ブギーポップシリーズの登場人物
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ブギーポップシリーズの登場人物では、上遠野浩平の小説『ブギーポップは笑わない』をはじめとするブギーポップシリーズおよびその関連作品に登場する架空の人物を列挙する。
()内はアニメ版および映画版の出演者。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 主人公
- ブギーポップ (アニメ:清水香里/映画:吉野紗香)
- 世界の危機に関わる異変を察知した時に自動的に現れる宮下藤花の別人格。一人称は「僕」。竹田啓司は「彼」を最初「変身ヒーロー」と連想していた。「ブギーポップ(不気味な泡)」という名前は、世界の危機をきっかけにして無意識下から自動的に現れるその性質を、水底から水面へ浮かび上がる泡に喩えた自称。また「死神」や「世界の敵の敵」などとも呼ばれる。
- ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を口笛で吹きながら現れ、特殊なワイヤーを武器として戦い、対峙した敵の多くはそれによってバラバラに切断される。人間の身体能力の限界を引き出している相手や、強力な戦闘用合成人間相手であっても圧倒する程の戦闘能力を示し、またMPLSが持つ能力の効果外の存在である事が多い。こと、心理攻撃に関してはほとんど影響を受けた事がない(影響を受けたのはイマジネ―ターと歪曲王のみ)。
- シリーズ一作目のタイトルで「ブギーポップは笑わない」と言われるように、感情を表す(と思われる)時は左右非対称の奇妙な表情(笑顔とその他の感情である事が多い)を浮かべるが、一度だけ「歪曲王」にて笑った顔を見せている。これは当初「歪曲王」がシリーズ最終作になるはずだったための演出であった。
- 本人は「嘘を吐いた事がない」と言っているが、フォルテッシモとの約束を破り「大嘘吐き」と呼ばれた。
- 女子高生の間では都市伝説的な存在として知られている。何の悩みにも縛られず、ただ殺すための存在だが、天色優に辻希美のスケッチブックを渡すなど粋な演出をすることもある。
- 名称の由来はイギー・ポップであると思われる。
- 宮下藤花(みやした とうか)(アニメ:清水香里/映画:吉野紗香)
- 県立深陽学園に通う女子高校生。初登場時高校二年生。
- 素直で明るい性格の少女で、時には元気のない友人を多少手荒ではあったが、叱咤激励する様子なども見せる。彼女から上級生の竹田啓司に告白し、現在は恋人関係にある。また、同級生の末真和子とは親しい友人で、良く行動を共にしている。口笛は吹けない。
- 常にブギーポップの衣裳を入れた大型のスポルディング製の鞄を持ち歩いているが、ブギーポップの人格が現れていた間の欠落した記憶は、彼女の無意識下で整合性のある記憶に刷り返られている為、本人は自分がブギーポップだということを自覚していない。『ブギーポップは笑わない』のエピソードの中で後に大学受験に失敗した事が判明しており、アニメ版ではそれは入試中にブギーポップになったせいだという事になっている(ブギーポップもこの事に関しては「悪い事をした」と発言している)。
- なお、ブギーポップが都市伝説となっているのは、彼女が無意識の内に吹聴したものが拡散したためと霧間凪は推測している。
[編集] レギュラーキャラクター
以下に挙げる2人は準レギュラー的存在であり、全ての作品に登場するわけではない。
- 霧間凪(きりま なぎ) (アニメ:浅川悠/映画:黒須麻弥)
- 「炎の魔女」と呼ばれる女子高校生。いわゆる“正義の味方”を目指し、それに伴った活動をしている。
非常に頭の回転が速い事に加え、恐ろしく高い戦闘能力の持ち主で、更に芸能界からもスカウトを受けたりしていた大変な美少女である。また学校側からは不良としての扱いを受ける程生活態度は悪いが、成績は極めて優秀。様々な事柄を経たことで「炎の魔女」の呼び名は有名となり(自称もしていた)、他者もその名前を知らずともそれを直感で意識させる風格を携えた人物で、救出対象を「助けるために」多少手荒に扱うなどの描写も見られた。しかし気の置けない弟である正樹には姉弟らしいイジワルをしたりもしており、弟の彼女である綺の事は本当の妹のように可愛がっている。また、料理はかなり上手いらしい事が、調理師学校に通う綺の視点で判明している。
正義の味方として自らが信じた戦いを何年も続けており、「世界」の背景に潜む存在に気付きつつある。羽原によれば彼女自身はいずれ統和機構と全面的に対する事になると示唆されている。羽原とは親友である紙木城直子を失ってしまった一件から、あくまでサポート役に徹しさせていたが、とある一件で凪の心が折れてしまいそうな事態には彼の存在によって凪は自らを保ち続けた。
初登場時は高校二年生だが、過去に一年間休学しているので実際には藤花たちより一歳年上である。一人称は「オレ」だが、アニメ版では諸事情により「あたし」となっていた。
- 末真和子(すえま かずこ) (アニメ:長沢響/映画:清水真実)
- 県立深陽学園に通う女子高校生で凪のクラスメイト。初登場時高校二年生。また、宮下藤花の親しい友人で、この両方の重要人物と親しい友人関係を築いているのは彼女だけである。ブギーポップ、霧間凪、オキシジェンなどの主要人物全てから近くて遠い位置に存在している重要人物。
中学一年生の時に自分が連続殺人犯の標的になっていた事を知り、犯罪心理学などに興味を持つようになる。友人からのあだ名は「博士」。友人や後輩からは相談相手として非常に慕われているが、同級生相手に殺人方法についての詳しい解説を披露して引かれたりもしており、その際は軽く自己嫌悪していた。
何か事件が起こるとそれに首を突っ込もうとする(が、多くの場合、彼女が実際に事件に関わる際には既に事件が収束している)。
非常に優れた洞察力と推察力、加えて膨大な知識を兼ね備えている。凪をして「自分の知る限り最も頭の良い人物」とされ、飛鳥井仁を相手に心理戦で完勝するという一面も見せた。また、外伝の『ロンドン・コーリング』では、超然とした存在である事が多い「自動的」な存在の残滓相手に、満足のいく解答を示すなどの活躍を見せている。
[編集] 『ブギーポップは笑わない』の登場人物
- 竹田啓司 (たけだ けいじ)(映画:川岡大次郎)
- 宮下藤花とつきあっている県立深陽学園の生徒。初登場時三年生。ブギーポップの唯一の友人でもあり、シリーズ最初の語り部。
進学校である深陽学園では珍しい就職組で、クラスから若干浮いた存在となっていた。卒業後はデザイナーの道を目指してデザイン事務所に入ったらしい。なお、自分の事を「友達」と呼んでくれた彼に対してブギーポップがどう思っているのかは『歪曲王』で少し知る事が出来る。
不定期に発表されている『竹泡対談』では、ブギーポップと二人で毎回違ったテーマについて話している。アニメ版では藤花の写真の中のみで登場。 - 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『パンドラ』『歪曲王』『ペパーミントの魔術師』『ジンクスショップへようこそ』『Boogiepop Phantom』『竹泡対談』『沈黙ピラミッド』
- エコーズ (アニメ:松野太紀/映画:寺脇康文)
- 地球を調査するためにやってきた地球外生命体。地球人に変身して調査をするはずだったが、誤って未来の人類の姿になってしまい、統和機構に捕獲された。結果、彼のデータを元に合成人間がつくられる事となる。
その正体は上遠野の作品であるナイトウォッチ三部作等に登場する地球外存在・「虚空牙」によって送り込まれた存在の一つ。彼を含む「送り込まれた存在」がもたらした情報によって、地球には虚空牙が襲来する事となった。統和機構の施設を脱出した後に、ボロボロになって町を彷徨っていた所を紙木城直子に保護される。 - またアニメ版では彼が情報を送った際の光の影響によって数々の事件が引き起こされる。その起こした影響については、上遠野の他の作品でも多数発生や影響が見受けられる。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『夜明けのブギーポップ』『Boogiepop Phantom』
