人民新聞
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人民新聞とは、
- 1905年(明治38年)10月に『人民』から改題された日本の新聞。東京で刊行された。当初は『東京新聞』を名乗っていたが、現存の『東京新聞』とは無関係。
- 昭和初期、右翼団体七生義団が発行していた機関紙。
- 第二次世界大戦後の占領期の日本で日本共産党が発行していた機関紙。
- 1968年に創刊された日本の新聞『新左翼』の現在の名称。本項目で説明する。
本項では、4について記述する。
人民新聞(じんみんしんぶん The Jimmin Shimbun)とは、日本の人民新聞社(大阪府大阪市港区)が発行する、左翼新聞。新左翼関係の新聞の一つ。月三回刊。政治団体や党派の機関紙ではない。「大衆政治新聞」としている。また中華人民共和国の「人民日報」とは関連が無い。
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[編集] 概要
1968年に『新左翼』として創刊された、日本における左翼紙。当初は日本共産党の分派で毛沢東派の「日本共産党 (解放戦線)」の機関紙であったが、「解放戦線」はすぐに活動停止状態となり、その後は党派に属していない。そのことと大阪を拠点とする新聞でもあるということからか、新左翼の党派機関紙と比べ一般知名度は低い。
[編集] 紙面
紙面構成は、1面に特集記事を設けている。特集で取り上げる内容は、在日アメリカ軍基地問題など現行の政治問題が多い。天皇制批判など思想記事が載る事があるが、対極意見を載せる点も特徴的である。
パレスチナ問題は積極的に取り上げる。かつて「アラブ赤軍」「日本赤軍」の主張を掲載し、パレスチナ闘争連帯を掲げた重信房子も寄稿した。そのことにより、「日本赤軍との組織的関係」と見た公安警察から捜索を受けるが、発行社は「立場や党派を問わず様々な問題を紙面を通じて多くの人々に紹介し、相互批判・論議の場を保障し創り出していく」ためであるとしている。同紙は、「闘い続けている」パレスチナ人民の立場に立つ姿勢であり、中立や絶対的な非暴力思想の立場ではない。
その他、各地の反戦運動などのレポートなどが掲載される。一つの号で見た場合、大雑把に言えば特集と各種社会・政治運動レポートの二本立てと言える。
ページ数は少なく、中小規模の団体機関紙並みのほぼ記事特化型紙面で、カラー写真や全面広告は存在しない。発行日や量の面では、一般商業紙や、大手新聞並みの情報量を売りにする「しんぶん赤旗」と比べ格段に少ないため、それらとは一線を画すものとなっている。新聞単体では、商業ベースに乗りにくいためか、発行社ではカンパを受け付けている。