ミニボット
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ミニボット部隊は、『トランスフォーマー』に登場する架空のキャラクター。サイバトロン軍団のサブグループの一つで、身長2~3mほどの小型のタイプである。変形形態はまさに極小変形を畏敬にしたチョロQ風に設計されている。劇中では、比較的人間に近いサイズであることから、服を着て人間に変装することもあった。
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[編集] メンバー
[編集] 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』シーズン1より登場
玩具はニューミクロマンから流用された。バンブルを除いて物語の中盤頃に絶版になったが、ドラッグとギアーズ以外は後年ミニボットキーチェーンという形で復刻されている。
- バンブル/Bumblebee (声優:塩屋翼)
- スパイクの親友で、コンボイの信頼も厚い情報員。フォルクスワーゲンビートルに変型し、スパイクを乗せて移動するシーンも多々ある。(地球でリペアされる前はフォルクスワーゲンビートルに似た円盤タイプのエアカーに変型していた)。人懐っこい性格で友人を守るため勇敢に戦う。一人称は「おいら」、口癖は「ほーんと」。彼のキャラクターは後の作品の少年トランスフォーマーたちに受け継がれる。
- テックスペックによると、大型オートボットの中でもコンボイとプロールを最も尊敬しており、アニメでも、作戦に成功すると「早くコンボイ司令官の喜ぶ顔が見たいな」、敵地で死を覚悟すると「コンボイ司令官にさよならを言いたかったよ」と、コンボイへの思いを口にしている。しかし、己を卑下することは無く、「最も小さい者が最も危険な存在になれるんだ(The least likely can be the most dangerous.)」と、その座右の銘はミニボットであることの誇りを感じさせる。肉体的には最弱の部類に入るが、その体の小ささから来る隠密性と勇気はそれを補って余りある。また、サイバトロンのメンバーの中で、最も燃費と視力に優れている。
- 玩具が発売された際、赤いバンブルが混入されることがあり、ファンを混乱させた(アニメでも作画ミスという形で登場)。金型がクリフと一体であったために赤いバンブルと黄色いクリフが生産されたという説があるが真相は不明。さらに、後にバンパーと呼ばれる、本来ラインナップに入っていないファミリアタイプまで混入する始末であった。また、物語の中盤頃に「C-56」の新たなナンバーを与えられブリスターパックで再販された。
- 『ムービー』では、旧友スパイクらと共にムーンベース2にてセイバートロン星を監視中、ユニクロンが襲来。ムーンベース2を自爆させ抵抗するも、結局吸い込まれてしまう。その後ユニクロン体内にて処理されそうになっていたが、スパイクの息子ダニエルの手により生還する。
- 『2010』では、ダイナザウラーによるサイバトロン基地崩壊後、他のミニボットと同様にスクランブルシティの警備に当たっている。宇宙ペストに侵されたスペリオンと戦い瀕死の重傷を負うがクインテッサ星人によってゴールドバグとして生まれ変わる。
- 後年の「ミニボット復刻版セット」では顔がアニメ版に準拠したものに改修。
- 『Transformers Classics』ではデザインをリニューアルして登場。プジョー・206に似たハッチバックタイプの自動車に変形する。
- 英語名の意味は「マルハナバチ」。en:Bumblebee (Transformers)
- チャージャー/Windcharger (声優:難波圭一、城山知馨夫、喜多川拓朗(63話))
- 短距離ではサイバトロンのメンバーの中でナンバー1のスピードを誇る戦闘員。マグネットパワーにより金属を自由に操ることが出来る。「マスカレード」ではスタントロンのワイルドライダーに変装し、同じくスタントロンのメンバーに変装したコンボイ達とともに、マグネットパワーを使いメナゾールに合体したことがある。トランザムに変型。
- 『ムービー』では、サイバトロンシティ攻防戦にて傷つき倒れた姿が確認できる。ただし、『2010』 26話「原始の呼び声」にも数カット姿が確認できるので生存した可能性もある。