- 百合原美奈子(ゆりはら みなこ)/マンティコア (アニメ:浅野まゆみ/映画:酒井彩名)
- エコーズを元に統和機構に造られた合成人間。エコーズと同じく変身能力を持ち、また体内で薬物を生成する事ができる。深陽学園の優等生・百合原美奈子を殺害し、その姿を借りている。人を殺し、捕食する事からブギーポップは彼女を「人喰い(「マンティコア」の語源でもある)」と呼んでいた。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『Boogiepop Phantom』
- 早乙女正美(さおとめ まさみ) (アニメ:福山潤/映画:高野八誠)
- 深陽学園の1年生。自身を含むあらゆる「生」への根深い憎悪を内包し続けた果てにマンティコアに出会う。
普通の人間として唯一マンティコアに協力し、最後はエコーズの攻撃からマンティコアをかばって死亡する。なお、ブギーポップが探していた世界の敵「人を喰うもの」はマンティコアではなく彼の方である。 - 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『パンドラ』『Boogiepop Phantom』
- 谷口正樹(たにぐち まさき)
- 凪の義理の弟(凪の実母の再婚相手の連れ子)。帰国子女。『笑わない』では顔見せ程度の登場だが『VSイマジネーター』では主人公を務め、その後の作品でも度々登場する。
性格は温和で人懐っこく、相手への分け隔てなく親切に接するが、その容姿が良い事も合わせて凪には「将来女ったらしになりそうな気がする」と心配されていた。また、命の危険が訪れるような事態には、自分よりも他者の安否を気遣う「考えるより先に体が動く」性質で、その事が彼に危険をもたらす事態もあった。
織機綺とは毎日電話でやり取りするほどの相思相愛の仲だが、正樹は寮に入れられているため中々会えない。凪と同様に榊原弦に師事しており格闘技に精通している。イナズマとは兄弟のような関係を築いており、彼に慕われている。姉の親友である末真和子とも親しいらしく、外伝作品ではとある人物を彼女に引き合わせる役目を果たした。なお、水乃星透子と出会い認められた最後の人間でもある。 - 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『VSイマジネーターpart1/part2』『エンブリオ浸食/炎生』『ロスト・メビウス』
- 紙木城直子(かみきしろ なおこ) (映画:三輪明日美)
- 県立深陽学園の3年生。竹田啓司のクラスメイトであり、凪の親友でもある。
親切で人の気持ちを理解しようとする明るい性格だが、惚れっぽい恋多き一面を見せたりもする。本人に自覚はないが、相手の考えを読み取る能力を持っており、言語を持たないエコーズとも意思の疎通を自然に行っていた。
マンティコアを探し求めていたエコーズを学校内に匿っていたが、同じく学校に潜んでいたマンティコアに殺害される。田中志郎に好意を寄せていた。 - アニメ版では凪の回想の中で登場。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『夜明けのブギーポップ』『Boogiepop Phantom』
- 新刻敬(にいとき けい) (映画:広橋佳以)
- 県立深陽学園の生徒。初登場時二年生。風紀委員長をしているが、見た目が幼いため小中学生によく間違えられる。とても真っ直ぐな性格で機転も効く。また洞察力も優れており、歪曲王の持つ矛盾を見抜いたりもした。竹田に恋愛感情を抱いていたが、歪曲王の一件の後、思いを断ち切った。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『歪曲王』『沈黙ピラミッド』
- 田中志郎 (たなか しろう)(映画:笠原秀幸)
- 真面目な性格の少年で弓道部のエース。二年生。紙木城直子に告白されるも、その好意を受け止めるべきかどうか悩んでいた。直子の死亡後も自らの中の歪みを抱え込んでいた。最初、直子からの告白呼び出しを上級生からのシメ上げだと勘違いするなど、少々天然と思える性格を見せた。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『歪曲王』
- 木村明雄(きむら あきお) (映画:沢木哲)
- 素行もあまりよくなく、周りから浮いていた直子とよく一緒につるんでいた。直子に対して自覚すらしていない特別な感情があったようである。数年後、懐かしくなって学校を訪れた時にエコーズやマンティコアの戦闘の爪あとを目撃する。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』
- 木下京子(きのした きょうこ) (アニメ:田村ゆかり)
- 県立深陽学園の生徒。初登場時二年生。末真和子の友人で、『笑わない』ではマンティコアが作った薬物を摂取していたが、霧間凪によって止められた。『VSイマジネーターpart1』では衣川琴絵に末真和子を紹介するが、本人は出てこない(『part2』で彼女と思しき人物が衣川琴絵の事で和子に謝る場面がある)。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』『VSイマジネーターpart2』『Boogiepop Phantom』
- 草津秋子(くさつ あきこ)
- 早乙女正美に好意を寄せていたが、正美とマンティコアに利用され、薬物によりスレイヴ化してしまう。
- 登場作品:『ブギーポップは笑わない』
- 霧間誠一(きりま せいいち)
- 作家。霧間凪の父親。
彼の著書を読んだ人間がMPLSとして覚醒する危険性があるとして、モ・マーダーによって殺害される。「社会の敵第一人者」を自称しており、生前にまだ子供だった水乃星透子との対話を果たしていた。
本人は小説家として作品を読んで貰う事を望んでいたが、彼の作品で読者に大きな影響を与えたのは全てそれとは異なるジャンルであった。 - 登場作品:ほぼ全て。著書の名前だけが登場する場合もある。
[編集] 『VSイマジネーターPart1・Part2』の登場人物
- 飛鳥井仁(あすかい じん)
- 予備校で講師のアルバイトをしている国立大学の美大生。非情に優秀な頭脳の持ち主で、冷静且つ慎重に行動する。
人の心をバラの形で見ることができ、そのバラの欠落している部分によってその人の心に何が欠けているかが分かる。花びらは”華やかさ”、葉なら”優しさ”や”潤い”、根は”自信”など指す。またそれを直接いじる事で、他者の心理を操作する事もできる(ただし、効果は一時的なもので完全に心を作り変えるわけではない)。
水乃星透子と出会い、彼女の意志を継ぐべくイマジネーターとして行動しブギーポップと対峙した。後の物語では軌川十助と出会い友人となったり、亨や凪らと協力して活動しており「提案者」と名乗ってブレイン的な役回りをする姿を見せた。 - 登場作品:『VSイマジネーター』『ペパーミントの魔術師』『ビートのディシプリン』
- 織機綺(おりはた あや)/カミール
- 統和機構の合成人間。初登場時は中学3年生。
特殊な能力は具わっていないが、他の合成人間にはない生殖器(女性器)が存在する。
