マツダ・ボンゴフレンディ
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ボンゴ フレンディ(BONGO FRIENDEE)はマツダがかつて発売していたセミキャブオーバー型ミニバンである。車名が長いので、通称「フレンディ」と呼ばれることが多い。
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[編集] 概要
ボンネットこそあるものの、その中はウォッシャータンク・バッテリーしか収められておらず、緩衝材が収められている訳でもないので、クラッシャブルゾーンには該当しない(地面が見える)。よって、エンジンは運転席床下に縦置きに搭載されている(標準車はFR式2WD)。その部分の床面は高く、運転姿勢は足を前に投げ出すようなスタイルになる。前後のウォークスルーは全く考慮されていない。また、4速ATのフロアセレクターが備わるセンターコンソールもあるため、左右のウォークスルーも出来ない。一方で、同車と同じクラスに位置付けられる車種の中でフロントエンジンタイプを採用した車種と比較すると、その車内は広い。
エンジンは4気筒 2000ccのガソリンエンジン、または2500ccのディーゼルエンジンである。かつてはV型6気筒 2500ccモデルもあったが廃止された。また、ディーゼルエンジンは自動車排出ガス規制に適合しないため、規制地域では新規登録ができない。
プラットフォームはマツダ・SGプラットフォームを用いている。後輪駆動であるため前述のエンジン位置とも併せ、フロントミッドシップFRということになる。
初期型には、3列目シートの部分を一部仕様変更しギャレーなどを標準装備した「RF-Vキャンパー」というグレードが存在した。このグレードは特殊用途の車両に該当するため、8ナンバーが適用された。
三菱・デリカスペースギアと同様、ボンゴフレンディのオートフリートップ装着車もアウトドア志向のオーナーが多い。
インチアップされた際のタイヤホイールマッチングは18インチでホイールサイズはリム幅7.5jオフセット+45 タイヤサイズは225/45-18である。
AFT非装備車には開閉可能なサンルーフ付きのグレードもあったが、AFT車は全グレードに標準装備となった。ただし、窓の開閉はできない。
[編集] オートフリートップ
この車の最大の特徴は、ルーフ部分が電動で持ち上がる、ダイキョー・ベバスト(現ベバストジャパン)製の「オートフリートップ、英語表記Auto Free Top(略称:AFT) 」の採用である。
展開させるとキャンピングカーのポップアップ式テント同様、新たな「部屋」が出現する。「2階席」の広さは、身長の低い子供であれば中で立つことができ、大人二人の就寝スペースにも十分なものとなっている。床はクッション敷きで、テントの窓には虫除け網も備わる。
テント部分との昇降は、1、2列目シート間天井のアクセスホールで行う。オートフリートップ上面には固定式のサンルーフがあり、オートフリートップを開いている場合はテント内部、閉じている場合は車内の明かり取りとしても機能する。この他、就寝時など、アクセスホールが使えないときのため、飲み物などの受け渡しに使える小窓も用意されるなど、その使い勝手には抜かりが無い。
5ナンバーサイズの車体であるが、AFT装備車は全高が5ナンバーサイズの上限である2mを超えるため、排気量に関わらず3ナンバーとなる。
オートフリートップは全車に装備されていたわけではなく、通常ルーフのグレードも設定されていた。その場合、通常のスライド式サンルーフが選べる。
[編集] 歴史
- 1995年6月 - ボンゴワゴンの事実上の後継モデルとして発売。
- 1997年11月 - 一部改良。
- 1999年2月 - マイナーチェンジ。エクステリアが一部改良される。
- 2001年9月 - マイナーチェンジ。
- 2005年12月 - 生産終了。現在のところ、マツダ最後の5ナンバーサイズミニバンであり、これ以降、マツダからセミキャブオーバー型ミニバンは誕生していない。
- 2008年夏発売予定 - マツダ・ボンゴフレンディの後継車「ビアンテ」が5月9日に先行公開。2000ccクラスの新型ミニバン。車名は「周囲を取り巻く」「環境」という意味。Ambientの造語。
[編集] フォード・フリーダ
フリーダ(FREDA)は、フォード・モーターがオートラマで販売していたセミキャブオーバー型ミニバンである。ボンゴフレンディと姉妹車であり、スペクトロンの後継車である(ただし、スペクトロンは1997年まで販売されていた)。
[編集] CMキャラクター
[編集] キャッチコピー
- 「スッコーン」(初期)
- 「家族をとことん遊ばせるボンゴフレンディ」(中期)