一億円拾得事件
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一億円拾得事件(いちおくえんしゅうとくじけん)とは、1980年4月25日に東京都中央区銀座で一般人が1億円を拾った事件のこと。
[編集] 概要
1980年4月25日、トラック運転手である大貫久男(1938年 - 2000年)が東京都中央区銀座3丁目の道路脇で現金一億円入りの風呂敷包みを拾得。拾得者は警察に届け出た。
このことが報道され、大貫は一躍時の人になった。大貫には自宅に電話や手紙が殺到し、勤めも辞めた。大貫はお笑い芸人として日本テレビの番組『テレビに出たいやつみんな来い!!』の準レギュラーとなった。拾得者の孫である大貫幹枝も、吉本興業のお笑い芸人、タカダ・コーポレーションのツッコミ役として現在活躍している。
落とし主は現れなかったため、旧遺失物法にもとづき6ヶ月(当時。2007年12月以降、現在は原則3ヶ月)の届け出期間を経て、同年11月9日、全額について大貫に所有権が移った。しかし、所得税法第34条による一時所得であるため所得税約3,000万円を国家に納付したため、実質約7,000万円が大貫のものとなった。
落とし主は結局現れなかったが、落とし主として名乗り出ると資金の出処を警察に明かさなくてはならず、名乗り出られなかったのではないかと噂された。この一億円は企業の裏金、政界の裏金、相場資金、麻薬取引金など、犯罪と関連があるのではないかと噂された。