『VSイマジネーター』での登場当時、深陽学園の男子生徒達を利用して、合成人間が妊娠できるかどうかの交配実験を行っていた。当初は無口・無表情と感情の起伏が少なかったが、谷口正樹と出会い、彼に心を開く事によって次第に普通の少女らしくなっていく。現在は凪の部屋に居候しながら料理学校に通っている。正樹が瀕死の重傷を負った際は1人で看病するなど献身的な姿を見せた。『ロスト・メビウス』では主人公を務める。飛鳥井仁いわく、「小さいけれど完全な花をもっている」。なお、アニメ版では一瞬だけ登場している。 - 登場作品:『VSイマジネーター』『夜明けのブギーポップ』『エンブリオ浸食/炎生』『ロスト・メビウス』『Boogiepop Phantom』『沈黙ピラミッド』
- スプーキーE(-エレクトリック) (アニメ:中田譲治)
- 統和機構の合成人間。人間離れした巨漢の体躯持つ。
手から電磁波を発生させる事が出来、これを応用して他人の脳に電磁波を流し洗脳や記憶の操作を行う事ができる。飛鳥井仁と対決し、仁の能力で心のバラの刺=攻撃性を奪われ敗北、その後自殺した。スプーキーE自身は『VSイマジネーターPart2』で死亡しているが、後の作品でも回想編などで度々登場し、様々な事件に関わっていた事が明らかになっている。『ペパーミントの魔術師』ではマルコ・ダンブロッシォと名乗っていた。 - 登場作品:『VSイマジネーター』『パンドラ』『ペパーミントの魔術師』『エンブリオ浸食』『Boogiepop Phantom』『ビートのディシプリン』『沈黙ピラミッド』
- 衣川琴絵(きぬがわ ことえ)
- 飛鳥井仁の親戚で実家が不動産業を営んでいる、裕福な家柄の少女。飛鳥井仁のことを”仁兄さん”と呼び慕っている。
- 登場作品:『VSイマジネーター』
- 安能慎二郎(あのう しんじろう)(アニメ:鈴木千尋)
- 谷口正樹・織機綺と同級生の少年。正樹と綺の関係が気になり周辺を探っていたがスプーキーEに発見され、駒のひとつにされる。
- アニメでは及川小夜子の同級生として登場。
- 登場作品:『VSイマジネーター』『Boogiepop Phantom』
- 小宮真理子(こみや まりこ)
- 自殺した水乃星透子の後を追おうとした女子高生。彼女を特別な存在として認識していた。
- 登場作品:『VSイマジネーター』
- 榊原弦(さかきばら げん)
- 霧間誠一の友人で格闘家であり霧間凪・谷口正樹の師匠でもある。一方で霧間誠一の本の共著を行うなどの文才を持ち合わせる。
現在は何らかの問題により国内にいられなくなったらしく、海外を放浪しているらしい。様々な武道に通じている大変な実力を持つ天才であるらしく、上遠野の他作品でも名前が登場した際にその道では有名な天才武術家である事が判明している。 - 登場作品:『VSイマジネーター』『パンドラ』『夜明けのブギーポップ』『エンブリオ浸食』
- 水乃星透子/イマジネーター(みなほし すいこ)
- 県立深陽学園の生徒。人の死が見え、それを操る能力「ストレンジ・デイズ」を持つ。
ここでいう「死」の概念は、「生とは死の途中でしかなく、死という前提条件の影響でしかない」というもの。解釈として「死が存在しなければ生命も意味を成さない」為、人から「死」を抜き出すとその人間は「死んでゆく途中ではない状態」に陥り時が止まったような状態となる。また、抜き出した命を自らに継ぎ足せば、死のストックが無くならない限り能力者本人は決して死に至る事はないが、その行為で自らの保身に走った場合の可能性も彼女は実験によって知り得ており、自らそれ行う事はなかった。
彼女なりの死生観や人生観などの様々な観念は、幼少期からの自己の能力との付き合いで形成されていた。一方で、同級生からは慕われ、とても美しい笑顔を見せていた大変な美少女であったが、普段の生活では伊福部昭の舞踊曲「サロメ」等を聞いていたりと、多少代わった趣味だったらしい。多くの人間に心からの崇拝と尊敬の念を向けられており、その多くの人間にとっては最早「人以上」(また、彼女を知らない人間が目撃した場合も理解を超えた存在である為、はっきりと知覚できていなかった)の存在であったらしく、上遠野作品の多くで彼女が起こした事の影響が残っている様子が伺える。しかし、一方で彼女自身はこの世にある何も信じていない事を自覚していた。
かつて、顕子などの多くの人間を操り、人を夢の中に閉じ込める実験を行うが、その数年後にブギーポップと対峙した際に自殺。しかしその後は記憶の残滓が実験の仕上げを行い、飛鳥井仁を選出してイマジネーターとしての計画を続行しようとした。彼女は人がいつか果たすであろう「突破」の可能性を探っていたが、飛鳥井の力ではそれには足りないと気付いてた様子で、最終的には敵対する立場にあった谷口正樹に可能性を見出して姿を消した。
死後消滅した後も、残した影響の大きさが本編、または上遠野の他作品においては度々明かされている。本シリーズに置いて大きなウエイトを占める統和機構や、それに対する者達とは更に立つ位置が異なっており、事実上ブギーポップと二者で全く異なる次元の戦いを行っていた様子。ブギーポップや歪曲王と異なり「半自動的」な存在であり、ブギーポップ対する程の「巨大な世界の敵」と述べられていた。『ロスト・メビウス』では意識だけ登場。ブギーポップに自分を殺したことによる反動を警告した。
上遠野の他作品で、遠い未来において本人の意図とは無関係にデータ上の再現から、それを更に超越した存在として再び目覚める。 - 登場作品:『VSイマジネーター』『夜明けのブギーポップ』『ハートレス・レッド』『ロスト・メビウス』『沈黙ピラミッド』
[編集] 『イン・ザ・ミラー パンドラ』の登場人物
- 海影香純(みかげ かすみ)
- 鏡や瞳など、景色を映す物の中に未来の景色を見る事が出来る「イントゥアイズ」の能力を持つ。麻薬が原因で友人を亡くしており、それ以来麻薬やそれを扱う者を激しく憎んでいる。天色や辻の能力がでっち上げである事には気づいていたがあえて深く気にしなかった。竹田啓司とは中学校時代の、霧間凪とは小学校時代の同級生。
- 登場作品:『パンドラ』『ホーリィ&ゴースト』
- 七音恭子(ななね きょうこ)
- 未来の香りを感じる事が出来る「アロマ」の能力を持つ。香純に密かな恋心を抱いている。14歳だが、長身で大人っぽく見えるため、香純たちには年齢を隠している。
- 登場作品:『パンドラ』
- 天色優(てんじき ゆう)/ユージン
- 統和機構の戦闘型合成人間。指先から人間の構造組織を破壊する液体を出す「リキッド」の能力を持つ。
MPLSの探索任務中に香純たちに出会い、彼らを監視するために「天色優」という名で仲間となる。未来を予知する能力を持つ香純たちに取り入るため、未来の状況が文字として体に現れる「スティグマ」という能力があると嘘を付いている。香純たちと行動をともにしているうちに、次第に彼らを本当の仲間だと思い始めた。
フォルテッシモの元相棒であり、彼に「自分の好敵手になりうる可能性がある」とまで言われており、実際に戦闘したこともある。その結果に彼が納得していないことからその強さが伺える。大勢の敵の攻撃を受け生死不明となるが、その後の作品でも名前だけ度々登場する。 - 登場作品:『パンドラ』『歪曲王』
- 神元功志(こうもと こうじ)
- 未来の音を口で再現する「ウィスパリング」の能力を持つ。能力の使用中は本人の意識が無くなるので、未来予知の結果は別の人が聞かなければならない。
両親は新興宗教の教祖で様々な人から金を騙し取っていて、そんな家族が嫌で自立しようとしていた。辻希美(後述)とは旧知の仲。辻を敵の攻撃からかばって死亡したが、死の間際で発動した「ウィスパリング」によってブギーポップが駆けつけ、辻の命を救う事となった。 - 登場作品:『パンドラ』
- 辻希美(つじ のぞみ)
- 未来の光景を描く「オートマティック」の能力を持つように見せかけているが本当は何も特別な能力を持たない普通の少女であり、そのことを香純たちに隠している。希美は小学生の頃から神元功志に恋をしていて、「オートマティック」は功志と共通の秘密を持とうとしてとっさに作った嘘の能力である。九連内朱巳とは同級生に当たる。
- 余談だが、実在するタレントの辻希美と同姓同名となるが、全くの偶然であり関係はない。(『ブギーポップの辻希美』が登場した時点では『タレントの辻希美』はデビュー前)
