プロゴルファー猿
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『プロゴルファー猿』( - さる)は、藤子不二雄A作のゴルフ漫画、またはそのテレビアニメ、アニメ映画である。
少年漫画初のゴルフ漫画であり、ゴルフの知名度を向上させた。現実離れした荒唐無稽の作品との評価が一般的だが、風速、残り距離、芝目など基本情報はしっかり書き込まれている。 本作における世界観は、現実世界とは異なる「裏のゴルフ界」として設定されている。
目次 |
[編集] 用具
- 裸足
- シューズをはかない。猿丸の野生児ぶりを象徴するスタイルでもある。足で芝目を読むことも出来る。黄金仮面との一度目の対戦時に雨で足を滑らせてしまい敗戦を喫したが、リターンマッチでは松脂をグリップ代わりに足の裏に塗り、滑りやすさを克服した事もある。
- ドライバー
- シャフトからヘッドまで全て木製で、猿丸の自作。
- パター「正宗」を得るまでは、これ1本でティーショットからパットまでこなしていた。折れるなどして3本を製作。3本目は「雷電」と名づけられた。
- パター「正宗」
- パター作りの名人、左甚五斎の作品。闇兵衛とのパット対決時に初登場。甚五斎から山で助けたお礼として譲り受けた。以降のエピソードでもドライバーのみを使う対戦が多かったが、猿がパット病にかかった際に再登場し、ウッドドライバーと共に猿にとっては欠かせない武器の一つになった。スイートスポットに当たると鍔鳴りのような澄んだ共鳴音が出る。
- クリーク
- 小丸用に作られた5番ウッドだが、時々借りて使う。
- サンドウェッジ
- プロテスト受験前、猿丸が山にこもっている間に中丸が作成したもの。「ウッドウェッジ」とも呼んでいた。
[編集] 技
- 旗つつみ
- 猿の最も得意な技であり、作品中頻繁に登場する。カップの上で風にはためく旗にゴルフボールを命中させる。ボールは旗に包み込まれそのまま落下してカップインする。当然ながら無風の日や、風が舞い乱れている日にはこの技は使えない。実際に行うのは物理的にほぼ不可能だとされるが、テレビゲームのゴルフゲームでは可能なことが多い(作者いわく自らゴルフをしていた時に、偶然ボールが旗に当たり包まれたとされる)。ゴルフに興味のある人間ならばプロゴルファー猿は知らなくともこの技は知っているほど世間一般の認知度はある。類似の技でピン(カップに刺さった旗ざお)に当ててそのままチップインさせる技もある。
- もず落とし
- 上空を飛ぶモズを打ち落とす程高く打ち上げ、そのまま急降下させる打法。林や障害物を越える際や飛距離を加減する場合に使用。
- 岩返し
- 岩にボールをぶつけて、その跳ね返りで狙った場所にボールを落とす。岩の凹凸のために非常に難しい。
- ブレーキ打ち
- 木の枝などの障害物を貫通させる事で飛距離を調節する打法。
以前TBS系で放送されていた「ギミア・ぶれいく」で、日本を代表するプロ・ゴルファー青木功が、旗つつみと岩返しにチャレンジしたことがあるが、やはりプロでも漫画の技はムリという結果に終わった。
[編集] キャラクター
[編集] 猿谷家
- 猿谷猿丸(さるたに・さるまる)
- 通称「猿」。猿谷家の長男。名の通り猿そっくりだが、実は天才少年ゴルファー。アマチュアであるが、自称「プロゴルファー」(賭けゴルファー)として活躍している。自慢の手作りの木製クラブで日夜勝負を繰広げている。女性に弱く、褒められるとだらしなくなる。猿谷家で唯一、関西弁交じりで話す。中学生という設定だが、学校には殆ど行かずゴルフに明け暮れる。後にプロテストを受け、正真正銘のプロとなる。
- 猿谷中丸(さるたに・なかまる)
- 次男(原作では三男)。度の強い眼鏡をかけているので瞳が無いように見える。兄弟間では一番の賢さで、猿丸のキャディ兼ブレーン役。パッティングが得意で、モップで作ったパターをサム・スニードの得意とする「サイドサドルスタイル」で使いこなす。
