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シビックハイブリッド(初代はCIVIC Hybrid、二代目はCIVIC HYBRID。欧州版ではCIVIC IMA=シビック・イーマ)は、本田技研工業が生産しているシビックフェリオ(4ドアセダン)をベースにしたガソリン/電気ハイブリッド乗用車。インサイトに搭載した独自のハイブリッドシステム「Honda IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システム」をさらに高効率化させた「新Honda IMAシステム」を搭載した。
[編集] シリーズ共通の特長
- 自社/他社同クラス4ドアセダンに対する燃費向上。
- 税制区分ではエンジン排気量1,300cc車となり、低排出ガス車優遇期間が過ぎても同クラスのセダンに比べ納める税金が若干少ない。
[編集] シリーズ共通の注意点
- アシスト用モーター製造時にローターへ浸透した切削油が遠心力でケース合わせ面から染み出てくるのを、モーターユニット下部から外部に漏出させる構造になっている。これは数万キロ走行後も続くことがあるが「仕様」であり、実用上は問題無く、どのくらい走行すれば止まるかも不明である。漏出する切削油は薄い黄緑色をしており、ATFやエンジンオイルとは色・粘度・臭いなどが違うが、この構造に関する予備知識が無ければ、欠陥によるオイル漏れと間違われることがある。整備は、単に外面の洗浄だけで良いが、これについてユーザー向けの取扱説明書 等への記載は無く、ディーラーメカニックでも知らない場合もあるが、本田技研側は積極的にアナウンスする予定は無いようである。
- 後席バックレスト後方にニッケル水素電池を含むIPU(インテリジェントパワーユニット)があるため、同クラス4ドアセダンで普及しつつあるリアシートの分割可倒はできない。
[編集] 歴史
[編集] プロトタイプ
[編集] 初代(2001-2005年 ES9型)
[編集] ES9 100
- 2001年12月14日に発売開始された。ベースとなるシビックフェリオとの駆動システム以外の違いは、10mm低い車高、黒檀調のセンターパネル、専用アルミホイール、トランクリッドエアスタビライザー、空気整流用のアンダーパネル、リアシート後方の室内吸気口(走行用バッテリーを空冷し、トランク内部に廃熱する)、革装のステアリングホイールとシフトノブや左右側面方向指示器下部のhybridエンブレム(欧州版ではIMAエンブレム)など。
[編集] ES9 110
- 2002年10月17日に一回目のマイナーチェンジを受け、ハーフシェイド・フロントウインドウやハイグレードキー採用の電波式キーレスエントリーシステムに、アンサーバック機能が付加された。またAM/FMチューナー付CDプレーヤー(時計機能付)+4スピーカーを標準装備した。シート地もモケットからトリコットに変更して質感を向上させた。
[編集] ES9 120
- 2003年9月18日の二回目のマイナーチェンジでは、新デザインのヘッドライト形状とフロント/リアバンパー、サイドシルガーニッシュを装着し、スタイリングを一新するとともに、運転席アームレスト、木目調センターパネル&ドアライニングの採用で内装の質感を大幅に向上させた。
セキュリティ面ではイモビライザーを標準装備し、防盗性を向上した。また、6.5インチのタッチパネルモニターやHDDを採用した、Honda初のオーディオ一体型HDDナビゲーションシステム(音声認識機能、インターナビ・プレミアムクラブ対応)をメーカーオプション設定した。
[編集] 2代目(2005年- FD3型)
ホンダ・シビックハイブリッド(2代目)
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メーカー |
{{{メーカー}}} |
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親会社 |
{{{親会社}}} |
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製造国 |
{{{製造国}}} |
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製造期間 |
2005年- |
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設計統括 |
{{{設計統括}}} |
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デザイナー |
{{{デザイナー}}} |
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乗車定員 |
5人 |
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ボディタイプ |
4ドア セダン |
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ハイブリッド |
Honda IMAシステム |
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エンジン |
LDA型 1.3L 直4 SOHC i-VTEC |
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モーター |
MF5型 薄型DCブラシレスモーター |
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最高出力/トルク |
{{{最高出力/トルク}}} |
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最高出力 |
{{{最高出力}}} |
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最大トルク |
{{{最大トルク}}} |
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変速機 |
CVT(マルチマチックS) |