- 登場作品:『パンドラ』『ハートレス・レッド』
- 数宮三都雄(かずみや みつお)
- 未来の状況などを抽象的に感じる事が出来る「ベイビィトーク」の能力を持つ。能力名の由来は、「ふわふわしそう」や「びりびりしそう」など抽象的にしか表現出来ない為に「赤ん坊がバブバブ言ってるのと同じ」という事からついたもの。香純たちを敵の攻撃からかばって死亡した。
- 登場作品:『パンドラ』
- キト
- 幼い少女であるが、実際には統和機構と対立する組織が作り上げた生体兵器。
体内にあるウィルスを保有しており、薬品によって人為的に発病させた場合、効果範囲は首都圏等の規模で特定できる。しかしキトの生命活動が停止するとウィルスを抑える免疫抗体が死滅し、恐ろしく感染能力の高いウィルスがばら撒かれ、その場合は人類を全滅させる規模まで広がる。ただし、二次性徴を無事に迎えればキトの身体は生物学的に変化を起こしウィルスは死滅する。彼女はその後、霧間凪の計らいによって、海外で生活している榊原弦に養子として預けられた。 - 登場作品:『パンドラ』
- 羽原健太郎(はばら けんたろう)
- ハッカーの高校生。『パンドラ』では苗字は明らかになっておらず、僅かに登場しただけであった。『歪曲王』においては事態の解決に尽力する主人公として本格的に登場する。
霧間凪に惚れており、彼女がいずれ統和機構と全面的に対決する日に向け、『歪曲王』の一件で受け継いだ寺月の遺産を駆使してサポートを行っている。また、イナズマのように独自に統和機構に関連した者に助力した事もあった。正樹や綺とも家族同然の付き合いをしている。 - 登場作品:『パンドラ』『歪曲王』『夜明けのブギーポップ』『エンブリオ炎生』
[編集] 『歪曲王』の登場人物
- 寺月恭一郎(てらつき きょういちろう)
- 巨大企業MCEの社長。その正体は統和機構の合成人間である。統和機構が経済を都合良く操るために会社を設立したが、その規模が大きくなって目立ちすぎるようになったため、統和機構に処分される。死ぬ直前にこの作品の舞台となるムーンテンプルを建設する。彼の残した影響は、本シリーズのみならず、上遠野の他作品にもその影響が見て取れる。
- 登場作品:『歪曲王』『ペパーミントの魔術師』『メモリアノイズの流転現象』
- 橋坂静香(はしざか しずか)
- 厳格な母親に反発して若いころから男遊びを繰り返していた。その結果20歳にして、父親が分からない子供を授かってしまう。その際、交際のあった男性のうち寺月に父になって欲しいと迫った。寺月は自分の子供ではないと一笑にふしたが(寺月は合成人間であるため性行為を行ったとしても子供が出来ない。静香との関係も合成人間であることを隠し、企業のトップとして疑われないためのカモフラージュであった。)男から金をとろうとする静香の気概を気に入り、養育費として莫大な金を渡された。その後は遊びをきっぱりと止め、女手一つで真を育てる。
- 登場作品:『歪曲王』
- 橋坂真(はしざか まこと)
- 5歳。静香の息子。父の姿を全く知らず、自分の想像の中で父は怪獣だと思い込んでいる。これは母親が、「父親」の事を話す際の態度から、子供が持つ特有の想像力で人物像を形成していった為であり、彼の心の中のみ存在しうる怪物であった。子供の持つ信じる「心の強さ」と、歪みながらも芯の通った存在であったため、引き出された「歪み」の大きさは圧倒的であった。その為、ブギーポップですら手傷を負い、一度怪獣を打ち倒した隙に、真に「立ち向かうヒーロー」の姿勢を見せて説得しなければならなかった。
- 登場作品:『歪曲王』
- 道元咲子(みちもと さきこ)
- 事故で無くした親友に対し、罪悪感を抱えている女性。
- 登場作品:『歪曲王』
- 篠崎譲(しのざき ゆずる)
- イベントの客整理のバイトをしている私立大学生。
- 登場作品:『歪曲王』
- 歪曲王(わいきょくおう)
- 主体が無い、ブギーポップと同種の「自動的な」存在である。人それぞれの「隠された歪み」を引っ張り出す能力を持つ。人の精神の中に入り込み、その人間の心残りとなっている人物に化けて出る。そのため、歪曲王の姿は人の数だけある。目的は、人がその歪みに立ち会った上でそれを受け入れ、更に心の有り様を高める事が可能であるかを確認するための実験であった。
- 登場作品:『歪曲王』
- ゾーラギ
- 真が想像した自分の父。歪曲王の力で現れる。身長は数十メートル、六つ足で町を破壊して回る。ブギーポップと互角に戦い、作中唯一ブギーポップに手傷を負わせた。他の作品には登場していないが、『夜明け』においてブギーポップとエコーズの残滓が会話を交わしているのは、ゾーラギが破壊した世界である。名前は「GOZIRA」のアナグラムだと思われる。
- 登場作品:『歪曲王』
[編集] 『夜明けのブギーポップ』の登場人物
- 黒田慎平(くろだ しんぺい)/岸田一朗(きしだ いちろう)/スケアクロウ (アニメ:近田和生)
- 統和機構の合成人間。人の顔色を見るだけでその人の健康状態を知る事ができる能力をもつ。MPLSの探索が任務で、探偵事務所を隠れ蓑にしている。
寺月恭一郎の身辺調査中に入院中の凪に出会い、“進化”により死にかけていた彼女を救うため統和機構の施設から薬品を盗み出す。これにより凪の命は助かったが、スケアクロウ自身は反逆者としてモ・マーダーに殺害される。死の間際、初めて出現したブギーポップと邂逅する。 - その後、アニメ版では如月真名花の能力によって凪の身辺を「岸田一朗」の名で探ってた瞬間の彼が復活。記憶をなくしながらも凪と邂逅するが、マンティコア・ファントムに乗っ取られてしまい、最後は再びブギーポップと邂逅、記憶を取り戻し、マンティコア・ファントムを道連れにする形で消滅する。また、オープニングアニメーションでは藤花や凪と同等にメイン扱いされている。
- 彼の殺害後、隠れ蓑として使っていた探偵事務所は霧間誠一の著作権等を管理する事務所として、霧間凪が借りている。
- 登場作品:『夜明けのブギーポップ』『Boogiepop Phantom』
- 来生真希子(きすぎ まきこ)/フィア・グール (アニメ:伊藤美紀)
- 県立総合病院の精神科の新米医師。スケアクロウが持ち出した薬品(進化薬)を拾い、それを自らに使用し超人的な肉体と相手の弱点を見抜く能力を手に入れた。その能力を活かして他人を思いのままに操り、最終的には統和機構に影響を及ぼすまでになっていた。
他人の“恐怖”を喰らうようになり、特に精神的に強い人間が恐怖に染まった時の脳髄を求めて連続猟奇殺人を引き起こす。凪の脳髄を求めて凪を襲うが、逆に凪の高圧スタンガンで致命傷を受け逃走、ブギーポップにとどめをさされた。また、アニメ版では進化薬を様々な人間に使用していた。 - 登場作品:『夜明けのブギーポップ』『Boogiepop Phantom』『ロスト・メビウス』
- 佐々木政則/モ・マーダー(ささき まさのり)
- 統和機構の戦闘型合成人間。手から振動波を発する能力を持つ。暗殺を主な任務としており、これまでに霧間誠一、スケアクロウ、キョウ兄ちゃんなどを殺害している。凪を監視するためだけに凪の「連続猟奇殺人事件の調査」に手を貸すが、来生真希子が凪を狙っていることを知り、これを食い止めるため来生真希子を襲撃するが失敗、逆に殺害される。なお、来生真希子が起こした一連の事件は彼が犯人という事にされている。『ビートのディシプリン』ではピート・ビートの戦術指導役として登場。アニメ版では黒田の回想で彼を殺害する姿がシルエットで登場している。
- 登場作品:『夜明けのブギーポップ』『エンブリオ浸蝕』『ビートのディシプリン』『Boogiepop Phantom』
- ピジョン
- 統和機構の合成人間。高速移動の能力を持つ。スケアクロウに対して淡い恋心を抱いており、彼を殺害したモ・マーダーを憎んでいた。そこを来生真希子につけ込まれ、来生を狙ったモ・マーダーの攻撃を引き受けるための壁として利用され死亡した。普段は女子高生の姿をしていた。
