佐世保市交通局
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佐世保市交通局(させぼしこうつうきょく)は、長崎県佐世保市でバス事業を行っている地方公営企業である。通称は佐世保市営バス。市民の間では単に市バスと呼ばれることもある。
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[編集] 沿革
- 1927年2月 西肥自動車から営業権の一部を買収し、自動車運送事業の免許を取得。
- 1927年3月 佐世保市土木課自動車係として事業開始(運行車両8両(西肥自動車より22,000円で譲渡)、運行区間は春日町~日宇駅前の本線と今福町などの枝線を含む約12km)。
- 1950年4月 一般貸切バス事業開始。
- 1952年10月 水道課(のちの佐世保市水道局)とともに公営企業化、佐世保市企業局交通課として自動車・交通船を管轄。
- 1954年4月 定期観光バス事業開始。
- 1955年7月 市港湾管理事務所より鹿子前観光港の観光船事業を移管。
- 1962年4月 佐世保市交通局となる。
- 1962年12月 定期バス俵ヶ浦延長を期に交通船を廃止。
- 1965年8月 ワンマンバスの運行開始。
- 1988年4月 長崎県内5事業者共通回数券を発売。
- 1994年7月 西海パールシーリゾートオープンに伴い、観光船事業を第三セクター「西海パールシーリゾート」に委譲。
- 2001年3月 ワンステップバスの導入。
- 2002年1月 全国初共通ICカード長崎スマートカード導入。
- 2003年3月 ノンステップバスの導入。
- 2004年3月 定期券を長崎スマートカードの機能と一体化する(定期券のICカード化)。
[編集] 営業所
- 駅前営業所(長崎県佐世保市白南風町7-38)
- 黒髪営業所(長崎県佐世保市黒髪町14-20)
- 矢峰営業所(長崎県佐世保市矢峰町157)
[編集] 案内所・定期券販売所
- 駅前案内所(長崎県佐世保市白南風町7-38)
- 島瀬定期券発売所(長崎県佐世保市島瀬町5)
[編集] 路線バス
佐世保市内の浅子地区、針尾島地区、三川内地区、広田重尾地区、柚木地区の山間部及び2005年以降に合併した吉井地区、世知原地区、小佐々地区を除く市内広域複数の路線を運行している。ただし、宮地区に伸びる長畑線は1日2往復の閑散路線で、土日祝日は運休する。基本的には佐世保駅を中心に路線を展開しており、住宅の密集している天神地区・山手地区などでは、複雑な循環路線なども多数運行している。国道35号沿いは同じ方面に向かうバス(佐世保駅前行きや矢峰行き等)が何台も並んで運行しているのが見受けられる。長らく西肥バスとは運行路線の重複も少なく、両社とも路線のすみ分けが確立していたが、2002年、規制緩和の影響で西肥バスがもともと市営バスの単独路線であった黒髪~もみじが丘線、佐世保実業高校線に参入。それを皮切りに、2005年、これも市営バスの単独路線であった国道35号の裏通りで住宅街も多い大宮町経由に参入してますます競争が激しくなっている。2006年10月1日からSUNQパスを利用して乗車できるようになった。
バス停の配置も複雑で、路線図には「松浦町」と一括表記されている松浦町のバス停も、実際は「松浦町中央公園口」・「松浦町国際通り」・「松浦町名切グランド前」と3箇所に分散している。同様に大和町や京町、島瀬町バス停も経路別に違う。常用漢字表記を遵守しており、西肥バスの「牽牛崎入口」に対し「けん牛崎入口」と異なっている。同様に「うど越(鵜渡越)」・「おしの浦(鴛の浦)<現在は方向幕を除き、漢字表記に改められている>」などがある。
[編集] 方面・行先の表示
特に運行頻度が高い路線や経由地が複雑な路線などは、アルファベットに分類して行先方向幕右側に表示している。これは、米軍からの要請により始まったもので、当初は米軍より提供された方向板をバスの前面ウインドウに立てかけて表示していた。
表示 | 経由地(方面) | 主な行先 |
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黒髪 | 黒髪、木場入口、上木場 |
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大宮・天神 | 天神循環、十郎原、東浜、海自教育隊前 |
