万歳
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万歳(ばんざい、ばんぜい)とは、喜びや祝いを表す動作などを指していう言葉。動作を表す場合は、「万歳」の語を発しつつ、両腕を上方に向けて伸ばす。 また、より強調して、「万々歳(ばんばんざい)」と言われる場合もある。
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[編集] 成り立ち
元々は中国に於て使用される言葉で「千秋万歳」の後半を取ったもの。万歳は一万年で皇帝の寿命を示す言葉であり、皇帝以外には使わない。明代に専権を奮った宦官・魏忠賢は自分の一党の者に「九千歳!」と言わせていたという。また、朝鮮語では「マンセー、マンセ (만세; 萬歲)」、中国語では「ワンスイ、ワンソェー(wànsùi; 萬歲/万岁)」と言う。
雅楽には千秋楽と共に万歳楽(まんざいらく)という曲が伝えられており、共に君主の長久を祝うめでたい曲とされている。芸能の万歳はここから出たものという。
[編集] 万歳と天皇
バンザイと発音するようになったのは大日本帝国憲法発布の日、1889年(明治22)2月11日に青山練兵場での臨時観兵式に向かう明治天皇の馬車に向かって万歳三唱したのが最初だという。当初は文部大臣森有礼が発する語として「奉賀」を提案していたが、「連呼すると『ア・ホウガ(阿呆が)』と聞こえる」という理由から却下された。また、「万歳」として「マンザイ」と読む案もあった(それまでの奉祝の言葉としては「バンセイ」あるいは「バンゼー」)が、「マ」では「腹に力が入らない」とされたため、謡曲・高砂の「千秋楽」の「千秋楽は民を撫で、萬歳楽 (バンザイラク) には命を延ぶ」と合わせ、漢音と呉音の混用を問わずに「万歳 (バンザイ)」とした。なお、もっと古い時代では、大勢の人々が天皇に対する敬意を表す時には「オエー!」という歓声をあげていたらしい。最初の三唱は「万歳、万歳、万々歳」と唱和するものであったが、最初の「万歳」で馬車の馬が驚いて立ち止まってしまい、そのため二声目の「万歳」は小声となり、三声目の「万々歳」は言えずじまいに終わった。[1]
太平洋戦争中の日本軍兵士が米軍に対して、全滅(玉砕)を覚悟して行った突入攻撃は、バンザイ突撃と呼ばれる。敗色濃厚にも関わらず突撃を行った日本軍兵士の「バンザイ突撃」は米軍将兵に少なからぬ恐怖を与えたという(バンザイ・アタック)。このことから、英語で banzai というと、本来の意味の他に「絶望的な(あるいは無謀な)試み」という意味もある。
また、第二次世界大戦中のアメリカ合衆国陸軍第442連隊戦闘団(日系アメリカ人部隊)が攻撃の際に「万歳」を掛け声に使用したと記録が残っている。
「天皇陛下万歳」はこのような歴史的経緯から軍国主義、戦争の象徴のような言葉と捉えられることもあるが、実際は天皇の永遠の健康、長寿を臣下が祈るものである。近年でも即位の礼や在位記念式典において公式に使われ、また皇居における一般参賀などの場面において万歳三唱する市民もいる。
慣例として、衆議院解散時に議長より詔書が読み上げられ、解散が宣言されたとき、その瞬間失職した議員たちが「万歳!」と三唱する。この慣例の経緯は明らかではないが、議員たちが選挙戦に「突撃」してゆく気概を表しているとも、国事行為として衆議院を解散する天皇に対しての敬意とも言われている。ただ「失職するのに何が万歳なんだ」といって万歳三唱をしない議員もいる。
なお、過去に一時期、万歳三唱令と題した文書が官庁を中心に広まったことがある。内容としては、万歳三唱の作法等について定めた太政官布告であるとされ、「施行 明治十二年四月一日太政官布告第百六十八号」などともっともらしいことが書かれている。しかし、そのような太政官布告は実際には存在せず偽物である。
[編集] マンセー
朝鮮語では、万歳をマンセーと発音する。近年、核開発や拉致問題で北朝鮮に関する報道が多くなり、北朝鮮メディアによる金正日関連の報道で「マンセー!」という掛け声を日本国内で良く耳にするようになったことから、2ちゃんねるなどインターネット上のコミュニティでは、皮肉の意味も込められて「万歳」を朝鮮語に倣って「マンセー」と発音・表記することが多い。
用法としては、色々問題がある事柄について、それらの問題に対し無批判に、絶賛する内容を記載することを示す。単純に日本語の万歳と同じ意味でマンセーと言っている場合もある。
[編集] その他
- 野球などで、落下予測地点を見誤ったまま両手を広げ、飛球の捕球体勢に入ったために落としてしまうことを俗に「バンザイ」と言う。
- 松岡修造が出演しているフジテレビの料理番組は、「くいしん坊!万歳」ではなく、「くいしん坊!万才」である。
- 長野県では、結婚式やOB会などのおめでたい行事での締めで行われている。またお返しの万歳をすることもある。