- 登場作品:『夜明けのブギーポップ』
- 篠北周夫(しのきた ちかお)
- 糖尿病で県立総合病院に入院していた会社員。『夜明けのブギーポップ』では下の名前は出てこない。入院中は恐怖喰らいと化した来生真希子によって恐怖を味わわされる日々を送っていたが、実は彼女に肉体を改造されていた(この設定が登場する『ビートのディシプリン』以前に放映されたアニメ版で来生は様々な人物に進化薬を使っているので、その設定を逆輸入したとも受け取れる)。
- 登場作品:『夜明けのブギーポップ』『ビートのディシプリン』
[編集] 『ペパーミントの魔術師』の登場人物
- 軌川十助(きがわ とすけ)
- 統和機構の合成人間でノートリアスI.C.E,(悪名高い失敗作の意、I.C.E.はIncomplete Errorの略)と呼ばれる失敗作。緑色の肌をしていて血が青い。驚異的な再生能力と、「人が自分自身で見ないようにしてきた心の痛みと同化する」能力を持つ。これはブギーポップシリーズの中でも最も強いMPLS能力の一つ。
経緯は不明だが、軌川典助に幼少の頃から保護されていた。彼の外見の問題から典助は自分の家の部屋から全く外に出さなかった(もっとも、このことは本人も納得していた)。その為か世間知らずで子供っぽい性格だが、アイスクリーム作りには天才的な才能を見せる。そこを寺月恭一郎に見込まれ、アイスクリームチェーンメーカーの社長になる。その後、起きた様々事件を乗り越えたこと(事態に巻き込まれたようで、実際には彼の持つ「運命」の強さが全てを巻き込んでいた)で精神的に成長をみせた。
ブギーポップは彼を”世界の敵”になりえる危険人物として監視していたが、彼に「世界に対して能力を行使する気が無い」ことを見抜き、彼を見逃した。 - 登場作品:『ペパーミントの魔術師』『ビートのディシプリン』
- 楠木玲(くすのき れい)
- お菓子作りの天才で、若いながら様々な経験をつんだ女性。十助に負けず突飛で、押しの強さも負けない程気の強い性格だった。十助のパートナーとして、見いだされ、後に副社長になる。十助とは仲が良かったが、いきなり退社してしまう。
- 登場作品:『ペパーミントの魔術師』
- 蝉ヶ沢卓(せみがさわ すぐる)/スクイーズ
- 統和機構の戦闘型合成人間。見えない攻撃をほぼ無音で正確に狙撃できる。蝉ヶ沢卓という名で社会に溶け込んでいる。プロのデザイナーとして活躍している(業界では有名人)。この時はオカマ口調。なお、『ハートレス・レッド』で彼は表の仕事(デザイナー)を好んでおり、統和機構の仕事を片手間だと語っている。
- 登場作品:『ペパーミントの魔術師』『エンブリオ浸蝕』『ハートレス・レッド』
- 景山(かげやま)/キャプテン・ウォーカー
- 統和機構の殲滅型合成人間。自らの気化した汗で人間の生体組織を破壊する能力を持つ。密集した所なら一瞬でその場にいる人間を皆殺しに出来る。景山という名で軌川十助の側近を演じていたが、実際には監視する役割だった。
- 登場作品:『ペパーミントの魔術師』
- 軌川典助(きがわ のりすけ)
- 成功して裕福な男。独身で十助以外の家族もいなかった。この作品は彼の死から始まり十助の回想以外にはほとんど出番が無い。
- 登場作品:『ペパーミントの魔術師』
- 律子(りつこ)
- 十助のアイスクリームチェーン店のアイスが大好きなただの女子高生。巻頭と巻末に少しだけ登場する。
- 登場作品:『ペパーミントの魔術師』
[編集] 『エンブリオ浸蝕』『エンブリオ炎生』の登場人物
- 穂波顕子
- 県立深陽学園の生徒。
かつて水乃星透子の「巫女」として行動を共にしていたが、彼女が死んだ際に記憶の大半を道連れにされたため本人はそのことを覚えていない。その数年後にエンブリオと出会った事で、水乃星透子の能力であった「ストレンジ・デイズ」が一時的に復活する。高代亨にほのかな気持ちを抱いていたが、思いは伝えられないまま高代は姿を消した。 - 登場作品:『エンブリオ浸蝕/炎生』『ハートレス・レッド』
- 穂波弘
- 穂波顕子の弟。「エンブリオ」を持って逃げてきたサイドワインダーに直接接触した少年。その時エンブリオの影響を受け、周囲の物事が彼に差し障りのない様に流れる無意識の能力「タイトロープ」を発現させ、作品を通して自分自身と姉の顕子を守った。
- 登場作品:『エンブリオ浸蝕/炎生』
- 高代亨/イナズマ
- ものの脆い部分が見える能力「イナズマ」を持つ19歳のフリーター。
イナズマは正確にはその部分をなぞれば対峙したものの弱点となる、「死線」を視る事が出来る能力である。この能力は自らに及ぼす「死線」を視る事も可能で、致命傷となるような攻撃をかわす事も可能とする。また、自身から溢れた「死」の概念部位が判明していればそれを切断し、他人にエネルギーを分け与える事も可能。
尚、水乃星の項に記述した通り「死」は単純な生命力だけを測るものではなく、それを他者に半分分け与えた亨の場合、肉体的な生命力や体力が衰えずに、「何かあった時に死に到る可能性」そのものが増減している事が判明していた。加えて、生存能力の高い亨自身は警戒心等で死の可能性の増幅には対応できるらしく、水乃星の行った実験と併せ考えると因果律及び、死にまつわる因果そのものを指してる事が解る。
性格は温和だが、憧れの存在である榊原玄のような「サムライ」を目指しており、武道にも精通している。しかし、フォルテッシモとの初戦で目指す道全てを自らの弱さで失ってしまった彼は、高潔な強者である「サムライ」ではなく、身を落とした只の「イナズマ」として再びフォルテッシモに戦いを挑んだ。最強と名高いフォルテッシモと戦い、勝利した唯一の人物(ただし、場所や状況環境面に大きく影響を受ける)。
イナズマという名前の名付け親はフォルテッシモ。由来は本名の「亨」の読みが「とおる」なので、それを北欧神話の「雷神トール」に掛けて「イナズマ」とした。
他シリーズである『ビートのディシプリン』において登場した際には飛鳥井仁らと協力して動いており、統和機構とは対する立場になっていた。またその際のフォルテッシモとの再戦時には、フォルテッシモを翻弄する戦術を披露するも、攻撃を当てるには至らなかった。 - 登場作品:『エンブリオ侵食/炎生』『ビートのディシプリン』
- リィ舞阪/フォルテッシモ
- 統和機構において「最強」の名を冠しているMPLS。
自身もそのことを自覚しており、とにかく強い存在と戦うことを望んでいる。その事もあってブギーポップと対決を向かえそうな局面も見られたが、結果かわされてしまっている。性格は好戦的で大胆不敵。また真に強い相手(能力に関わらず)には敬意を払うが、九連内朱巳のように独特の強者論を持つ相手は苦手である。
空間の罅割れを見る事ができ、更にそれを指で広げることが出来る「ザ・スライダー」の能力を持つ。その能力は自らの足元の空間を切り刻み続けての高速移動や、ジェット機のような加速から、人の脳内の血管を斬り出す事まで、幅広く応用が利く。
イナズマを見出し、その後も因縁を持つ相手となる。イナズマとの勝負後は他シリーズ主人公であるピート・ビートに強者の可能性を見出し、最終的に対峙する事となった。
またブギーポップによってナイトウォッチ三部作に登場する「人類の守護者」「鉄仮面」「星に触れる者」と呼ばれる存在、マイロー・スタースクレイパーとの邂逅が示唆されている。 - 登場作品:『エンブリオ浸蝕/炎生』『ビートのディシプリン』『沈黙ピラミッド』
- パール
- 統和機構がエコーズをコピーして生み出したマンティコアタイプの合成人間。
外見は若く美しい女性の姿であるが、エコーズ・マンティコア等と同様に変身能力を持つ(原理は異なる)。統和機構内における「マンティコア・ショック」と呼ばれるマンティコア逃亡事件・マンティコア型合成人間粛正の際に統和機構から命を狙われたために組織を裏切り、反統和機構組織「ダイヤモンズ」に逃げ込む。異名は「百面相(パールズ)のパール」。 - 登場作品:『エンブリオ浸蝕/炎生』『ビートのディシプリン』
