ヘッド (ギター)
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ヘッドはギターや類似の弦楽器の一部。主な機能は弦の端を保持することである。弦はブリッジからナットを経て、通常はヘッド上のペグに固定される。ペグは弦の張力を調整し、調律するために使われる。
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[編集] 構造
伝統的なレイアウトは上下に3基ずつのペグを配した「3+3」と、一列に配した「6インワン」であるが、その他の配置もあり、特にエレクトリックベースや6弦以外のギターに多い。ペグが不必要(不必要であるか、ボディ上などに別の調律機構を持つ場合)ならばスタインバーガーやチャップマン・スティックのようにヘッドその物が完全に無くなる。
ヘッドはネックとは別に削り出され、いくつかの接合方法(たとえばスカーフ・ジョイント)を使って接着される。 ヘッド構造には弦がナットを通過した後にどのように扱われるかで2種類のメジャーなトレンドがある。それぞれに長所、短所があり、議論の余地があり主観に左右される。
- ストレート - ヘッドとネック(およびフィンガーボード)は単一面を形成する。製造が簡単で、ワンピースで作成することが可能である。フェンダーは通常、角度の無いストレート・ヘッドを用いる。ナットから先の弦の角度が浅いため、演奏中に弦がナットの溝から外れるのを防ぐストリング・リテイナーが使用される。
- アングルド - ヘッドはネック面と鋭角を形成する。ベストな音色と安定性をもたらす角度(マジック・アングル。ヘッド・ピッチとも呼ばれる)についても議論の余地はあるが、おおむね3°から25°になっている。メーカー/モデル別の例を以下に挙げる。
- ギター
- ベース
どちらのタイプの職人も、音の良さ、サスティーンの長さ、音程の持続を長所として挙げる。両タイプの脆弱な構造も欠点として挙げられる。
- ワンピースネックは衝撃により折れやすい。
- 接着ネックは経年により折れるようになる。
主機能とは別に、ヘッドは修飾的役割も持っている。ほぼすべてのメーカーはここにロゴを記している。ペグを持たないギター(たとえばフロイドローズ・スピードローダー)では、純粋に装飾目的でヘッドが付いている。
[編集] 特徴的ヘッドの輪郭
メジャーなギターメーカーはギターやギターシリーズの見分けがつくよう、特徴的ヘッド形状を用意している。ギター産業にはギターのボディデザインをコピーしてもよいという不文律があるが、メジャーメーカーはヘッドデザインはコピーしない。以下の節にあるように、一見コピーのように見えても寸法や要素の比率等からはっきりとした違いが見られ、ヘッドを見ればほぼブランドを言い当てることが出来る。
[編集] フェンダータイプの6インワン
フェンダー・ストラトキャスター:スモールヘッド。現在はアメリカ製およびメキシコ製で使用。 |
フェンダー・ストラトキャスター:ラージヘッド。1970年代に使用され、現在はスクワイアで使用。 |
ギブソン・ファイヤーバードシリーズ(逆向きでも使用) |
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フロイド・ローズ:ペグの全くない装飾用ヘッド |
[編集] 伝統的 3+3
ギブソン・レスポール、SG, 1960年製 |
ESP・ECシリーズ |
PRS:非対称。ほとんどのギターで使用 |
PRS:対称。サンタナ3で使用 |
ギブソン・フライングV、1958年製 |
ディーンの標準的ヘッド |
[編集] 6インワン ポインティド・ヘッド
ESP:シグネチャ・モデルやホライゾンNT-II、M-II等で使用(逆向きでも使用) |
アイバニーズ:ロック・シリーズで使用(逆向きでも使用) |
ジャクソン(逆向きでも使用) |
ウォシュバーン (逆向きでも使用) |