- 猿谷大丸(さるたに・だいまる)
- 三男(原作では二男)。大柄でのんびり屋。少々頭が良くないが、ゴルフの腕は良い。特にカップまでの目算に優れる。木の枝を削って作ったパターを所持。物語序盤では「おおまる」と読み仮名が振られていた。
- 猿谷小丸(さるたに・こまる)
- 四男の末っ子。幼児の癖にいつも一升瓶を抱えて酒を飲んで酔っ払っている。アニメ版では瓶の中身がミネラルウォーターに変更された。兄達を「あんにゃー」と呼ぶ。傘の柄を改造したパターと、猿丸のドライバーと同じ方法で作ったクリークを所持。
- 母親
- 猿丸達一家を支えている。猿丸の行動をいつも心配している。
- 姉
- 長女で猿丸の姉。家計を支える為に、ゴルフ場でキャディをしている。
- ゴエモン
- 猿谷家の飼い犬。温泉好き。アニメ化に伴い登場。
[編集] 猿を取り巻く人達
- おっちゃん
- 猿丸と賭けゴルフでいつも負けている中年。ゴルフは下手だが、ずるをして勝った事もある。金製のパターを持つなど、結構金持ち。
- 若葉
- おっちゃんの娘で、父親とは似つかぬ美少女。猿丸に好意を抱いている。アニメ版のみ登場するオリジナルキャラ。
- 左甚五斎
- パター(特に木製・竹製パター)製作の名人。弟子の闇兵衛に「村正」を持ち出されるが、その後猿に「正宗」を授ける。
- 鹿島大造
- 阿古記者
- 球斎名人
[編集] ライバル達
- 剣崎健
- 連載初期からのライバルで、将来を有望視されるアマチュアゴルファー。
- 猿の自宅近くにあるゴルフコース「奥山カントリークラブ」の御曹司。
- 大神
- 大海浜カントリークラブでのアマチュア選手権で登場。
- プロ野球(打者)から転向したゴルファーで、出で立ちも黒の野球ユニフォームで固めている。
- 得意技は、バンカーからボールを砂でくるんで打ち上げ、正確にグリーンに止める「砂爆弾」。
- 日影
- 大海浜カントリークラブでのアマチュア選手権で登場。周囲に流されないパープレイが信条。
- 鷹巣
- ゴルフ特訓道場でプロテスト受験資格を猿と争ったゴルファー。
- 切り札「フラミンゴ打法」で、本来のゴルフクラブの飛距離以上に距離を伸ばすことができる。
[編集] 敵サイド
- ミスターX
- いつも覆面に黒いサングラスをしている、正体不明の影のプロゴルファー組織のボス。しかしテレビ出演したこともある。猿丸のゴルフの腕に目を付け、影の組織に引き込もうとする。
- コング・拳(こんぐ・けん)
- 怪力を誇る元野球選手だったがオフのゴルフ中に事故を起こし引退。姿をくらましミスターXの組織入りした。猿丸とのドライビング競争の刺客となる。野球バットでゴルフボールを打つ豪快なドライビングショットは300ヤードを優に超える。
- 黄金仮面
- 冷静なプレーで猿を初めて破った影のプロゴルファー。しかしその正体は、アルコール中毒で選手生命を絶たれた全米プロ、キャプテン・イーグルであった。
- 闇兵衛(やみべえ)
- 盲目のパット名人にして影のプロ組織第3の刺客。パター職人・左甚五斎の弟子だったが、ある時師の傑作の一つ「村正(上述の『正宗』と対を成す漆黒のパター。スィートスポットに当たると刀で斬ったような共鳴音を発する)」を持ち逃げした。
- 紅蜂(べにばち)
- 本名:紅初子(くれない・はつこ)。大変な美女だが影のプロゴルファーで謎が多い。主にミスターXの側近として行動し、指令で猿丸のドライバーを折った事もあった。猿丸との対戦後は彼に味方するシーンも見受けられ、ミスターXにも時として逆らう事も。妹の「レッド・スコルピオ」も影のプロゴルファー。
- ドラゴン打ちの竜
- 香港からやってきたミスターXの組織最強の刺客。「ヌンチャクドライバー」「トンファーウエッジ」などの武器とカンフーを駆使したプレースタイルで猿丸を最後まで苦しめた。武道家のため、勝負に対しては非常にストイックでフェア。