- 瀬川風見/スワロゥバード
- 統和機構のエージェントの一人。表向きの職業は女優。外伝では主人公を務めた。
- 登場作品:『エンブリオ炎生』
- サイドワインダー
- この物語のきっかけとなる人物。統和機構からエンブリオを持ち出し、裏切り者として処分される。しかし死の間際、弘にエンブリオを託す。エンブリオの声が聞こえる者に自動で届ける能力を持つ。
- 登場作品:『エンブリオ浸蝕/炎生』
- ジ・エンブリオ
- 卵型の携帯ゲーム機に潜在する意識体。モ・マーダー(佐々木政則)がキョウ兄ちゃんの脳波をコピーし、統和機構が造りあげた存在、人の持つ殻を打ち破らせ、”突破”させる能力を持つ。現在はムスク型のアクセサリーに身を宿し、フォルテッシモが身につけている。
- 登場作品:『エンブリオ浸蝕/炎生』『ビートのディシプリン』
- 本木三平
- 穂波顕子が手にしていたエンブリオの声を聞き、恐怖や焦燥が最大限になった時にそれを周囲の他人に感染させる「カウントダウン」の能力を手にしたが、その能力を危惧したブギーポップに能力のみを殺され、自覚しないまま能力を失った。
- 登場作品:『エンブリオ浸蝕』
- キョウ兄ちゃん
- 本名不明。他人の才能を開花させることのできるMPLSで、物語の始まる7年前モ・マーダーに殺される。生前穂波顕子に死神の話をしていた。
- 登場作品: 『エンブリオ浸蝕』
[編集] 『ハートレス・レッド』の登場人物
- 九連内朱巳(くれない あけみ)/レイン・オン・フライディ/傷物の赤(ヴァーミリオン・ハート)
- 幼い頃より両親から”気味の悪い子”と疎まれていた少女。
両親が借金を苦に夜逃げした際、朱巳自身は留まり借金取り等を相手に能力を発揮する。話術を技として磨き上げ、MPLS能力と同様の効果を発揮する「レイン・オン・フライディ」が彼女の能力である。その際にミセス・ロビンソンに見出され統和機構へと連れて行かれる。その後成長し、中学生時代には能力を使う事の代償で、同校生から500円玉を受け取っていた(理由と詳細は不明)。
性格は不遜で冷静。また、激昂してる様子を凪にも気付かれない程の演技で見せた事もあった。大変な”嘘つき”を自称しており、それは彼女の能力、生きる姿勢、他者への接し方にも強く表れている。統和機構中枢からは自らの後継者候補の一人と認識されているが、実際は密かに統和機構の意思に反する工作を行ったり、同じく統和機構の意思とは異なった動きを見せる飛鳥井仁らと共闘することもある。 - 登場作品:『ハートレス・レッド』『ビートのディシプリン』
- 九連内千鶴(くれない ちづる)/ミセス・ロビンソン
- 手から”触れるモノを蒸発させる液体”を発する「ワイバーン」の能力を持つ間接戦闘型合成人間、戸籍上朱巳の母親を名乗る。
任務上の偽装のはずが、いつしか朱巳という少女自身のありかたとその未来を意識するようになってしまう。朱巳の母親であることを望み、実は朱巳自身もそのことを望んでいた。 - 登場作品:『ハートレス・レッド』
- 内村杜斗(うちむら もりと)/フェイルセイフ
- 九連内朱巳のクラスメイト。普段はおどおどしているが、その正体は水乃星透子から授けられた「人から死を奪う能力」を持つMPLS。
統和機構に潜入するため九連内朱巳を利用しようとするが逆に返り討ちに遭い、穂波顕子にその能力を奪い返されてしまう。最後はブギーポップに自らの死を告げられて"世界の敵"として死ぬ事になる。 - 登場作品:『ハートレス・レッド』
[編集] 『ホーリィ&ゴースト』の登場人物
- 濱田聖子/ホーリィ
- 能力は無いが、スリム・シェイプに見初められて、犯罪コンビ「ホーリィ&ゴースト」として活動を始める。ちなみに「ホーリィ」は名前の「聖子」に含まれる「聖」を英語にもじったもの。
- 登場作品:『ホーリィ&ゴースト』
- 結城玲治/ゴースト
- 能力は無いが、スリム・シェイプに見初められて、犯罪コンビ「ホーリィ&ゴースト」として活動を始める。ちなみに「ゴースト」は名前である「ゆうきれいじ」をホーリィが上手く聞き取れず「ゆうれい」と聞き、その英語をもじったもの。
- 登場作品:『ホーリィ&ゴースト』
- スリム・シェイプ
- コミカルな動きをする包帯イタチを模したコンピュータプログラムとして、ホーリィ&ゴーストや、タル、ジェスに指令を下していた人物。正体は全身麻痺で半昏睡状態にある入院患者「江守 譲」で、唯一動く左手でスリムを動かしていた凄腕のプログラマー。また、霧間凪と旧知の仲らしく、ホーリィ&ゴースト、タル、ジェスの事後処理を頼んでいた。
- 登場作品:『ホーリィ&ゴースト』
- ドクター
- 戦時中軍医として働いていた人物。寺月恭一郎の遺産の一つで、地面に植えつけると急激な勢いで何をも貫き根を広げる統和機構産の植物「ロック・ボトム」で世界を破壊しようとしていた。だが、それ故にブギーポップに殺される事となった。
- 登場作品:『ホーリィ&ゴースト』
- 宇治木貢
- 寺月恭一郎の遺産の三分の一を管理していた人物。その遺産の中にロック・ボトムがあった。
- 登場作品:『ホーリィ&ゴースト』
- 雨宮世津子/リセット
- 実姉である「雨宮美津子」と共に統和機構に属するMPLS。その高い戦闘能力からしばしばフォルテッシモと並称される。表の顔は警察官僚内で警視総監ですら恐れるほどの権力を持つ人物。その手の中から投げる、ないしは発射した物の着弾時の威力を自由に変える事が出来る「モービィ・ディック」という能力を持つ。その異名通り、その能力で「全ての事象を取り消し(リセット)」する。威力を最大にした場合の物理的な破壊力は巡航ミサイルすら上回る統和機構最大のものであり、逆に威力を絞れば鍵開けのような隠密の工作も自在に行える。
- 登場作品:『ホーリィ&ゴースト』『ビートのディシプリン』『ギニョールアイの城』『ロスト・メビウス』『オルフェの方舟』
- 『ビートのディシプリン』『しずるさん』にも登場。
- ピート・ビート
- 統和機構の合成人間。『ビートのディシプリン』シリーズの主人公だが名前のみ登場。詳しくは『ビートのディシプリン』を参照
[編集] 『ジンクスショップへようこそ』の登場人物
- 楢崎不二子
- ある資産家の娘で、街でオキシジェンの能力を目の当たりにして商売に使えないかと考え、「~するとよい」「~してはいけない」といったジンクスを売る店を開く。上遠野の他シリーズ作品である『ソウルドロップの幽体研究』にも名前が登場している。
- 登場作品:『ジンクスショップへようこそ』
- 柊/オキシジェン
- 統和機構の中枢(アクシズ)であり、酸素のように存在が希薄で人に認知されないことが多い。自然に偏在する運命の糸そのものを視る事が出来る能力を持つ。肉体そのものは既に死んでおり、中枢としての運命のみで生きている。次期中枢を探しており、末真和子を最有力候補として見ている。ブギーポップの存在を認識しているものの面識は無い。
- 登場作品:『ジンクスショップへようこそ』『ビートのディシプリン』『酸素は鏡に映らない』
- カレイドスコープ
- 現在の中枢、オキシジェンの身を守る為に存在する合成人間。自らの解像度を変化させる「カレイドスコープ」の能力を持つ。また、特徴として左右の目の色が違う(金銀妖眼。作中の描写では右目が黒、左目が青)。それを隠すために、常にサングラスを掛けている。
- 登場作品:『ジンクスショップへようこそ』『ビートのディシプリン』『酸素は鏡に映らない』
- 伊東谷抄造/シェイムフェイス
- 楢崎家に仕える家令。相手が自分に向ける気配、視線を跳ね返す「シェイムフェイス」の能力を持つ。また特殊な呼吸法を習得しており、それによって一時的に身体能力を増強することもできる。ブギーポップ共々ギミーシェルターの罠に嵌められ、動死体(ゾンビー)に囲まれる事になるが、ギミーシェルターを発見させるためにブギーポップとの共同戦線を解除し、命を落とす。最後まで、主である不二子の事を気にかけていた。
