三国志漫画劉備くん
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三国志漫画劉備くん(さんごくしまんがりゅうびくん)は、ホームページ『曹洪の三国志』で連載されているウェブコミック。作者は曹洪。一時期HPの更新を休止していたが、現在は連載を再開している。
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[編集] 概要
この作品は、正史三国志及び三国志演義が原作のパロディ作品である。作者である曹洪の、お世辞にも上手とは言えない画風や、人によっては寒いとも思えるギャグ、無国籍な登場人物達などによって作り出される独特の雰囲気にははまり、中毒に陥ってしまう人も多い。またウェブコミックであるにもかかわらず、同盟サイトすら存在し、こちらも不定期ながら、現在でも更新がされている。
日本における三国志の二次創作では、原作に登場人物の殆どが男性である為、登場する武将を女性化するという行為がしばしば行われる。この作品も例外ではなく、一部キャラクターの性別が変わっている。中には袁術や曹操の親族達の様に、人間ですらないものに変えられた武将もいる。
[編集] 主な登場人物
[編集] 蜀
- 劉備
- この作品の主人公。他三国志作品ではSWEET三国志の劉備に近い。いつも寒いギャグを言っては、他のキャラクターに吹っ飛ばされ、吐血している。それにも関わらず、いつもニコニコ顔。初期は他のキャラクターと同じ、四頭身ぐらいであったが、中盤以降は二頭身に描かれることが多くなった。張飛、関羽らと共にパンダ団を結成。更に諸葛亮を従え、乱世に名乗りを上げる。
- 張飛
- 劉備の義弟。グリグリの目玉、虎髭、頭巾、短気、荒い口調など、最も一般的なイメージに近い描かれ方をされているが、何故か丸顔。酒豪というよりは大食漢。原作どおり、キレて人を殺すなど非常識な面もあるが、他の個性的な面々と比べると、かなりまともな武将である。武器は原作どおり、蛇矛。
- 関羽
- 劉備の義弟。美しいものを愛するナルシストで、いわゆるオカマ。長い髭を蓄え、少女漫画のようなキラキラの目を持っている。定期的にヌードショーを開く。それ以外でも、酔ったり興奮したりすると、黒ビキニ一丁になりたがる。その異様な風貌、原作とのギャップから、主人公一行の中では圧倒的な存在感を放っている。戦場では鬼神と化すが、毛虫は苦手。曹操から告白され、マンザラでも無さそうであるが、今の所は劉備の方が上のようである。武器は青龍円月刀。
- 諸葛亮
- 中国史において、最も有名な軍師。この作品では青髪の美少女で、白い道服の代わりに浴衣を着、羽扇の代わりに「涼」という字の入った団扇を携帯している。原作では物語の半ばからの登場であるが、この作品では4話からの登場。団子屋事件を解決したことで劉備にその才を買われ、女性ながら彼の軍師となる。常に冷静沈着。しばしば笑顔で毒を吐く。本作のヒロインといえる。
- 趙雲
- 公孫讃の元に使えていた拳法の達人。この漫画の中では比較的まともな人物。生真面目すぎる為、初登場時は劉備たちにからかわれていた。諸葛亮を好きになり、劉備軍の元に入る。ただし袁術の送ったロボット諸葛亮に騙されるなど、天然の気もある。
- 馬超
- 中国全土にファンの居る、ロックバンド「馬一族」の天才ギタリスト。殺人ノイズを奏でる事で、敵を攻撃する事が出来る。長安での戦いで誤って父親を殺してしまい、郭汜らを逆恨みしながら西涼に撤退。その後の登場は未だない。
- 黄忠
- ふたりはプリキュアをこよなく愛すアニメオタクの老将。身体のサイズは曹操の親衛隊と同じぐらい。原作では弓の名手であったが、こちらでは短銃の使い手。一時周瑜のスタンドで女化され、萌えタレントとしてアキバデビューするが、魏延に殴られたことで目が覚め、自力で元の姿に戻る。
- 魏延
- 冴えない中年サラリーマン風の外見をした武将。メガネをかけ、背広を着、頭は剥げている。原作では反骨精神旺盛だったが、その面影は全く無い。黄忠のパシリにされ、気に入られない度、銃で撃ち殺されている。
- 龐統
