都芸能の所属となる。
様々な嫌がらせを乗り越えながら、共演者の里美茂と恋愛関係になる。そして、突如現れた乙部のりえ。マヤの付き人となった彼女は、マヤの側でマヤの演技を吸収していく。
そしてマヤにもたらされた母の死の報せ。のりえの策略で、母が真澄に軟禁されていた事実を知らされ、そのショックで暴走族といたことが明らかになったマヤは、役を降ろされる。その後真澄の力でいくつかの舞台に客演するが、いずれも舞台の途中で台詞に詰まるなどの失態を犯したため、「役者失格」だとして事実上芸能界を追放されてしまう。
[編集] 芸能界復帰
芸能界を追放され失意のどん底にいたマヤは一時失踪するが、真澄に連れ戻され、大都芸能との契約を解除する条件として、亜弓主演の舞台に端役として出演することになる。この舞台でマヤが劇中で食べるまんじゅうを泥まんじゅうにすりかえられるという嫌がらせを他の出演者から受けるが、この嫌がらせがマヤの演劇に対する情熱を呼び戻す結果となり、マヤは舞台上で見事泥まんじゅうをおいしそうに食べてみせ、真澄と亜弓に演劇の世界から逃げないことを誓うのだった。それを見た真澄はマヤを劇団つきかげの仲間の元に送り届ける。
しかし、マヤには演じる場が残っていなかった(この時点で千草による破門処分はまだ解かれておらず、劇団つきかげには復帰できない)。学校の演劇部からも「プロ経験のある人はお断り」と入部を断られてしまう。開き直ったマヤは、学校の学園祭で一人芝居をしようと決意。一人芝居「女海賊ビアンカ」は成功を博し、2作目の上演も決定。演劇部からも定期公演への客演を依頼されるなど、徐々に活動の場を広げていった。
同じ頃、亜弓も一人芝居「ジュリエット」を上演していた。演劇への情熱は取り戻したものの、真澄に連れられ、「ジュリエット」を観劇したマヤは、亜弓との隔たりの大きさを痛感。亜弓は「ジュリエット」で芸術大賞を受賞、更に、千草が「紅天女」の後継者を亜弓に決定すると発表、マヤが2年以内に芸術大賞と同等の賞を受賞すれば、再び候補となるという猶予も残されたが、その事実はマヤに追い討ちをかけると同時に、「紅天女」への情熱をも開花させた。
その後、千草に劇団つきかげへの復帰を許可され、劇団つきかげ+一角獣が行った屋外公演「真夏の夜の夢」で圧倒的な観客動員を獲得するが、つきかげ+一角獣が大都芸能のバックアップを受けることになり、かつて大都芸能をクビになった経験のあるマヤはその計画から外され再び孤立。しかしこれは真澄の策略だった。その策略に乗せられる形で、亜弓主演の「ふたりの王女」の共演者オーディションを受けるマヤ。「千の仮面を持つ少女」の異名に相応しい演技力で他の受験者を圧倒、見事、王女アルディス役に抜擢される。
[編集] 紅天女候補へ
アルディス役を好演した後、いろんな芝居のオファーが来るが、その中で黒沼龍三の『忘れられた荒野』の主人公である狼少女・ジェーン役に惹かれそれを演じる事に。黒沼は演劇に熱が入るあまり会社との間でトラブルを起こす人物で、上演場所も廃屋じみた劇場での上演、おまけに同じ会社の別の芝居『イサドラ!』にスチュワート(ジェーンの家庭教師)役の桜小路優が危うく引き抜かれそうになるなど、マヤにとって逆境の連続だったが、それでもマヤ自身による山籠り特訓での成果や、速水真澄の裏から(紫のバラの人名義で劇場を改築)表から(『イサドラ!』の初日でマヤをわざと挑発させ『忘れられた荒野』に関心を向けさせる)のアシストで、紅天女候補復帰への条件である芸術大賞と同等の賞、全日本演劇協会最優秀演技賞を受賞し、紅天女候補に復帰する。それと同時にマヤは、真澄本人は気づいていないものの、台風の初日公演時ただ1人の観客であった真澄しか知りえない筈の事柄が、紫のバラの人からの祝いのメッセージに記されている事に衝撃を受ける。
紅梅の里で四大元素を基にした課題をこなしていくマヤ。その過程でライバルである亜弓が自分の本能に嫉妬していたことを知り驚くも、良きライバルとして再び闘うことを誓う。そして「紫のバラの人」とは真澄のことなのではないかという疑念はいつしか確信へと変わっていくのだった。
[編集] 主な出演作品
美内すずえによる架空の作品と思われるものには簡単なあらすじを付した。
[編集] 舞台
- 少女・ジーナが父の留守中に青いつぼを預かっために起こる騒動をミステリー風に描く。セットを壊される妨害にあいながらも成功を収める。
- 嵐が丘・・・キャサリンの少女期役
- 石の微笑・・・人形エリザベス役
- 財閥当主令嬢から莫大な財産を相続した人形をめぐる人々の愛憎劇。
- ヴェネツィアの良家に生まれた少女・ビアンカがたどる波乱の人生。
- 一人芝居・通り雨・・・佐藤ひろみ役
- 父親の浮気を知った少女の1日を淡々と描く。
- わが作品No.707愛しのオランピア・・・ルル役
- 風変わりな発明家がある老人のために孫娘そっくりの機械人形をつくったことで巻き起こる騒動をユーモラスに描く。マヤの役どころは機械人形のメイド。
- 北欧の小国を舞台に、何不自由なく育った王女アルディスと謀反人の娘として育てられた王女オリゲルドの葛藤。本来マヤはオリゲルド役のオーディションに合格しており、アルディス役は姫川亜弓の予定であった。
- 忘れられた荒野・・・狼少女ジェーン役
- 狼に育てられた少女・ジェーンと彼女を人間らしく育てようとする人類学者スチュアートの物語。実在の人物、アマラとカマラの逸話がモデルとみられる。
[編集] テレビドラマ
- 天の輝き・・・田沼沙都子役
- 幕末から明治の時代を生き抜いた一人の男の物語。マヤの役どころは、新時代に適応し、日本と外国との橋渡しをしようとする華族令嬢。
- アイフル大作戦(第7話)
- 電撃!! ストラダ5 (第10話)
[編集] 映画
- 白いジャングル・・・藤村未央役
- 行方不明の父親を探すために探検隊にもぐりこんで、探検に参加した少女の物語。子供向けの映画。
[編集] 広告
- 日向電機
[編集] 受賞歴
- アカデミー芸術祭助演女優賞(演劇部門)「奇跡の人」のヘレン・ケラー役で
- 全日本演劇協会最優秀演技賞 「忘れられた荒野」のジェーン役で