- バイナルテックの海外版である「オルタネーターズ」ではS2000に変形。en:Windcharger
- クリフ/Cliffjumper (声優:喜多川拓郎)
- 向こう見ずで血気盛んな戦士。強情な性格で、リジェを裏切り者と誤解し独断で破壊しようとしたり、誤解が解けても素直に謝れなかったりしている。また、「血祭りにあげてきますよ」など、サイバトロンらしくない過激な行動が多い。敵に果敢に立ち向かう勇気は誰にも負けないが、それが彼自身の首を絞める事もある。手からガスビームを発射、使用する銃も爆発性から冷却用まで多様な種類のガスが発射出来る優れもの。ポルシェ・924ターボに変型(アニメではRed TOYOTA"に変形)。
- 『ムービー』では、マイスターと共にムーンベース1にてセイバートロン星を監視中、ユニクロンが襲来。ムーンベース1を放棄し、シャトルで脱出を試みるが、ユニクロンに吸い込まれてしまう。その後はバンブルらとともにダニエルの手によって救出される。
- 玩具が発売された際、バンブル同様にパッケージと色が違う黄色いクリフが箱に混入される事もありファンを混乱させた。
- Classicsと実写映画版では、玩具はバンブルを赤くした塗装変更品。実写映画版では、作中には登場しない玩具のみのキャラクターとなっている。en:Cliffjumper
- ドラッグ/Huffer (声優:江原正士、島香裕)
- 技術者。物事を悲観的に捉えがちであり、無駄だと思った事には何かとケチをつけたがる。また、ダイノボット部隊にもあまり良い印象を持っていない。牽引トラックに変形。アニメでは、傷ついたコンボイに代わりトレーラーを牽引したが、玩具では長らく再現不可能だった。しかし、ハイブリッドスタイル・コンボイの発売によって、きちんと連結はできないものの、再現可能になった。
- 『ムービー』では、チャーの仕事を手伝わされていた。その後、死亡したらしく『2010』では彼の墓が登場。
- 英語名の意味は「不機嫌な奴」で、彼の性格を反映している。en:Huffer (Transformers)
- ゴング/Brawn (声優:島香裕、石井敏郎(63話)/長島雄一:未放送分/稲葉実:MOVIE時)
- 小柄だが「怪力コング」と自称するほどの力持ち。チャージャーの親友。頑固な性格であり、学者肌で戦いを好まないパーセプターに反感を持った事があるが、彼の勇敢な行動を見て和解するなど直情型である。メガトロンから奪った融合カノン砲を使った事があるが、融合カノン砲を発射した際の反動で敢え無く転倒した。4WD車に変型。車体からドリルを出し、地面を掘り進む事もできる。
- 『ムービー』では、シャトルにてエネルゴンを調達中にデストロンが襲来し、左肩にスタースクリームの発破したメガトロンの直撃を受けるが、『2010』では一瞬だけ登場している(ただし、ゴングが登場した回は作画ミスが相当酷く、さらにサイバトロンである筈の彼がデストロンのビルドロンと一緒になってサイバトロンを攻撃している)。
- 英語名の意味は「筋力」で、マッチョをイメージしている。en:Brawn (Transformers)
- ギアーズ/Gears (声優:石井敏郎)
- 鉱物学者。細かい事に文句をつけこだわる性格で愚痴が多いため、通称「ぼやきのギアーズ」。その神経質な性格回路がメガトロンの作戦に利用されるほどである。余談だが、胸にあるシークレットセンサースキャン(性格回路)を取り外すと大のお人好しになる。4WDに変形。
- 本放送当時、日本での発売は見送られたが、後にミニボット復刻版セットに同梱。en:Gears (Transformers)
[編集] 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』シーズン2より登場
TF用に新たに作り起こされた部隊。日本での発売は登場より少々遅かった。
- パワーグライド/Powerglide (声優:鈴置洋孝、堀内賢雄(22話)/江原正士:2010時)
- おしゃべりな目立ちたがり屋。A-10攻撃機(フェアチャイルド A-10 Thunderbolt II)に変形。車両にトランスフォームするメンバーが中心のサイバトロンにおいて、貴重な航空戦力として文字通り一翼を担った。偵察などで活躍する。セイバートロン星に恋人がいるが、地球でも人間のお嬢様に一目ぼれされ、文字通り胸をときめかせていた。