- 登場作品:『ジンクスショップへようこそ』
- 澄矢雅典/ホワイトライアット
- 統和機構の対立組織の一員。相手の焦燥感の歯止めをなくす「ホワイトライアット」の能力を持つ。しかし、ブギーポップに世界の敵として葬られた。
- 登場作品:『ジンクスショップへようこそ』
- 小宮山愛/スイッチスタンス
- 血液を付着させた他人の意思、精神力を奪う「スイッチスタンス」の能力を持つ。柊の正体を知り、統和機構そのものの頂点に立とうと画策する。だがオキシジェンの精神に接触した際、世界のあり方の真相そのものに絶望して堕ちた。
- 登場作品:『ジンクスショップへようこそ』
- 仲村紀美香/ギミーシェルター
- 相手の体に自らの頭髪を植え付ける事で相手の精神、ひいては肉体、生死をも支配する「ギミーシェルター」の能力を持つ。"世界の敵"である事を自覚し、自らの能力で様々な人間を操り、自分に危険が降りかかる前に排除しようとしていたが、伊東谷の犠牲的な行動によってブギーポップに発見され、追い詰められる。最後は能力が消え去ったため、ブギーポップからは見逃されたが、既に彼女の命運は尽きており、デパートから墜落して命を落とした。
- 登場作品:『ジンクスショップへようこそ』
[編集] 『ロスト・メビウス』の登場人物
- 蒼衣秋良/コールドメディシン
- 統和機構とは別の組織が作り出した合成人間。他者の細胞を活性化させる「コールドメディシン」と呼ばれる能力をもつ。困惑や空虚感を即座に怒りに変換する性格。普通の人間として生活していたが、来生真希子の死について疑念を抱き調べているうちにリミットに出会う。リミットが姿を消した後、統和機構に加入しリセットの部下として働いている。
- 登場作品:『ロスト・メビウス』『オルフェの方舟』
- 雨宮美津子/リミット
- 雨宮世津子の双子の姉。自分の周囲の空気を操る「エアー・バッグ」という絶対的防御力を誇る能力をもつ。牙の痕でイデオティックと出会い、自ら統和機構と対立する道を選び、ブリックを手に入れ逃走した。
- 登場作品:『ロスト・メビウス』
- 長谷部京輔/イディオティック
- 統和機構でも特殊なポジションにいる男性。過去にオキシジェンと中枢の座を争い敗北した。オキシジェン同様生命は停止しており死ぬことはない。霧間凪とは叔父と姪のような関係。
- 登場作品:『ロスト・メビウス』
- ブリック
- 天から降りてきた者たちの一人。赤い肌をしている。人の心にある物を引きずり出し爆弾にすることができる。現在はリミットが赤ん坊の状態で所有。
- 登場作品:『ロスト・メビウス』
[編集] 『オルフェの方舟』の登場人物
- 須磨貞夫
- クレイムクラブの構成員。自分の運命を変えた統和機構を探っている。幼い頃は心臓を患っており、とても病弱だった。幼馴染の杉乃浦春海を鬱陶しいと思いつつ実は何よりも大切に思っている。
- 登場作品:『オルフェの方舟』
- 杉乃浦春海/ワン・ホット・ミニット
- 分子運動を活性化させることであらゆる物体を発火させる能力を持つMPLS。幼い頃から、自分が世界に相容れない存在であると自覚していたが貞夫と出会ったことにより世界への見方が変化した。彼女には知らせずにクレイムクラブで危険な仕事に手を出しているらしい須磨貞夫の身を心配している。
- 登場作品:『オルフェの方舟』
- 相川靖子/ティアジャーカー
- 合成人間。幼い頃に強盗に一家を惨殺され、彼女も瀕死の重傷を負った。その際に、統和機構により改造されたが、合成人間としては改造前の記憶が残っているという失敗作。能力は体内波動を集束させて身体能力や耐久力などを一時的にアメコミヒーロー並みに強化する『トリーズン・リーズン』。六嶺に利用され春海を狙う。
- 登場作品:『オルフェの方舟』
- 六嶺平蔵
- クレイムクラブ主催者。会の趣旨は統和機構の活動への「異議申し立て」等ではなく、中立を保ってそこから利益を吸い上げることだが、本人には妻に関係する別の目的があった。
- 登場作品:『オルフェの方舟』
- 六嶺美登里/フォーリン・グレイス
- 六嶺平蔵の妻。分子運動を停止させあらゆる物体を凍結させるMPLSだが、自我が崩壊している。能力は使い方によっては人の弱った部分を凍結させて悪化を防ぐこともできる。ブギーポップ曰く雪女。
- 登場作品:『オルフェの方舟』
[編集] 『沈黙ピラミッド』の登場人物
- 館川睦美
- 深陽学園の元生徒。在学中竹田啓司に片想いをしていたが、告白しないうちに籐花に先を越されたことを後悔している。大学入試が終わり時枝と喫茶店で会話をしていた際、時枝の撮った写真の一枚にブギーポップのような影を見つけたことから、結果として彼女はメロー・イエローと遭遇。奇妙な二日間の幕が開ける。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- 小森時枝
- 睦美の小学生時代からの親友。中学の頃幹也に片想いをしており、今でもその気持ちに変わりは無い。写真を撮る事が趣味で、気に入った構図や風景を見つけては被写体にレンズを向け撮影している。その内の一枚に写った筒のような影を睦美が見つけたことから、彼女もまた運命に巻き込まれていく。写真の腕は趣味という範疇では収まりきらず、睦美曰く「心の動く写真」を撮るプロ並みの見事さ。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- 真下幹也
- 睦美と時枝の中学時代の同級生。睦美に片想いをしていたが告白はできずに高校に上がる。喫茶店で話している二人と久しぶりに再会し、共にメロー・イエローのブギーポップ探しを手伝う。じつは、セピア・ステインがメザニーンによって真下の記憶を移されていた。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- メロー・イエロー
- 空気を操る<ブレス・アウェイ>の能力を持つ、“スーパービルド”の部類に含まれる統和機構の戦闘用合成人間。組織の裏切者や危険対象を処分する刺客の仕事を与えられることが主で、その際に抹殺理由を相手に伝えてから仕事に取り掛かるため「死にたがりのメロー」という別名が付けられた。フォルテッシモのことを「先生」と呼び慕い、常に彼を目標としている。見た目は幼児なのだが風貌はそれとは異状で、しかし彼女に最も似合ったものである。パスタにはかなりのこだわりを持っている。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- ダウン・ロデオ
- 三年前までは「ブーメラン・チーム」の戦闘員だったが、セピア・ステインの暴走事件以来統和機構の刺客から逃れるため現在ではフィクス、ブーメランと共に身を潜めている。しかし街でブギーポップの名を耳にした時、三年前の謎に近付くため彼もまた死神を追う。能力は物質を一瞬で劣化させる能力、<タイアード>。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- フィクス・アップ
- 「ブーメラン・チーム」の一人。物体の熱反応を読み取ったり、物質に熱反応を起こし爆発させることの出来る<ヘビー・ヒート>を操る。遠隔での起爆も可能であり、相手は攻撃を予測できでも避けられずに終わる事も多い。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- ブーメラン
- 「チーム」のリーダー。三年前の事件でセピアの暴走に巻き込まれ重傷を負い半身不随になる。近くにいる者の記憶などから新たな情報を箴言として読み出す<ピクチャレスク>を持つが、いわばMPLS的な能力のため統和機構からは常に警戒されている。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- セピア・ステイン
