レット・イット・ブリード
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レット・イット・ブリード | ||
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ローリング・ストーンズ の アルバム | ||
リリース | 1969年12月5日 | |
録音 | 1968年11月16日 - 17日, 1969年2月10日 - 11月2日 |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 42分21秒 | |
レーベル | Decca/ABKCO (UK) ABKCO (US) |
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プロデュース | ジミー・ミラー | |
専門評論家によるレビュー | ||
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ローリング・ストーンズ 年表 | ||
スルー・ザ・パスト・ダークリー (ビッグ・ヒッツ Vol.2) (1969年) |
レット・イット・ブリード (1969年) |
ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト (1970年) |
『レット・イット・ブリード』(Let It Bleed)は、1969年にリリースされたローリング・ストーンズのアルバム。ストーンズ三年ぶりのアメリカ・ツアーと同時にリリースされた。前作『ベガーズ・バンケット』とともに本作はストーンズ最良のアルバムと称賛され、ロック・アルバムの古典の一つと見なされる。アルバムに収録されている楽曲は後に全てライヴで一度以上取り上げられている。このようなオリジナルアルバムは『スティッキー・フィンガーズ』『女たち』『ブラック・アンド・ブルー』とこのアルバムだけである。
ストーンズは1968年11月、『ベガーズ・バンケット』リリース前から「無情の世界」のレコーディングを開始する。本作のレコーディングは1969年2月に本格的に始まり、11月まで散発的に行われた。ブライアン・ジョーンズはレコーディング開始時はまだ脱退していなかったため、「ミッドナイト・ランブラー」「ユー・ガット・ザ・シルバー」に参加している。彼の代わりとなったミック・テイラーは本作に於いて「カントリー・ホンク」「リブ・ウィズ・ミー」にしか参加しておらず、大半の曲はキース・リチャードがギターを担当している。
キースはそれまで数曲(「コネクション」「昨日の出来事」「地の塩」)においてミックと共にヴォーカルを担当したが、「ユー・ガット・ザ・シルバー」は彼が初めてリード・ヴォーカルを担当した曲となった。
12月のリリース後、本作はイギリスでチャート1位(ビートルズの『アビイ・ロード』に代わって)、アメリカでは3位とダブル・プラチナを獲得した。本作タイトル『レット・イット・ブリード』はしばしばビートルズの『レット・イット・ビー』のパロディだとされるが、それは正確ではない。(『レット・イット・ビー』のリリースは1970年5月)
1998年に本作は「Q」マガジンのグレーティスト・アルバム読者投票で69位を獲得した。2002年には「ローリング・ストーン」誌のグレーティスト・アルバム500で32位に選出された。2003年にはTVネットワークのVH1がグレーティスト・アルバムで24位に選出した。
2002年8月に本作はアブコ・レコードよりリマスターされた上で、SACDとのハイブリッドCDとしてデジパック仕様で再発された。
本作ジャケットのケーキは著名な料理家であるデリア・スミスが制作した。
[編集] 曲目
- ギミー・シェルター - Gimme Shelter 4:31
- メリー・クレイトンがバッキング・ヴォーカルで参加。
- むなしき愛 - Love In Vain (Robert Johnson) 4:19
- カントリー・ホンク - Country Honk 3:07
- リブ・ウィズ・ミー - Live With Me 3:33
- レオン・ラッセル、ニッキー・ホプキンスがピアノで参加。
- レット・イット・ブリード - Let It Bleed 5:28
- ミッドナイト・ランブラー - Midnight Rambler 6:53
- ユー・ガット・ザ・シルバー - You Got The Silver 2:50
- キース・リチャード初のリード・ヴォーカル曲。上記二曲はブライアン・ジョーンズ最後の参加作品。
- モンキー・マン - Monkey Man 4:11
- 無情の世界 - You Can't Always Get What You Want 7:29
[編集] 北米ツアー
本作リリースに伴った「North American Tour」は1969年11月7日のコロラド州フォート・コリンズ公演から開始する。今回が6度目のツアーであったが、現在まで行われているような大規模なツアーは今回が初めてであった。このツアーの模様は映画『ギミー・シェルター』で公開された。本ツアーの最終公演、1969年12月6日のカリフォルニア州オルタモント・スピードウェイでのフリーコンサートで、会場警備を担当したヘルズ・エンジェルスの手により黒人青年メレディス・ハンターが刺殺された。ハンターが刺殺される様子も前述の『ギミー・シェルター』に収録されている。また、11月9日のカリフォルニア州オークランド・コロシアム公演は『Liver Than You'll Ever Be』というブートレグとしてリリースされ、これがストーンズ初のブートレグとなる。このブートレグが公式ライヴ盤『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』のリリースを早めたとされる。