仲田龍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
| 仲田龍 | |
|---|---|
| プロフィール | |
| リングネーム | 仲田龍 |
| 本名 | 仲田龍 |
| 身長 | 168cm |
| 体重 | 84kg |
| 誕生日 | 1962年3月14日 |
| 出身地 | 東京都板橋区 |
| 所属 | プロレスリング・ノア |
| デビュー | 1980年4月2日 |
仲田 龍（なかた りゅう、1962年3月14日 - ）は、東京都板橋区出身のプロレスリング・ノア所属リング・アナウンサー兼同社取締役統括部長。元ジャイアント馬場専属秘書。愛称は「龍さん」。ネット上では藤波辰爾との区別のため「仲田ドラゴン」、「ガチドラゴン」、「ダーク・ドラゴン」などと呼ばれている。
2007年までは渉外部長であったが、2008年から統括部長のポストに移っている（渉外部長の後任は西永秀一）。
本人の方針は「身の丈に合った事をやらないと、人は付いてこない」。座右の銘は「地道が一番、コツコツやるのが一番」。
目次 |
[編集] 経歴
中学2年の時から高校卒業まで、全日本プロレスのリング設営のアルバイトを行う。高校卒業と同時に全日本の子会社であるジャンボ鶴田社長のファミリー企業に就職し（後に全日本本社に移籍）、1980年4月2日の木更津倉形スポーツ会館・百田光雄vs大仁田厚でリングアナデビュー。原軍治の後釜をと期待された。この若手時代、仲田に遅れて三沢光晴が新人選手として入団。最初は仲田が三沢を「喋らない奴だな」、三沢は仲田を「嫌な奴だな」と思い、双方あまりイメージは良くなかったという。だが、越中詩郎、冬木弘道、仲田、三沢のグループが「仲良し4人組」として、合宿で一緒に飲んだり、みんなで海に遊びに行ったりする仲になり、次第に打ち解けていった。
若手時代、ファンだった松田聖子のコンサートを見に行った際、スモークやカクテルライト、レーザー光線を使った華やかな演出を見て「これをうちでも出来ないだろうか」と会社に企画書を提出。あっさり却下されている。だが、それは80年代前半の話で、新生UWFや新日本プロレスなどが派手な演出をする随分前の話である。この頃から仲田の「演出」の目は、養われていたと思われる。
また、ジャイアント馬場の秘書を1988年より長らく務め、仲田が秘書に就任した3年後から馬場の私生活での運転手となった和田京平と共に「助さん格さんコンビ」としても活躍。病状を公表しておらず、亡くなった時にも全日の人間には誰一人知らされなかった馬場の死だが、身内以外では唯一、京平と共に馬場を看取り、馬場が余命幾許もないと告知されたときには近所の神社でお百度を踏んだという。京平が「龍は馬場さん命の男」と語る通り、大変馬場のことを尊敬しているとされる。引退興行や追悼番組では、号泣しながら「赤コーナー、300ポンド、ジャイアント馬場」とコールを行なった。現在でもニューヨークを訪れると、馬場が見たであろう風景や歩いたであろう道を見たくて、車で移動せずに一人で歩くと言う。
三沢光晴とは上記通り気心の知れた仲で、全日離脱後は三沢と共に新団体設立に尽力し（詳細は三沢光晴項目参照）、ノアを立ち上げ。ノアでは数々の新企画を提案し、プロレス界に新たな風を吹き込んでいる。三沢の良き参謀として、陰ながらノアのトップに立っている。
[編集] 渉外部長としての働き
リングアナウンサーとしても張りのある渋い声で有名であり、全日時代にはマイクが故障しても会場にそれを感じさせない声を響かせたほど。一方、経営や裏切りには非常に厳しいことで知られており、川田利明が2005年7月18日に行われた東京ドーム大会「Destiny 2005」以降、ノア参戦が無いことも、川田のマイクパフォーマンスが原因であり、三沢も同調して川田の継続参戦は消えたということ、だそうである（三沢光晴、川田利明項目参照）。プロレス格闘技DXウェブページ上の読者質問コーナーでも、二度と川田がノアマットに上がることは無いと仲田自身が断言している。
「仲田無くしてノアは無し」が大袈裟でないぐらい、現在のノアには不可欠な人材である（組織において絶対必要な憎まれ役を買って出ている点で、当然性格の違いなどはあるが、新日本プロレス全盛期の新間寿のようなポストであると言える）。
また、「ディファ有明戦隊・ノアレンジャー」の一員「ナカダジャナイヨナカタダヨレンジャー」でもある。
2005年11月、「今、元WWEの選手達が新日本プロレスに上がってますけど、ファンの方が望むなら、現役のWWE選手がノアに上がれるように働きかけてみます」と、壮大なスケールのプランがあることを明らかにした。確かに全日本時代からジョニー・エース（現WWE副社長）とは旧知の間柄であるのは事実である。しかし2006年10月現在何の続報も無いこと、WWEはビンス・マクマホン会長ら創業者一族が全ての決定権を持っており日本と縁の深いエースがしばしば口にしてきたリップサービス（中邑真輔にWWE入りを薦めた、など）がことごとく無かったことにされてきた事実から実現可能性は限りなく低いと思われる。また、「ジュニア選手のみの大会」「日本人のみで回るツアー（シリーズ）」「若手選手育成を目的としたノア別ブランドでの定期開催（プロレスリング・セム）」など、新しいプランも温めている。