- 「チーム」内で最強の戦士。敵を結晶化させる能力<ストーンズ・キャスト>を使う、いわば‘とどめ’役。危険要素のあるブーメランをいざというとき始末させるため統和機構が彼女の側に配置した。“死者が蘇る場所”の調査中に能力が暴走しミイラ化。死体はロデオにより埋められる。しかし、そのミイラは真下幹也のもの。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
- メザニーン
- それのことを“彼女”が気まぐれでそう呼んだ時、自我が生まれた存在。
- 登場作品:『沈黙ピラミッド』
[編集] アニメ版『Boogiepop Phantom』の登場人物
- ブギーポップ・ファントム (アニメ:浅野まゆみ)
- 百合原美奈子と同じ顔でブギーポップと同じ服装を身に着けている謎の人物。進化した人々を捕らえ、彼らが本来いるべき時代に目覚めるよう仮死状態にして保護していた。その正体はエコーズが光になった際に電磁的に干渉縞として定着した「マンティコアのトラウマ」。マンティコア・ファントムとは電磁場の量子振動を共有しており、片方が消えるともう一方も消滅する事になる。
- マンティコア・ファントム (アニメ:福山潤)
- 早乙女正美と同じ姿をした謎の人物。その正体はエコーズが光になった際に電磁的に干渉縞として定着した「マンティコアの記憶」。ブギーポップ・ファントムとは電磁場の量子振動を共有しており、片方が消えるともう一方も消滅する事になるはずだったが、同じく電磁場の量子振動で存在していた岸田一朗(黒田慎平)の身体を乗っ取り逃亡し、その後再び事件を引き起こす事になる。
- 如月真名花 (アニメ:小林沙苗)
- 過去を呼び起こす「光の蝶」と戯れている謎の少女。実年齢は5歳だが、外見は15,6歳。
- プームプーム (アニメ:栩原楽人)
- ハーメルンの笛吹き男の格好をした謎の少年。現実を嫌悪する若者から過去の姿をした幻影を取り出し(抜き取られた相手は抜け殻のような状態になる)「王国」を作ろうとする。
- 真名花によって実体化された及川鎮の過去の幻影が、小島茜の生み出したキャラクターの姿を借りたもの。
- 森田巡査/スネークアイ (アニメ:江川央生)
- 交番勤務の警官だが、その正体はMPLSを始末するために派遣された統和機構の合成人間。及川兄妹を襲撃し返り討ちにあう。
- 目を見た相手の記憶を消す能力を持つほか、攻撃時には蛇のような軟体の体になる。
- 殿村望都 (アニメ:能登麻美子)
- 潔癖症な少女。早乙女正美の中学時代の同級生で彼に思いを寄せていた。マンティコア・ファントムと出会う。
- 鈴木康子(アニメ:渡邉由紀)
- 望都の親友。『ブギーポップは笑わない』作中にて語られた早乙女正美の昔の彼女。
- 城之内久志 (アニメ:程島鎮磨)
- エコーズが光になった際の影響で、人の心に巣食う「虫」がみえるようになった。人助けのつもりでその虫を捕食するうちに中毒になる。
- 有藤美鈴 (アニメ:那須めぐみ)
- 通称「パヌルー」。亡き親友、恵の「世界のすべてを肯定し受け入れる」という生き方「世界愛」を実践しているが、実際は親友を失った絶望をごまかすための欺瞞でしかなかった。
- マンティコア・ファントムに媒介として利用される。中途半端な能力だったため、ブギーポップ・ファントムに保護される事もなく、スネーク・アイに殺される。
- 遠山恵 (アニメ:日笠山亜美)
- 美鈴の親友(故人)。フィア・グールに殺された犠牲者の一人。
- 「世界愛」という生き方の発想者であり、「パヌルー」も本来は彼女のあだ名だったが、脚本家の水上清資は彼女自身も原型であるアルベール・カミュの作品を正しく理解しているとは限らないとしている。
- なお、彼女の両親は『パンドラ』に登場した神元功志の両親の新興宗教にのめりこんでいたという裏設定がある。
- 菅沼洋次 (アニメ:野島裕史)
- 美少女ゲーム好きなオタク。マンティコアの薬物の影響で、バイト先の後輩とゲームのキャラを混同するなど現実と妄想の区別がつかなくなり、壊れてゆく。
- 若狭静枝 (アニメ:小谷伸子(現、nobuko))
- フィア・グールによって引き起こされた殺人事件の被害者。『夜明けのブギーポップ』でも名前が出ている。
- 若狭幸子 (アニメ:宮寺智子)
- 静枝の母。行き違いがあった中で娘を亡くし、心をいためていたが、「光の蝶」により彼女の思いを知る。
- 及川鎮 (アニメ:吉野裕行)
- 「分解」という行為に執着する少年。エコーズの影響で自分に念じた対象を分解する能力があると思うようになる。
- 及川小夜子 (アニメ:小林けい)
- 鎮の妹。エコーズの影響でMPLSとなる。
- 吉沢早紀 (アニメ:折笠富美子)
- 音大志望だったがピアノ講師に能力不足と否定され絶望していたところを、プームプームによって幼少時の自分を引き出される。本人はその後幼児退行の末自殺。
- 田畑良樹 (アニメ:一石芳史)
- エコーズの影響で読心能力を得るが、その結果同級生たちが友達面で自分を利用していると知り、自分に友達がいないことを知る。プームプームによって幼少時の自分を引き出され、電話を通じてその輪を広めようとする。
- 小島茜 (アニメ:安田美和)
- 藤花の友人。進路を考える時期で童話作家という昔からの夢をあきらめようとしていた矢先に真名花とプームプームと出会う。
- その後凪によって救い出され、藤花の励ましを受け童話を書き続けることを選んだ。
- 山本巡査 (アニメ:小林壮太郎)
- 森田の同僚。彼の「統和機構の存在を教え、その後能力で記憶を消す」という退屈しのぎの対象となる。
- 如月真弓 (アニメ:大坂史子)
- 真名花の母。来生とは顔見知り。妊娠中に来生に統和機構の薬を与えられたため、娘はMPLS、自身も障害を負う。
[編集] マンガ版『ブギーポップデュアル』の登場人物
- ブギーポップ
- 小説版と同じく世界の危機に関わる異変を察知した時に自動的に現れる不気味な泡。ただし宮下藤花ではなく秋月貴也の別人格として現れ、ブギーポップかと問われた際「たしかーそう呼ばれた事もあったかな」と答えている。武器もワイヤーではなく、主に蹴りと強烈な衝撃波を使い攻撃する。また、『崩壊のビート』(DIS BEAT DISRUPTS)を察知する事が出来るが、それは『世界の敵』と呼ばれる者達が共通して発するモノなのか、単に今回の敵の能力名だったのかは不明。
- 秋月貴也(あきづき たかや)
- やや気の弱い男子高校生。自分の中にある別人格(ブギーポップ)を自覚しており、その存在と行動を周りに理解してもらえず悩んでいた。彼自身は何の力も持たないが、唯一の理解者である五十嵐初佳を助けるため、自ら『世界の敵』と対決する。
- 全編通して「秋月」と呼ばれており、名前が「貴也」である事が判明したのは最終話のラスト1ページである。
- 五十嵐初佳(いがらし もとか)
- 高校の保険教諭。気が強く大雑把な性格で、相当な酒飲みでもある。病院の屋上で秋月貴也と出会い、後に自分の勤める高校へ入学する事を勧めた。
- 加納(かのう)
- 新任の高校教師。生徒の悩みをよく聞いてくれる先生として人気があるが、心にどんなささいなものでも傷(敗北の記憶や諦めの気持ち)を持つ人間を、例外無く崩壊させ狂わせる事の出来る『世界の敵』。昔から自分の能力で実験を繰り返し、惨劇を起こした。高校生の頃にブギーポップと戦った事があるが、そのブギーポップは女子高校生の姿をし、特殊なワイヤーを使っていた。秋月に宿ったブギーポップを見て「器が違うが同じ感触」と評する。
- 古賀雪絵(こが ゆきえ)
- 秋月貴也のクラスメート。悪質なストーカーに襲われた時にブギーポップに助けられた。この事件がきっかけで秋月にほのかな好意を抱くが失恋し、加納につけ込まれる。
- 本上(ほんじょう)
- 五十嵐初佳の高校生時代の担任。後に恋仲になるが、加納の実験に巻き込まれ死亡する。
- 北村由佳(きたむら ゆか)