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駆動方式 |
FF |
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サスペンション |
前
マクファーソンストラット
後
ダブルウィッシュボーン |
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全長x全幅x全高 |
{{{全長x全幅x全高}}} |
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全長 |
4,540mm |
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全幅 |
1,750-1,755mm |
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全高 |
1,435mm |
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最低地上高 |
{{{最低地上高}}} |
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ホイールベース |
2,700mm |
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車両重量 |
1,270-1,320kg |
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乾燥重量 |
{{{乾燥重量}}} |
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総重量 |
{{{総重量}}} |
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最大積載量 |
{{{最大積載量}}} |
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燃料タンク容量 |
{{{燃料タンク}}} |
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燃費 |
{{{燃費}}} |
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別名 |
{{{別名}}} |
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先代 |
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後継 |
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姉妹車/OEM |
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車台共有車 |
シビック(8代目)ただしシビック4ドアセダンとしては7代目。 |
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同クラスの車 |
トヨタ・プリウス |
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- 2005年9月22日に8代目シビックと同時に発表、同年11月22日より発売された。基本的なハイブリッドシステムは初代と共通であるがバッテリ、モーター、エンジンともに性能面で改良された。
- エンジンは従来通り1,300cc 直列4気筒であるが、「3ステージi-VTEC」となり低速走行時には全気筒休止を実現し、モーターのみの走行モードが新たに加わった。エンジンでの走行時も高負荷では高速バルブタイミングへの切り替えで最高出力も70kW(95PS)/6,000rpmへと向上した。初代ではリーンバーンだったが排ガス浄化性能を高めるためにストイキ化されて平成17年排ガス基準50%低減レベルから同75%低減レベルへと一層クリーン化された。
- 安全装備面では、IHCCのミリ波レーダー(フロントの「H」マーク内部に装備)を活用した追突軽減ブレーキ〈CMBS〉と、追突の危険性をシートベルトの断続的引き込みで知らせるE-プリテンショナー(運転席/助手席)をオプション装備できる。
[編集] FD3型各グレードの発売時期と、仕様等の差異
- 車両挙動安定化制御システムVSA(ビークルスタビリティアシスト)を標準装備。
- クロームメッキ・アウタードアハンドルを採用。
- ディスチャージヘッドライト(ロービームにオートレベリング機構付)
、ドアミラーウインカー、15インチアルミホイールを標準装備。
- 車両挙動安定化制御システムVSA(ビークルスタビリティアシスト)を標準装備。
- フォグライトと電気式トランクオープンスイッチを標準装備。
- 専用16インチアルミホイール採用
- ディスチャージヘッドライト(ロービームにオートレベリング機構付)、ドアミラーウインカーを標準装備。
- 車両挙動安定化制御システムVSA(ビークルスタビリティアシスト)を専用標準装備(ただし2007年9月から全グレードに標準装備)。
- フォグライトと電気式トランクオープンスイッチを標準装備。
- アルカンターラ素材をシート表皮などのインテリアに採用。
[編集] FD3型に関するトリヴィア
- 第25回日本カー・オブ・ザ・イヤーの「モースト・アドバンスド・テクノロジー」をシビックとともに獲得している。
- TV-CMでのイメージソングは、オーケストラ演奏をバックに女性ボーカリストLeah(レーア)の歌う「好きにならずにいられない」。これはもともとエルビス・プレスリーの名曲だが1986年にコリー・ハートもカバーしており、シビックおよびシビック・ハイブリッドのCMで採用されたことがきっかけで『ベスト・オブ・コリー・ハート』(東芝EMI)が発売されたりしている。CMナレーターはふとがね金太。
- 兵庫県警察ではパトカーとして導入されている。
- 仙台市内では、値段が安い法人タクシー(当初は初代プリウスを大量に導入していた)として多数が導入されている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク