ラジオ映画
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ラジオ映画（-えいが、1947年 - 1953年）[1]は、かつて東京に存在した映画会社である。第二次世界大戦後に、目黒に開いた貸しスタジオから始まり、自社でも作品を製作した。
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[編集] 略歴・概要
1947年（昭和22年）、戦前、松竹蒲田撮影所ニュース部から新興キネマ東京撮影所（現在の東映東京撮影所）でプロデューサーや監督をつとめていた今村貞雄が代表となり[1]、おなじく新興東京で監督としてデビューした関孝二（関孝司）とともに、目黒区柿ノ木坂町（現在の東が丘1丁目あたり）に設立した[2]のが同社であり、「ラジオ映画撮影所」はレンタルスタジオとしてこのときスタートした。松竹蒲田時代の小津安二郎作品の撮影技師である茂原英雄を監査役に迎えた[1]。
1949年（昭和24年）、日活多摩川撮影所の監督で、戦後、大映東京撮影所（いずれも現在の角川大映スタジオ）でプロデューサーをつとめていた伊賀山正徳を製作部長に迎え[3]、自社製作を開始する。戦前、京都の大衆文芸映画社の『佳人よ何処へ』（1932年）に主演した歌人・原阿佐緒の子息で、松竹大船撮影所出身の俳優・原保美の実兄の原千秋も監督として参加した。
やがて1953年（昭和28年）ごろには同社は活動を停止した。今村は「生物映画研究所」を設立、ドキュメンタリーの仕事を進め、関は「日本放送映画」を設立、『小さな怪物の世界』（日本テレビ）、『ニッポン・イソップ物語』などのテレビ映画を監督したのちに、1960年代以降はピンク映画に転向していく[2]。『仔熊物語・野性のめざめ』を原とともに監督した小倉泰美も関と同時期に、ピンク映画に転向（北見一郎名義）、ともに1980年代の老境に至るまで活躍した。
同社の撮影所はその後、「教配スタジオ」として1980年代にいたるまでレンタル等に使用されたのち、目黒区立老人ホーム東が丘や住宅地となった。
[編集] フィルモグラフィ
- 1949年
- 美しき本能 監督今村貞雄 ※松竹配給
- 1950年
- 海魔陸を行く 監督伊賀山正徳、解説徳川夢声 ※東京映画配給配給
- 人喰い熊 監督枝川弘、撮影今村秀夫 ※東京映画配給配給
- 仔熊物語・野性のめざめ 監督原千秋・小倉泰美、原作長谷川伸、脚本今村貞雄、撮影今村秀夫、解説徳川夢声 ※大映配給
- 1951年
- 仔熊物語 監督原千秋、脚本今村貞雄、解説徳川夢声 ※大映配給
- 花嫁蚤と戯むる 監督原千秋 ※東京映画配給配給
- 裸女海底に死す 監督今村貞雄、撮影今村秀夫 ※東映配給
- 1952年
- 思春期の女生徒たち 監督木村萬平 ※1952年8月15日完成
[編集] 註
- ^ a b c 東京国立近代美術館#フィルムセンター公式サイト内の「発掘された映画たち2005」の『海魔陸を行く』についての記述を参照。
- ^ a b 『日本映画監督全集』（キネマ旬報社、1976年）の「関孝二」の項（p.227-228）の記述を参照。同項執筆は川島のぶ子。
- ^ 『日本映画監督全集』（キネマ旬報社、1976年）の「伊賀山正光」の項（p.23-24）の記述を参照。同項執筆は木村威夫。