- 本作品において、一人の声優が複数の役を担当する事は少なくないが、メインでパワーグライド役を演じた鈴置洋孝の演技は、同じく彼が担当したスタースクリームや他の作品で鈴置氏が演じたキャラクターとも全く違った声質で演じているので、一見して視聴者も彼が演じているとは気付かない事も多い。スタースクリームとは空で対戦する事も多く、一人二役の掛け合いが多かった。
- 『2010』では、アイアコーン基地に残り、ダイナザウラーからサイバトロンシティを守るために戦い、ダイナザウラーによってサイバトロンシティが崩壊した後はスクランブルシティの警備に当たる。また、別のシーンではサイバトロンのアタック艦隊の戦力として同型の航空機が出撃し、撃墜され四散するカットが挿入されているが、情報が少ないため、パワーグライド本人との関連性は不明である。en:Powerglide (Transformers)
- ビーチコンバー/Beachcomber(声優:阪脩)
- 鉱物学の知識で右に出る者はいないと自負する地質学者。自然を愛し、動物とも会話可能。秘泉ゴールデンラグーンを巡る戦いで、自然が破壊された際、一人「楽園は消えてしまった」と嘆いた。デューンバギーに変形。
- 『2010』では、アイアコーン基地に残り、ダイナザウラーからサイバトロンシティを守るために戦う。en:Beachcomber (Transformers)
- シースプレー/Seaspray (声優:江原正士、石井敏郎(20話)/城山知馨夫:2010時)
- 海上防衛員。海を汚す人間を嘆いてはいるが、地球人型の人間になりたい願望を持つ。また、それを星に願うほどロマンチストな一面を持つ。「変身の泉」では人間の姿になった事がある。ホバークラフトに変形。
- 『2010』では、ブロードサイドと共に海底での調査活動に当たっていた。en:Seaspray (Transformers)
- ワーパス/Warpath (声優:喜多川拓郎、島香裕(19話)、速水奨(51話))
- 戦士。豪快で威勢が良い。砲身を触られるのを嫌う。M551戦車・シェリダンに変形。武器は主に胸の主砲だが、格闘戦も得意とする。初登場した「対決!!ダイノボット PART Ⅱ」ではウォーパスと呼ばれた。
- 『2010』では、アイアコーン基地に残り、ダイナザウラーとの戦闘では指揮を執った。丁寧かつ愉快な口調で喋り、ロディマスを「新人類ならぬ新ロボット類」と評した。
- 本放送当時、日本では商品のパッケージに付いたロボットポイントを集めないと買えない通販専用商品だったが、後年の「ミニボット復刻版セット」に同梱された。en:Warpath (Transformers)
- アダムス/Cosmos (声優:阪脩)
- 宇宙の資源調査などが主な任務。UFOに変形。オメガスプリームのように仲間達を乗せて星間輸送する事も可能(ただし、コンボイは大きすぎて乗せられないとのこと)。デストロンに対しては苛烈だが、基本的には温和な性格。武器は持っていないが、指が銃になっている。小柄かつ太めな外観のせいか、メガトロンに「不細工なずんぐりむっくり野郎(原語では"Humpty Dumpty")」と形容された。日本名は「アダムスキー型UFO」から。
- 『2010』ではスカイリンクスとデストロン討伐任務にも当たっている。
- 本放送当時はワーパス同様、通販専用商品だったが、後に「ミニボット復刻版セット」に同梱。en:Cosmos (Transformers)
[編集] 『トランスフォーマー ザ・ムービー』より登場
- サバイバリスト ウィーリー / Wheelie
- 声 - 小宮和枝 / 英 - フランク・ウェルカー
- クインテッサの星にいたサバイバリスト。スーパーカーに変形。パチンコと相手を逆撫でする口の悪さが武器である。ガードに襲われるホットロディマスとチャーを目撃し、ダイノボット部隊にそれを伝え、共にホットロディマス達を救出する。その後、サイバトロン部隊と合流。
- 『2010』や『ヘッドマスターズ』ではダニエルとよく共に行動し、度々トラブルに巻き込まれる事が多い。
- 『2010』の中盤から終盤にかけて声のエフェクトが強めにかけられていた。
- 玩具版はアニメと大幅にデザインが異なるものの多い2010の商品のなかでも特に異彩を放つデザインである。2005年に顔がアニメに準じて塗装された復刻版がTFコレクションでチャーとセットで発売。en:Wheelie (Transformers)