壮大なスケールのプランの一環として、2006年より本格的に海外進出を考えていることが仲田の口から明らかになった。アメリカでは海賊版DVDが横行しているが、ノアの調べによるとノアの海賊版DVDとアメリカ最大のプロレス団体・WWEのDVD販売枚数が、アメリカ本土に於いてほぼ同じであるとされている。このため、「海賊版から肖像権を守ること」と「アメリカ本土にノアを広めるため」にアメリカに現地法人を4月から置くことが決まった。その他、アメリカの業界内でノアのDVD・グッズ販売権の人気は非常に高く、ヨーロッパでも同じことである。選手に於いても、ヨーロッパ・アメリカでは衛星放送による中継が放送されており、大変人気が高い。2006年春からはイギリスにマンションを借り、遠征する選手のための宿舎にする、という新プランが進行中である（ノア項目参照）。名実共に日本一の、世界に通じるプロレス団体に成長させるため、仲田は走り回っている。
また、「プロレスラーがプロレスラーでいられなくなった際、ちゃんと食べていけるように引退後のことを考えておけよ」とレスラーに話すのが口癖。その一環として秋山準が2005年より会社を立ち上げミネラルウォーターの販売をしている。この水を販売することに関しても、仲田が持つ豊富なコネクションで秋山に関係者を紹介しているようで、レスラーの私生活まで面倒を見るいい兄貴ぶりを発揮している。
同じリングアナで役員という立場でありながら、会社役員とは思えない軽率な行動や他団体を全く認めようとしないおかしな発言を繰り返している元新日本プロレスの田中秀和には「新日本の田中さんは、根本的に間違っている」と苦言を呈している（後述するGPWAに無我が参加していない一つの理由ではないかとの声もある。仲田自身はプロレスマスコミに対する検閲等、取り巻く環境に対して非常に厳しい人物として通っているが、田中の場合は表立った他団体批判を行うことが問題であり、仲田自身は「裏のことは裏のこと。表沙汰にする必要性は無い」としている。ジミー鈴木はそんな仲田を毛嫌いしていることで有名であり、自身のブログで仲田を「総書記」と呼んで陰ながら皮肉り続けている。近年ではGPWA立ち上げ等で他団体との絡みも増えた事から、その辺りはかなり緩和されている）。
ネット上では「ガチドラゴン」などと呼ばれるが、所以は藤波辰爾が一度決めたことを無かったことにするなど有耶無耶に事を済ませることが多いのに対し、仲田の一度決めたことは良くも悪くも最後まで貫き通す（本気と書いてガチと読むように）ことから。現在は略語のガチドラの愛称が一般的である。
その他、雑誌などのインタビューではウケ狙いの発言をすることで有名であり、「現在のノアを引っ張るのは丸藤正道・KENTA・福田明彦の『マルケンフク』」、「ノアで一番頑張った外国人は、ハーリー・レイス夫人。理由は、いつもお土産を持って来日してくれるから」などがそれである。また、12月24日に毎年行われるクリスマス大会では、普段のタキシードに蝶ネクタイといういでたちではなく、アロハシャツを着、頭にはサンタクロースの赤い帽子を被ってコールを行う。
プロレスのためになることなら協力を惜しまない性格であり、第二回ディファカップの話をZERO1-MAXから持ちかけられた際も「全面協力しますよ」と日本テレビに話を持って行き、共催という形になったほか、2006年2月に行われる健介officeの自主興行で小橋建太の出場を打診された際にも協力。全日本の木原文人リングアナ（仲田の元後輩）が体調不良で前日、急遽出られないと決まった際には、北斗晶から「出てもらえませんか」と前日の夜に打診されたが、快くリングアナを務めている。奇しくもこの興行が仲田と和田京平による助さん格さんコンビが5年ぶりの復活となった。
その他、（既に団体としての活動は停止してしまったが）王道プロレスを看板に掲げていたキングスロードが、その看板との狭間で窮地に追い込まれていた際には、協力を約束。同団体の興行に三沢他4選手を派遣した。
ZERO1-MAXを運営するファースト・オン・ステージ社長である中村祥之は、「ボクは龍さんの外部の弟子」と発言している。中村は何かイベントを開催する際、まず仲田に話を持って行き、相談することが多い。ゼロワンにはノアと絶縁関係にある大森隆男が所属しているものの、会社同士としては現在でも友好関係を続けている。このことがグローバル・レスリング連盟発足への足がかりとなった。
[編集] 関連書籍
- 「NOAHを創った男-三沢光晴の参謀-」仲田龍・本多誠共著（ベースボール・マガジン社、ISBN 458310040X）