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大黒 | 天神循環、海自教育隊前 |
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矢峰 | 矢峰、柚木 |
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大野 | 大野、佐世保商業高校 |
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大野 | 相浦桟橋、真申 |
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日野またはSSK | 相浦桟橋、真申、小野町 |
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赤崎 | 下船越、俵ヶ浦(※白浜) |
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石岳動植物園前 | 下船越 |
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日野峠 | |
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佐世保駅前 |
その他の路線は、経由地と行先のみを表示している。
[編集] 車両
4メーカー導入しており、日産ディーゼルといすゞ自動車が多く、三菱ふそう、日野自動車の順である。富士重工業や西日本車体工業製の車両も在籍している。
現行の一般路線車の塗装はクリーム色地に赤、薄青色の帯。1985年から1987年ごろに導入された車両はクリーム色地に緑色濃淡の帯である。
年式が古いバスも多数在籍しており大事に扱われている。
[編集] ターミナル
主なターミナルは、佐世保駅前にある。
- 1番のりば:快速西海パールシーセンター前(有料シャトルバス)
- 2番のりば:矢峰、柚木
- 3番のりば:黒髪、(椿ヶ丘・もみじが丘経由)食品団地、木場入口、大岳台循環(卸団地・尼潟)、早岐(下の原、長畑町)、若葉、エコスパ佐世保、上木場
- 4番のりば:大野、佐世保商業高校、(大野・中里経由)相浦桟橋、(大野・中里経由)真申、桜木、天久保、知見寺、赤木、小川内
- 5番のりば:高梨・花園・俵町循環、清水循環、(比良町経由)日野峠、弓張岳展望台、烏帽子岳
- 6番のりば:(日野、SSK経由)相浦桟橋、小野町、木宮町、相浦製氷会社前、真申、鹿子前観光船桟橋(西海パールシーセンター前)、佐世保実業高校、長崎短大・九文高校、日野峠
- 7番のりば:下船越、赤崎団地、俵ヶ浦(※白浜)、つくも苑、(西小島・石岳動植物園前経由)鹿子前観光船桟橋、SSK西門口、おしの浦分道
- 8番のりば:天神循環(大宮・大黒・東山)、十郎原、東浜、海自教育隊前
- 9番のりば:沖新町、(沖新町経由)東浜
- 10番のりば:木風、前畑、臨時(競輪場他)
- 11・12番のりば:欠番(西肥バスが使用)
- 13番のりば:定期観光バス(13番のりばのみ佐世保駅東口ではなく、みなと口にある)
※夏季の俵ヶ浦行きは、一部白浜行きに変更。
[編集] 定期観光バス
佐世保市内を巡るコースが朝と昼に運行されている。コースは佐世保駅~海上自衛隊佐世保史料館~九十九島遊覧船(パールクイーン)乗船~西海パールシーセンター~弓張岳展望台~佐世保駅。所要時間は約3時間50分。
[編集] 長崎スマートカード
1988年4月に導入された佐世保市営バス、西肥バス、長崎県営バス、長崎バス、島鉄バスで使える共通の紙式回数券に代わり、2002年1月21日に上記の5社で使える全国初の共通ICバスカード「長崎スマートカード」が導入された。これにはソニーのFeliCa(フェリカ)という技術が使われている。
2004年に長崎スマートカードへの切り替えが完了したため、佐世保市営バスを含めた上記5社の各回数券の販売が同年9月30日をもって中止され、2005年4月1日から回数券は使用できなくなった。2005年12月12日にはドコモのみであるが、おサイフケータイに対応した。
なお、佐世保市営バス限定で利用可能な紙式回数券は現在も発売されている。