- 一般的には冴えない風貌の男として描かれることが多いが、こん作では左頬に傷の有る少女(美形の青年?)として登場した。喋り方は孔明と似ている。龐統の登場話では、十一行に渡る「鳳雛の言葉」という副題が付けられたが、例によって例の如く、意味はないと思われる。盲目だったが、劉備とすれ違う際に何故か視力を取り戻す。
[編集] 魏
- 曹操
- 三国志最大の英雄。野心家ではあるが、呂布と陳宮の幸せを祈ったり、袁紹を最後まで友人として扱ったりと、妙に他人思いな所がある。幼い頃に優しくしてもらった為、父親思いでもある。元々は女好きであったようだが、関羽のヌードショーを見て以来、あっちの世界に足を踏み込んでしまう。おかげで今では変態の如く。ただし関羽さえ絡まなければかなりまともな方。容赦なく相手を切り殺す場面も。
- 曹操親衛隊
- 某作品において、四天王と呼ばれている夏侯淵、夏侯惇、曹洪、曹仁の四人。小さいが、四人とも一騎当千の猛者。普段は曹操のポケットに潜んでおり、曹操がピンチになると登場する。夏侯淵はヒットマンのような風貌をした弓の達人。4人の中では別格扱いであり、事実かなり強いが、おかげ出番も少なめ。夏侯惇は隻眼で、頭を結えている。曹仁は頭に包帯のようなものを巻いている。曹洪は黒いペッタリとした髪型。彼は作者のHN名の元ネタである筈だが、特に扱いが良い訳ではない。後者三人は「○○ナリー」が口癖。飴で動く安上がりな武将。切られてもアメーバのように復活する。四人とも明らかに人間ではないが、曹操との血縁関係があるかどうかは不明。
- 戯志才
- 元気いっぱいの猫耳少女。原型は、ちょっとした三国志ファンならまず知らない、超マイナー軍師。作品内では、当初3コマしか登場していなかったが、その中で三国志演義では書かれなかった「戯志才が死んだ(実家の蕎麦屋を継ぐ為に帰った)後、荀彧が郭嘉を推挙する」というエピソードが描かれている。その後も作者等によってイラストが描かれたり、外伝漫画に登場したり、人気投票で微妙な所まで行ったりと、ちょくちょく名前が出てくる、ちょっとした人気キャラクターとなっている。
- 荀彧
- 曹操の人材募集のチラシを見、彼の参謀となった軍師。曹操への進言の多い軍師であるが、これと言った特徴がない為、余り目立ってない。基本的に突っ込み役の常識人。曹操が関羽にハマってしまって以来、ひたすら頭を抱えている。
- 郭嘉
- 荀彧が戯志才の後釜として推挙した軍師。自宅のテレビが壊れたのをきっかけに、俗世との交わりを絶ち、山奥で人語を解するカラスと共に暮らしていたが、世の為に才を生かそうと立ち上がる。酒が好きで、よくへべれけに酔っ払っている。その後、焼却炉で燃やされたり、倭国行きの奴隷船に乗ったりと散々な目に合うも、何とか曹操の元で使える事となった。
卑弥呼と交流があったようだが、詳しくは語られてない。
- 張遼
- 魏の五将軍の一人。元は呂布の将。アフロヘアーにサングラスという格好で、どう見てもダンサーだが、踊ったことは無いらしい。関羽とはダンスで通じ合った中で、一時は結婚直前にまで至った。
- 徐晃
- 魏の五将軍の一人で、魔法少女。読書好き。妙な持論を持っており、哲学的な言い回しを好む。顔良に殺されかけたところを曹仁に助けてもらってから、彼に好意を抱くようになる。ツンデレキャラと化してから後は、哲学的な雰囲気は薄くなった。ドラクエ的な魔法を多用する。
[編集] 呉
- 孫堅
- イギリスかぶれのダンディー親父。「じぇんとる!」が口癖。葉巻を好むが、マッチをゴミ箱に捨てるなど、火の扱いは適当である。敵の小細工によって、床においてあった剣に腹から転んでしまい、死亡。
- 孫策
- 孫堅の息子。モデルを夢見るオシャレ系。父親の事は嫌いではなく、武力に関しては尊敬すらしているようだが、彼を紳士にしようとするその行為にはウンザリしている。完全なつっこみキャラ。料理の腕がうまいらしく、何故か家臣の分の夕食を作ったりもしていた。その後魯家の援助から、少しずつ家臣、土地を増やしていくが、志半ばで許貢の手にかかり、命を落とす。
- 孫権
- 孫策の弟。この漫画のマスコット的存在。路傍の花に話しかけたくなる年頃。幼いながら、井戸に釣り糸を垂らして玉璽吊り上げるという、よく分からない才能を見せる。魯粛をほぼ完全に理解できる、数少ない人間。