[編集] 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』より登場
旧商品の一部パーツを変更及び追加。日本では2010での登場を待たずして絶版になり生産数が少なかったが、『トランスフォーマー アンコール』にて発売が予定されている。
- 射撃員アウトバック / Outback
- 声 - 塩屋翼、江原正士(5話) / 英 - ダン・ギルヴェザン、アロン・キンケイド
- 「~と思うけどな」など語尾に「~な」がつくのが口癖のサイバトロン戦士。ブロードキャストとコンビを組む事が多い。4WDジープに変形。
- 玩具はゴングの改修品、モルタル砲が付属している。
- 戦士パイプス / Pipes
- 声 - 堀内賢雄 / 英 - ハル・レイル
- アイアコーン基地に残っていたミニボット部隊の一人。勇敢な性格。また、「修理の専門」と自負するほどの技術者でもあり、メトロフレックスのトランスフォームコグを取り付けた事もある。また、両腕のパイプは溶接だけでなく、ガスを噴出する事も可能。トラックに変形。en:Pipes (Transformers)
- 玩具はドラッグの改修品。
- 鉱石技師ウェーブ / Swerve
- 声 - 稲葉実 / 英 - テッド・シュワルツ
- アイアコーン基地に残っていたミニボット部隊の一人。ダイナザウラーとの戦いでは、銃撃するもののダイナザウラーに踏み潰され、地面にめり込んだ。4WDに変形。
- オルターネーターズではシボレー・コルベットに変形。en:Swerve (Transformers)
- 玩具はギアーズの改修品。
- 偵察員テイルゲイト / Tailgate
- 声 - 城山知馨夫 / 英 - テッド・シュワルツ
- アイアコーン基地に残っていたミニボット部隊の一人。サイバトロンシティを守るためにダイナザウラーと戦うが、画面の揺れや移動で数カットの登場のため存在の確認が困難。トランザムに変形。
- 玩具はチャージャーの改修品。
[編集] アニメ未登場
- ハブキャップ/Hubcap
- アニメ未登場。主に日本版のコミックで活躍。スタジオOXが描いたサイバトロン集合イラストにおいても姿が確認できる。ポルシェ・924に変形。en:Hubcap (Transformers)
- バンパー/Bumper
- アニメ未登場。DW版コミックで活躍。アメリカ版にて、バンブルとクリフのパッケージに誤って封入されてしまった、本来ラインナップに入っていない「ミクロボットカー・ファミリア」に設定を付け加えて誕生した。誤封入事件の詳細は不明だが、ファミリアも発売される予定だったのが中止になり、生産ラインで混乱したというのが有力な説である。ファンの間ではレア商品として珍重されており、バンパーの設定が付け加わるまでは「バンブルジャンパー」とも呼ばれていた。5代目ファミリアに変形。マツダのレシプロエンジン車に変形するトランスフォーマーという、こちらの意味でもレアな存在である。en:Bumper (Transformers)
[編集] その他
[編集] 関連キャラクター
- ウィーリー/High Wire、バンク/Grindor、アーシー/Sureshockの三体のマイクロンが合体するバンブル/Perceptorが登場。初代バンブル、ウィリー同様子供達との信頼は厚い。
- ホッパー/Highwire、チャージ/Sureshock、ランウェイ/Grindorの三体のマイクロンが合体するクリフジャンパー/Perceptorが登場。アメリカ版では『マイクロン伝説』のバンブルと同一人物という設定。
- バンブルビー/Bumblebeeが主役級のキャラクターとして登場。他のオートボッツらが地球へと飛来する以前に地球に送り込まれた斥候。人間の言葉は理解可能だが発声機能を以前の戦いで損傷していたため、自分からは電子音やカーラジオを介してしか対話できなかったが終盤で機能を回復した。
- 当初は 1974年型シボレー・カマロの中古車に変形していたが、ビークルモードがボロボロであることをミカエラに指摘された事に機嫌を損ね、ニューボディとして、やはりシボレー・カマロの2006年コンセプトモデルと同型の車体に変形する能力を獲得する(こちらの玩具上の名称は「ニューバンブルビー」)。