出前一丁
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出前一丁(でまえいっちょう)は、日清食品が1968年に販売を開始したインスタントラーメン。
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[編集] 概要
「出前一丁」という商品名は、家庭に出前をひとつ届けるというイメージからの命名と思われる。オーソドックスな醤油味のスープに、香りの良いゴマラー油を付けて販売を始めたのが特徴。オリジナルの日本でロングセラーの著名なブランドとなっているだけでなく、香港、台湾、中国大陸の上海などでも著名なブランドとなっている。
日本国内と、海外では生産している味のタイプが異なり、現在は海外の方が多くの種類を揃えている。日本ではしょうゆ味の袋麺と、丼型のカップ麺の2タイプとなっている。1995年頃の一時期、東日本ではゴマラー油をねぎ香味油に替えてリニューアルした事があるが、現在は再びゴマラー油に統一されている。
[編集] 香港の出前一丁
香港では1969年に日本から輸入する形で販売が開始された。そのため、パッケージは同じで、袋に書かれている商品名「出前一丁」を、広東語でチョッチンヤッテン、もしくは中国語でチューチエンイーディンと読んだ。漢字を使うが、名詞(出前)、数詞(一)、助数詞(丁)の順序も中国語(通常は数詞、助数詞、名詞の順)とは異なっているため、全く意味不明の語(強いて中国語で理解しようとすると、「出る前に一切れ」となる)のまま定着し、現在も同じ商品名で現地生産されている。
現地生産化にともなって、従来から、「海鮮味」や「牛肉味」など、日本の出前一丁よりも多くの味のバラエティーを揃えていたが、最近はノンフライ麺の「出前一丁 中華生麺」やインスタントスープマカロニの「出前一丁 通心寶」といった、少しシリーズの幅を広げた製品での展開が行われている。スープマカロニにもゴマラー油が付いているところが出前一丁らしい。2006年現在香港では袋麺だけで25種類が販売されており、読売新聞の報道[1]によれば、香港の即席めん市場の約5割を占めているという。
香港の茶餐廳と呼ばれる喫茶レストランでは、具入りのインスタントラーメンも食べられるが、オプションで出前一丁を指定することができる場合が多く、その場合は割増料金がかかる。ブランド品として、少し高く売られていることを反映した現象である。
[編集] マスコット
出前持ちをする少年「出前坊や」のイラストをパッケージに使用している。2004年までは岡持を左手で持っていたが、現在は右手に持ち替えている。出前坊やは、香港では広東語で「清仔」(チェンジャイ)と呼ばれている。
1993年から、出前坊やとその家族が登場するアニメCMが放送され、シリーズ化された。初期のアニメCMは出前坊やが劇画調に変身するシーンがあった。出前坊やの声優は女性が務めたが、劇画調に変身する際の声は古谷徹が担当した。
- 出前ファミリー
- 出前坊や
- 年齢は8歳。終助詞を「~じょ」と喋る癖がある。
- 出前パパ
- 年齢は45歳。先代から受け継いだ"秘伝ごまラー油"を守り続ける。
- 出前ママ
- 年齢は40歳。
- 出前ちゃん
- 出前坊やの妹。年齢は5歳。
- 出前ばあちゃん
- 出前パパの実母。年齢は70歳。
[編集] 関連商品
- 漫画本
- かっとび!出前坊や
- かっとび!出前坊や2
- ドラマCD
- 出前一家のナゾ
- CR出前一丁(ダイコク電機) - キャラクターに出前坊やを起用。
[編集] CMソング
「浪速のモーツァルト」といわれるキダ・タローが作曲。また、大瀧詠一も1980年代前半に担当。このオリジナルCMソングのエンディングの部分はキダ作品のカヴァーである。
[編集] 地方でのCM
広島県および山口県では、1990年代前半、地元プロ野球チーム・広島東洋カープの選手が出演するCMが放送されたことがある。
[編集] 脚注
- ^ 「「出前一丁!」…香港で日本のものと言えば」、読売新聞社、2006年8月4日。