- 周瑜
- 何故か虚無僧の格好をしている軍師。口を開けば下ネタばかり。魯粛に手を出そうとするが、いつも孫策に邪魔され、ボコボコにされる。夜になると笠を外し、ナンパを始めるが、孫策によると基本的に成功はしないらしい。しかし女性が彼を見て黄色い悲鳴を上げていた事もあり、実際はどうなのか不明。必殺技は托鉢。スタンド名はポルノグラフィティ。能力は相手の性別を変える。
- 魯粛
- 奇行で有名として知られていた、金持ちの魯家の娘。軍師ではない。資金不足の孫家がスポンサーとして魯家を頼って以来、そのまま孫家に居ついてしまった。将棋の「角」のネックレスに、本物の生きた蝶のリボンをしている。おかしな感性の持ち主で、よく周囲を混乱させる。彼女の作る意味深なポエムは、孫策以外の人間には理解できるらしい。第二回人気投票で見事一位に輝いた人気キャラ。ピンクのロングヘアーの美少女。
- 太史慈
- 劉ヨウの元で働いていた猛将。かなりのいなかっぺ。二頭身だが、曹操親衛隊よりかは大きい。ある日道端で出合った孫策に戦いを申し込み、互角の勝負を繰り広げる。そこで魯粛に恋をしてしまったことを周瑜に見抜かれ、その策によって孫策の配下となる。孫策の死亡時、名前を忘れられる。ラブリー太ちゃんと呼ばれていたらしい。
- 凌統
- 父親と共に孫策に使えることになった釣り目の少女。孫策と共に周瑜の突っ込み役。魯粛とは仲が良い。
- 甘寧
- 劉表に捉えられていた川賊。船と船の間を跳躍で移動できる。腕は確かだが、小学生の様なギャグを好む。初登場時、突っ込みようの無い寒いギャグで孫策を呆れさせた。現在はまだ劉表の元に居る。龐統とは仲がいいようだが、ギャグセンスについては嫌われている。
[編集] その他
- 袁紹
- この作品では見た目も性格も幼児化されており、どうやっても曹操の幼馴染には見えない。曹操をライバル視しているが、相手は気にも留めていない。呂布に首を切られても死なないという、凄まじい生命力の持ち主である。つまらない事を言う度、劉備と同様よく吹っ飛ばされる。宇宙人であったらしい
- 董卓
- 一般には肥満体の残虐な英雄と言うイメージであるが、この董卓は何故か痩せており、慇懃無礼ながらも敬語を使う。貂蝉に一目惚れし、その場でプロポーズしてしまったが為に、呂布に殺害される。
- 呂布
- 三国志最強の武将。上品な言葉を使う女性。常にハートが印刷されたスウェットを着ている。剣を頭で折り、殴って対象を爆破する等、人間離れした身体能力を持つ。木を引っこ抜いて武将を一網打尽にするなど、能力は計り知れない。愛馬は八本足の赤兎馬。愛人であった董卓に嫉妬し、彼を殺害。自分も死のうと高所から飛び降りるも、丈夫過ぎた為に死ぬことが出来なかった。その後は陳宮を従えて天下を目指すが・・・
- 陳宮
- 背広を着、メガネをかけ、常にパソコンを持ち歩く、IT系のイケメン軍師。曹操と共に反董卓連合を結成。本陣に単騎で乗り込んできた呂布にひとめ惚れする。その後も曹操に仕え続けるが、徐州を皆殺しにしようとする彼を見て離反を決意。その後、戯志才の蕎麦屋でバイトしていた所、呂布と再開。共に天下を目指すことを決意する。
- 王允
- 漢の国の結構偉い人。紅白の出場経験がある。変人だが、必殺技を持ってるので侮れない。董卓が死亡した後、娘と共に漫才コンビを結成する。
- 貂蝉
- 王允の娘。長い間地方に居た為、方言を使う。見た目はコギャルだが、董卓の政治に不満を抱いている、意外と社会派な娘。ちゃんとした格好をすればかなりの美人。呂布と仲たがいさせる為、董卓に近づく。
- 袁術
- 袁紹の弟であるが、何故か宇宙人。オーバーテクノロジーを有し、地球制服をもくろむ。数度にわたり劉備達と衝突。自分の作ったロボット李豊と紀霊を壊されると、何を思ったか故郷の星に帰ることを決意する。その後、袁紹の死の際に再び現れ、彼の亡骸を故郷に連れて帰って行った。
- 献帝
- 後漢最後の皇帝。見た目は小学生ぐらい。董卓の足台にされたり、雑用係にされたりと、傀儡以下の扱いを受けている。なかなかの美少年。度々凛々しい顔になり、曹操達に反撃しようとするも、臆病なのでそれ以上続かない。原作以上に不幸な皇帝。