- 死神
- プレー相手が死ぬ(しかしその全てが偶然の事故として処理される)ことから、ゴルフの殺し屋の異名をとる刺客。
[編集] 漫画
1974年~1980年に少年サンデー(週刊、増刊)、1982年~1988年にコロコロコミック(月刊、別冊)で連載された。
- 少年サンデーコミックス「プロゴルファー猿(小学館)」 全19巻
- てんとう虫コミックス「新・プロゴルファー猿(小学館)」全11巻
- 藤子不二雄ランド「新版 プロゴルファー猿(中央公論社)」全22巻
- 藤子不二雄ランド「新・プロゴルファー猿(中央公論社)」全9巻
- 愛蔵版「プロゴルファー猿(中央公論社)」全4巻
- 中公文庫コミック版「プロゴルファー猿(中央公論社)」全13巻
- 藤子不二雄Aランド「新版 プロゴルファー猿(ブッキング)」全22巻
- 藤子不二雄Aランド「新・プロゴルファー猿(ブッキング)」全9巻
- ビッグコミックス「サル(小学館)」全5巻
[編集] アニメ
[編集] テレビ
- 「プロゴルファー猿」(スペシャル)
- 「プロゴルファー猿」(シリーズ)
- 「新プロゴルファー猿」
- 1988年4月11日~1988年6月13日にテレビ朝日の「藤子不二雄Aワールド」内で放送された。全10話。
[編集] キャスト
- 猿谷猿丸 - 頓宮恭子
- 猿谷中丸 - 高木早苗
- 猿谷大丸 - 峰あつ子
- 猿谷小丸 - 原えりこ
- 母親 - 高村章子
- 姉 - 鵜飼るみ子
- ゴエモン - 峰あつ子
- おっちゃん - 富田耕生
- 若葉 - 堀江美都子
- 紅初子(紅蜂) - 平野文
- 剣崎健 - 井上和彦
- カンクロウ - 田中真弓
- ディンプル - 田中真弓
- ドラゴン - 田中秀幸
- 鹿島大造 - 渡部猛
- 支配人 - 肝付兼太
- 鷹巣 - 塩屋翼
- 大岩みどり - 原えりこ
- ミスターX - 内海賢二
- ナレーター - 野島昭生
[編集] 主題歌
- 夢を勝ちとろう(プロゴルファー猿 OP)
- マイウェイ猿丸(新プロゴルファー猿 OP、ビデオ版プロゴルファー猿 ED)
[編集] 映画
[編集] 「スーパーGOLFワールドへの挑戦!!」
[編集] キャスト
- 猿丸 - 頓宮恭子
- 中丸 - 高木早苗
- 大丸・ゴエモン - 峰あつ子
- 小丸 - 原えりこ
- おっちゃん - 富田耕生
- 若葉 - 堀江美都子
- ピエロ - 大竹宏
- 父親 - 野島昭生
- 子供 - 安田あきえ
- ミスターX - 内海賢二
- 紅蜂 - 平野文
- 氷川博士 - 納谷六朗
- タイタン - 二又一成
- コング拳 - 西尾徳
- 闇兵衛 - 中尾隆聖
- 変奇プロ - 塩沢兼人
[編集] 「甲賀秘境!影の忍法ゴルファー参上!」
- 同時上映「ドラえもん・のび太と竜の騎士」「オバケのQ太郎・とびだせ!1/100大作戦」
ちなみにビデオ化に際しては上記作品群とではなく「エスパー魔美・星空のダンシングドール」とともに収録された。
[編集] キャスト
- 猿丸 - 頓宮恭子
- 中丸 - 高木早苗
- 大丸・ゴエモン - 峰あつ子
- 小丸 - 原えりこ
- おっちゃん - 富田耕生
- 若葉 - 堀江美都子
- 霧の大老 - 槐柳二
- トビ丸 - 坂本千夏
- 胡蝶 - 江森浩子
- カラス麻呂 - 青森伸
- 福助 - 増岡弘
- 影王丸 - 三ツ矢雄二
- ミスターX - 内海賢二
- 紅蜂 - 平野文
- 銀仮面 - 佐藤正治
- ナレーション - 野島昭生
- カラス - 柴本浩行、田中真弓
[編集] パチンコ
過去に「CR・パチスロ忍者ハットリ君」、「CR怪物くん」を発売した大一商会より2007年3月にパチンコ「CRプロゴルファー猿」として発売。
[編集] 外部リンク
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